Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

ニール・ヤング(Neil Young)、特に70年代は・・・

今回はニール・ヤングを取り上げたいと思います。以前、バッファロー・スプリングフィールドとC.S.N & Yは取り上げましたので、今日はソロ時代、それも約50年にもなりますので(現在71歳)、私の一番好きな70年前後に絞ってみたいと思います。

ニールのソロデビューはバッファロー解散後の1968年です。アルバムは『Neil Young』です。

プロデュースはこれから長い付き合いになるジャック・ニッチェとデヴィッド・ブリッグスです。バッグには後のポコのメンバーになるジョージ・グランサムやジム・メッシーナが参加しています。このアルバムにはニールのその後の方向性がすべて詰め込まれているように思えます。フォークあり、かと思うとロックあり、カントリー調もありと地味な印象は受けますが好アルバムです。ジャック・ニッチェのストリンス曲もあります。

ソロ第2作は『Everybody Knows This Is Nowhere』です。

ここでいよいよクレイジー・ホース(Crazy Horse)との共演です。クレイジー・ホースはダニー・ウィッテン(Danny Whitten,g,vo)、ラルフ・モリーナ(Ralph Molina,ds)、ビリー・タルボット(Billy Talbot,b)の3人組で、独自でもアルバムを出しています。しかし、メンバーのダニー・ウィッテンは1972年に亡くなります。29歳でした。死因はドラッグの大量投与とか。したがってダニーが参加しているアルバムはファースト『Crazy Horse』のみです。

しかしながら、これは間違いなく名盤です。名曲「I Don't Want To Talk About It(もう何も話したくない)』は後にロッド・スチュアートやリタ・クーリッジにも歌われているようにまさに名曲で、ダニーの悲しげなヴォーカルが素晴らしいです。

話が逸れましたが、この2枚目は長尺の「Down By The River」や「Cowgirl In The Sand」を含み、特に前者は映画「いちご白書」でも使われヒットしました。完全なロックアルバムとして仕上がりました。

そしてサードアルバムが『After The Gold Rush』です。1970年です。この頃はCSN&Yとの活動とダブります。『Deja Vu』の発表もこの年でした。

私はこのアルバムが彼の中では1,2位を争う程気に入っています。今まで何度聴いたかわかりません。レコード盤がすり減っていることでしょう。このアルバムにはクレイジー・ホースのメンバー以外にスティーヴン・スティルスやニルス・ロフグリンも参加しています。サウンドはアコースティックがメインですが、中に「Southern Man(サザン・マン)」のような強烈なロックがあり、飽きません。捨て曲は1曲もありません。「サザン・マン」はCSN&Yのライブ『4way Street』で13分にも及ぶ熱演も聴けます。数年後、この曲に対してレーナード・スキナードがアルバム『Second Helping』のなかで「Sweet Home Alabama」という曲にして返歌として歌っています。

次に発表されたのが、おそらく彼のアルバムでは一番売れたのではないかと思われる『Harvest』です。

 これはバックをストレイゲイターズに変え、さらにCSN、リンダ・ロンシュタッド、ジェイムス・テイラーなどが参加し、「Heart Of Gold(ハート・オブ・ゴールド)」が全米1位に輝きました。さらに長尺の「Alabama(アラバマ)」「The Words(歌う詞)」がすばらしい。全体的にはカントリー色が強いです。

次は『Journey Through The Past(過去への旅路)』です。1972年作

これはニールの監督した映画のサウンド・トラックで2枚組でした。「サザン・マン」他貴重なライブが収録されています。映画の方はおそらく公開されていないのではないでしょうか。

次はライブアルバム『Time Fades Away(時は消え去りて)』です。1973年発表。

ライブですが全曲が新曲という変わった趣向でした。それでも中身は素晴らしいです。いい曲揃いです。

次が『On The Beach(渚にて)』です。1974年発表。

このアルバムはあまり評判にはなりませんでしたが実は好アルバムです。実はこの前年にダニー・ウィッテンが亡くなっており、ニールは絶望のどん底でした。そんな中で作られたアルバムで、地味ではありますが、いい曲がたくさん収められています。「See The Sky About To Rain」「WalkOn」「Revolution Blues」「Vampire Blues」など。

そして、次に『Tonight’s the Night(今宵その夜)』です。

これが私にとってのベスト1,2です。派手な曲はありません。亡き友、ダニー・ウィッテンとブルース・ペリーに捧げたといってもいいでしょう。クレイジー・ホースとの「Come On Baby Let's Go Downtown」もいいし、続く「Mellow My Mind」など捨て曲1曲もなしです。これもレコードが擦り切れています。

次が「Cortez The Killer」が入った『Zuma』です。発売前からラジオFENで何度もこの曲を流していたので、すっかり気に入ってしまった記憶があります。

次は『Long May You Run / Stills Young Band(太陽への旅路)』です。純粋にソロアルバムではありませんが一応。1976年発表。

そしていよいよ初来日です。日本武道館。興奮で足の震えが止まりませんでした。

まだその時は聴いたことがなかった「Like A Hurricane」を大きな扇風機の前で髪をなびかせながらギターをかき鳴らしていた姿が今でも忘れられません。

そして翌年、その「ライク・ア・ハリケーン」が入った『American Stars 'N Bars』が発表されます。

「ハリケーン」ばかり聴いていたような気がします。会社の出勤前に大音量でかけて、気合を入れていったような思い出があります。

1978年にはアコースティックな『Comes A Time』を発表します。

ニコレッタ・ラーソンがバックで加わっています。ほのぼのとしていいです。

次にクレイジー・ホースとのライブ『Rust Never Sleeps』を発表します。

オープニングの「My, My, Hey, Hey 」は1989年の2度目の来日の時のオープニングナンバーだったような記憶があります。クレイジー・ホースのギタリストはフランク・サンペドロになっています。

そして傑作ライブ『Rust Live』です。前作のツアーの模様のライブ(サントラ)です。

もう何も言う事はありません。ただただ聴いてください。選曲もいいし、演奏もいいし。レコードは2枚組です。ただ、残念なのはこの頃は既に「サザン・マン」はやらないのです。聴きたかったけどな。歌詞が問題なのでしょう。

最後は駆け足になってしまいましたが、こうしてニール・ヤングの70年代は終わります。そして80年代へ。これから様々な音楽へとチャレンジしていくことになります。パンク、ニューウェイヴ、グランジオルタナ、アンプラグド、ブルース。彼には音楽の境界はありません。

いずれまた80年代以降をやってみたいと思います。

 

レコードジャケット、お気に入り 第2弾

気に入っているレコードジャケットの第2弾をやってみたいと思います。

まずは大好きなThe Kinks から。PYE、RCA、Arista それぞれの時代から。

Face to Face  The Kinks Present Schoolboys in Disgrace  Misfits

 

続いてProcol Harumのイラストシリーズ

もっとProcol

Broken Barricades  Exotic Birds and Fruit  Procol Harum  

『Broken Barricades』は表紙をめくるとそれぞれの顔の部分が空いています

次はSavoy Brownです。

Looking In Hellbound Train Lion's Share

『Lions Share』は口のところから開きます。

次はSteve Millerです。

Sailor Number 5 Abracadabra

次はGov't Muleです。

Life Before Insanity Deja Voodoo

 ロッド・スチュアートの三面ジャケット

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へヴィメタには面白いのが多いです。DIO

Holy Diver Sacred Heart

MEGADETH

 Peace Sells...But Who's Buying?  Rust in Peace  Countdown to Extinction 

 DOKKEN

Tooth and Nail   f:id:lynyrdburitto:20170526144414p:plain

 

Electric Light Orchestraです。幻想的です。

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 70年以降のMiles Davis

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 順に The Who、Lovin' Spoonful、Moby Grape、Love

 A Quick One  Everything Playing

Wow  Forever Changes

こうしてみると自分はただの写真とかではなくイラストとか絵画みたいなのが好きなようです。

 まだまだ足りないのでその内第3弾をやりたいと思います。

最後はこれで締めます。

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思い出すだけで大変です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『恐怖分子』を観る

今日のキネ旬シアターは『恐怖分子』でした。

監督:エドワード・ヤン

主演:コラ・ミャオ

1986年の台湾映画

台湾映画はおそらく初めてです。何か観ているかもしれませんが記憶にありません。

この監督は鬼才と呼ばれた人ですが、すでに亡くなっています。59歳の若さでした。

この映画は国際映画祭などでも絶賛され、監督の名前を一躍有名にした作品のようです。この次の作品『牯嶺街少年殺人事件』も高評価で2000年の『ヤンヤン 夏想い出』でカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したそうです。台湾ニューシネマの旗手らしいです。

この映画の登場人物は不良少年らと付き合う少女、小説家志望の女性とその夫と彼女の元恋人および夫の友人の警官、カメラマン志望の青年とその彼女です。これら無関係な人々が少女の1本のいたずら電話でつながりを持ち、とんでもない結末を迎えるという話です。

この映画、何の繋がりもない連中の何の脈絡もないそれぞれの日常が次々と描かれます。少女は不良仲間の逮捕の隙に命からがら逃げ母親に拘束され、小説家志望の女は小説が書けずに悩み、前の恋人と不倫、その夫は病院で出世のために仲間を裏切り、しかし逆に裏切られ、カメラマン志望の青年は恋人に理解されず別れる決心をするが結局何もできずまたよりを戻す。こんな風に何の関係もない話が続いていきます。ところが少女がかけたいたずら電話が小説家志望の女に繋がったところからこの夫婦に大きな変化が生まれ、そして絶望的な結末を迎えます。日常の生活が些細なことで想像もしなかった世界へと一気に落ちていく恐怖。これがまさに現代の恐怖かもしれません。

20年以上前の映画ですが、決して古さは感じられませんでした。この監督の映画、機会があったらまた観ようと思います。

グレッグ・オールマン(Gregg Allman)、逝く

今朝、ショッキングなニュースが入ってきました。グレッグ・オールマンが27日亡くなりました。69歳でした。また一人偉大なるミュージシャンがこの世を去りました。

グレッグはご存じのとおり、デュアン・オールマン(Duane Allman)の弟でオールマン・ブラザース・バンド(The Allman Brothers Band)のキーボード・プレイヤーでありまたソロアルバムも多数出していました。

実は近々オールマン・ブラザースを取り上げようかな、などと考えていたものですから、余計に驚いてしまいました。オールマンブラザースとしてのスタジオアルバムは2003年の名作『Hittin' The Note』以来出ていませんが(ライブ活動は継続も2014年に事実上解散)、ソロアルバムは2011年にスタジオ・アルバム、2015年には2枚組ライブ(2014年の音源)を発表して元気に活躍していました。スタジオ・アルバム『Low Country Blues』はその名の通りブルース・アルバムです。ローリング・ストーンズの最近のアルバム『Blue & Lonesome』はこれにインスパイヤされたのかななんて思ってしまいます(考えすぎですか)。

Low Country Blues

Low Country Blues

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グレッグの最初のソロアルバム『Laid Back』は当たりました。それまでのオールマン・ブラザースのブルース色はなくなり、ゆったりとした雰囲気でジャクソン・ブラウンの曲なども取り上げ、レイドバックという言葉が大流行になり、音楽業界以外でも使われるほどでした。クラプトンなどもこぞってレイドバックしました。

Laid Back

Laid Back

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同じ時期に出されたデュアン亡き後(24歳でバイク事故のため死去)のオールマン・ブラザースの『Brother & Sister』もそれまでのオールマンのイメージをガラリ変えるほどの変身ぶりでカントリー色が強まりました。これはディッキー・ベッツの影響も大きかったのでしょう。「Ramblin' man」は大ヒットしました。

Brothers and Sisters

Brothers and Sisters

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グレッグの方はソロ第2弾として2枚組のライブ・アルバムを1974年に発表します。『Gregg Allman Tour』です。

Gregg Allman Tour

Gregg Allman Tour

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これにはバックにCowboyが参加しており、2曲ほど自身でも歌っています。これが実にいいんです。これだけでも価値があります。もちろんグレッグのレイドバックもいいです。

その後、オールマン・ブラザースはディッキーとグレッグの対立で1976年に一旦解散します。その後もグレッグはソロ活動をしながら1978年にディッキーと仲直りしてグループを再結成します。が、1982年に再び解散します。この時期のオールマン・ブラザースは私はあまり好きではありませんでした。アルバムを3枚ほど出しています。

1989年にディッキー・ベッツ・バンドのアルバムへの参加で知り合ったウォーレン・へインズ(Warren Hynes,g)とアレン・ウッディ(Allen Woody,b)が加わり再び再結成されます。この後、メンバーのブッチ・トラックス(ds)の甥でスライド・ギタリストのデレク・トラックスなども加わり最高のパフォーマンスを繰り広げます(個人的にこの時期が一番好きです)。それでもメンバーは落ち着かず、ディッキーは追い出されウォーレン(アレンとともにガヴァメント・ミュールを結成)もデレク(自身のデレク・トラックス・バンド)も出たり入ったりとなり、とうとう2014年ウォーレンとデレクが正式に脱退を表明し(アレンは2000年に死去)、事実上解散になりました。今年になってメンバーだった先ほどのブッチ・トラックスが自殺し、そして昨日グレック・オールマンが亡くなりました。詳しいことは今のところ何もわかっていません。

オールマン・ブラザースは偉大なるバンド(アメリカの3大バンド(ザ・バンド、デッド)と言われた)でしたが、なぜか不幸の影が付きまといます。デュアンの事故に続き1972年にはベリー・オークリー(b)がやはりバイク事故で亡くなります。そして今年のブッチ・トラックスの自殺と。

私は今はウォーレンの大ファンでガヴァメント・ミュールとソロ・アルバムの追っかけで大変です。その内特集をやってみたいと思います。

 

グレッグ・オールマンのご逝去、心よりご冥福をお祈りいたします。

 

追伸 今入った情報によると死因は肝臓がんとのこと。飲みすぎでしょうか。

クイックシルバー(Quicksilver Messenger Service)とディノ・ヴァレンティ(Dino Valente)

今日はシスコの3大バンドと呼ばれながらも、日本では一番知名度も人気度も低かったクイックシルバーを取り上げてみようかと思います。ご存じのとおり他の2グループはジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane)とグレイトフル・デッド(Grateful Dead)で日本でも知名度・人気度も高いです。が、なぜかクイックシルバーは日本では売れませんでした。アメリカでは絶大なる人気を誇っていましたが。

クイックシルバーの結成は1965年に遡ります。結成前からひと悶着あって、当初は後に加わるディノ・バレンティもメンバーに入っていましたが、結成寸前に麻薬所持で逮捕され、結局ジョン・シポリナ(John Cipollina,g,vo)、ゲイリー・ダンカン(Gary Duncan,g,vo)、グレッグ・エルモア(Greg Elmore,ds)、デヴィッド・フライバーグ(David Freiberg,b)とジム・マレイ(Jim Murray,harp,vo)でスタートし1968年にはファーストアルバム『Quicksilver Messenger Service』が発表されます。その前にジム・マレイはグループを去ります。

このアルバムにはディノ・バレンティの曲も取り上げられており、まさにサイケデリックロックの傑作アルバムと言ってもいいでしょう。それまでもライブバンドとして人気がありましたが、このアルバムで決定的になりました。

次に4人になったシルバーはフィルモアでのライブを発表します。1968年11月のライブです。タイトルは『Happy Trails(愛の組曲)』です。

このアルバムもライブですが前作の延長線上です。Bo Didlleyの曲を延々と演奏したりして当時のライブ会場の雰囲気が伝わってきます。

ここでゲイリー・ダンカンがディノ・ヴァレンティと新しいグループ・アウトローズをを作るために去っていきます。代わりにセッション・ピアニストのニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins)が加入します。ニッキーは名うてのピアニストで様々なアーティストのアルバムに参加しています。

そして3作目『Shady Grobe』が発表されます。

このアルバムにはゲイリーがいませんが、その代わりのニッキーが凄いです。最後の曲「Edward, The Mad Shirt Grinder」を聴くだけでもその価値はあります。なおこの曲は後にニッキーがソロでも取り上げています。が、断然クイックシルバー・バージョンがいいです。ちなみにそのアルバムは『The Tin Man Was A Dreamer(夢見る人)』です。

そして、いよいよディノ・ヴァレンティが復帰します。ゲイリーも一緒でした。6人編成になります。4枚目のアルバムは『Just For Love(ただ愛のために)』です。

 ディノの加入によって、まるで別なグループが誕生したようにガラッと雰囲気が変わりました。ディノはもともとフォークソングなどのソングライティングでも定評がありザ・ヤングブラッズなどにも曲を提供していました。このアルバムはディノの幻想的な曲調と特異なるヴォーカルで、まるで異空間に入ったような感じになってしまいます。私個人的にはこのアルバムがクイックシルバーのベストだと思っております。ただし、ディノの参加は賛否両論で参加前が断然いいという意見も多くあります。

このアルバムの中では映画「フィルモア最后のコンサート」でも歌われた「Fresh Air」あと「Cobra」「The Hat」が好きです。それとタイトル曲のpt1,2は実に神秘的です。

5枚目のアルバムは『What About Me』です。

アルバムの製作途中でニッキーとジョン・シポリナがグループを去ります。代わりに入ったのがポール・バターフィールド・ブルース・バンドにいたマーク・ナフタリン(Mark Naftalin)です。このころからグループ内のごたごたがあったような感じです。

このアルバムの後、マーク・ナフタリンがグループを離れ、デヴィッド・フライバーグもグループを去り、のちにジェファーソン・エアプレインに参加します。

残ったディノとゲイリー、グレッグの3人はマーク・ライアン(Mark Ryan,b)とチャック・ステークス(Chuck Steaks,key)を加え活動を続けます。

1971年には『Quicksilver』、1972年には『Comin' Thru』をそれぞれ発表します。

 

この2枚、評判はあまり芳しくなかったのですが、実は結構隠れた名盤です。特に前者は「Hope」「I Found Love」「Don't Cry My Lady Love」など名曲が多く非常に聴きやすくなっています。後者の方には先ほどの映画「フィルモア最后のコンサート」で歌われた名曲「Mojo」が含まれています。が、ちょっと散漫な感じは否めません。

こうしてクイックシルバーは事実上解散状態になります。

そして1975年にグループはオリジナルメンバーで(ディノ、ジョン、ゲイリー、デヴィッド、グレッグ)再結成され『Solid Silver』が発表されます。

これはいいアルバムです。いい曲揃いです。「Gypsy Lights」「Cowboy on the Run」「Letter」「Witches' Moon」「 Bittersweet Love」などどれも素晴らしいです。

しかしこれ1枚でその後はこの5人での活動はありませんでした。

80年代に入ってゲイリーがデヴィッドをゲストに迎え”クイックシルバー”の名前でアルバムを発表しました。

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 2009年にはやはりゲイリーとデヴィッドで『Reuinon』を発表しています。

メンバーのうちジョン・シポリナはグループ脱退後"Copperhead"なるグループを結成し1973年にアルバム『Copperhead』を発表します。

ジョン独特のギターサウンドが炸裂します。

その後、テリー・アンド・ザ・パイレーツ(Terry & the Pirates)に参加したりソロアルバムを出したりして 1989年46歳で亡くなりました。

パイレーツ参加時代とソロ時代で私が持っているCDは次の3枚です。

 Return to Silverado f:id:lynyrdburitto:20170526124356j:plain

3枚目はブートレグかもしれません。2枚組です。2枚目も2枚組です。

 

さて、ディノ・ヴァレンティですがクイックシルバーに正式に参加する前にソロアルバムを1枚発表しています。『Dino Valente』です。

これこそまさに隠れた名盤です。こういうのをアシッドフォークというのでしょうか。その後のクイックシルバーを予感させるような幻想的なアルバムです。残念ながら1994年に57歳で亡くなりました。

最近になって、最近と言っても2011年ですが、彼の未発表曲集が発売されました。

Get Together : The Lost Recordings Pre-1970 / Dino Valenti

これは貴重です。先ほどのザ・ヤングブラッズ(The Youngbloods)に提供した名曲「Get Together」が聴けます。

面白いのは前は"Valente"だったのが今度は"Valenti"と表記されていることです。本名は"Chester William "Chet" Powers、Jr." チェスター・パワーズといいます。ディノはステージ名で、ソングライターとしては"Jesse Oris Farrow ジェシ・ファロウを使います。

クイックシルバーは1990年以降、様々な未発表音源集、コンピレーション物が発売されています。その数と言ったらグレイトフル・デッドやジェファーソンほどではないにしても結構な数が出ています。そのたびに買っていますので大変です。タイトルやジャケットが違っても中身は同じなんていうものもあって、ああ、また騙された、いかにもアメリカらしいなんて思って、悔しがったりしています。それもまた楽し、です。

ここには上げきれないので省略します。

また、当時のサンフランシスコシーンを見られるDVDがあります。『Go Ride The Music and West Pole』です。ジェファーソンもデッドもクイックシルバーさらにはスティーヴ・ミラー、サンズ・オブ・チャンプリンまで、ウェストコースロックファンにはたまりません。でも、ちょっと食い足りないかな。

それとクイックシルバーは出ていませんが『Festival Express』にはデッド、ザ・バンドジャニス・ジョップリンそして以前取り上げたフライング・バリット・ブラザースまで出ています。ただし、グラム・パーソンズはいませんが。さらにはバディ・ガイ、マッシュ・マッカーンまで。これもファンには垂涎ものでしょう。

   

そのうちデッド、ジェファーソンも取り上げてみたいですが相当な根性が要りそうで躊躇います。それでは。

 

 

レコードジャケット、お気に入り

今日はちょっと趣向を変えて、自分の好きなレコードジャケットをちょっとだけ紹介したいと思います。私自身はジャケ買いはあまりしないのですが、やはりいいジャケットを見たときには迷いますね。

まずはちょっと変わったジャケットから。

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ちょっとわかりずらいかもしれませんがJethro Tullの『Stand Up』です。レコードジャケットを開くとメンバーがまさに立ち上がります。

次もジェスロ・タルで『Thick As A Brick(ジェラルドの汚れなき世界)』です。これは新聞をそのままジャケットにしたようです。

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次はおなじみストーンズの『Sticky Fingers』です。ファスナーは本物です。

中はパンティが入っていました。

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次もちょっと変わったジャケットです。Juicy Lucyです。胸のところが開くようになっています。

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次はちょっとサイケなアルバムです。

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Quicksilver Messenger Serviceです。ジャケットもいいが中身もいいです。

続いてGrateful Deadです。サイケですね!

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ついでにJefferson Airplaneです。

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いかにもアメリカ的です。飲んだくれたジャック・キャシディがいいですね。

 

次はFrank Zappa(フランク・ザッパ)です。ザッパはいいジャケットがいっぱいありますが、ここではマザースの頃のアルバムとソロと。

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いいですね。左は邦題が『いたち野郎』。いたちの電気カミソリですよ。おまけに血が出ています。最高です。

ついでにキャプテン・ビーフハートもいっちゃいます。

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なんだかよくわかりません。

またまたついでにDr.John

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再びJuicy Lucy

Juicy Lucy Get a Whiff a This

 

きりが無いので今日はこの辺で。もっともっとたくさんの面白いジャケットあるのでまた第2弾をやりたいと思います。

目が悪いせいなのかボケた写真ばかりになってしまいました。申し訳ありません。

最後にこれはそそられます。初来日公演(1976年か77年)の時は艶やかで卒倒しそうになりました。マリア・マルダーです

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『ソロモンの偽証・前篇』を観る

今日のキネ旬シアターは『ソロモンの偽証・前篇』でした。

原作:宮部みゆき

監督:成島出

主演:藤野涼子

 

始まって暫くして、「あれっ、これは観たことあるぞ」となって、以前CSテレビか何かで観たのを思い出しました。しかも、原作も読んでいました(原作もすごく長かったことは憶えています)。ここまで物忘れが進むと我ながらあきれ返ってしまいます。さらに、映画が進んでいって、次はこうなるはずだという予測が次々と外れるのです。1度観ているのに、です。

そこで、自分なりに結論を出しました。おそらく、テレビで映画を観るという行為は、酒を飲みながらとか、何か他のことをしながらとか、映画に集中していないせいなのではないかと。だから、記憶が浅いのではないかと。うん納得。

しかし、次に問題が。原作を読んでいるのに何故?もうこれは自分を納得させられません。やはり年のせい、が一番説得力がありそうです。そうすれば、他の映画や小説も1カ月も経てば忘れてしまうという事にも納得できるのです。悲しいですが。昔のことはよく憶えていると、人からは言われるのですがね。

ところでこの映画、ある中学生の転落死にまつわる謎を解明するために、同級生たちが刑事、教師など大人を介さず自分たちだけで裁判を行い、その真実を明らかにしようとする中学生たちの話です。

ですから、特別悲しい話でもなく、残酷な話でもないのですが、なぜか涙が流れて止まらないのです。これまた我ながら呆れてしまいます。おそらく想像するに、中学生の純粋な精神に胸を打たれたというか、忘れてしまっていた思春期の気持ちを思い出したというか、そんな感じだったのだと思います。やっぱり、年のせいというのが正解なのでしょう。

この映画の主役は藤野涼子といって、映画の中でも本名です。映画のオーディションでは最大規模の1万人の中から選ばれたそうです。見たことあるなと思ったら、今の朝ドラ「ひよっこ」に出演しています。というか、普通は朝ドラを観た時に思い出さなければいけないのに、今日初めて、ああそうか、と気が付く。私の頭の中はどうなっていることやら。彼女はこの映画で日本アカデミー賞新人賞を獲得したそうです。

ということで、後篇も忘れていると思いますので(というか今のところ思い出せていません)観に行きたいと思います。