今年早くも3作目。今日のキネ旬シアターは『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』でした。
監督:ジャック・ドワイヨン
主演:バンサン・ランドン、イジア・イジュラン
制作:フランス、2017年公開
見始めてからちょっと後悔しました。オーギュスト・ロダンについて少し知識を叩きこんで来ればよかったと。なにしろロダンについては『考える人』を作った人ぐらいの知識しかありませんでしたから。
ロダン没後100年を記念して制作された映画のようです。
ストーリーはロダンが40歳にしてようやく世間に認められ、政府から『地獄の門』の製作を依頼されるあたりから始まります。
ロダンにはカミーユ・クローデルという弟子がいて、このカミーユは同時にロダンの愛人でもあります。カミーユは彫刻家としても有能でロダンも一目置いています。
ロダンには正式に結婚はしていませんが事実上の妻ローズがいます。ロダンはローズとも別れられません。カミーユは何度も妻と別れてくれと頼みますが、ロダンは煮え切れないままです。ロダンは妻と別れるという契約書までカミーユに書かされますが、カミーユとローズの間で苦悩します。
カミーユは自分の作品がロダンの弟子ということで正当に評価されないという不満と、ロダンが妻と別れるという約束を守らないことに腹を立て、とうとうロダンの元を去って行きます。その後ロダンは創作活動にのめり込んでいきます。
あえてストーリーと言えばこの程度です。その間に、ヴィクトル・ユーゴーの像の制作やバルザックの像の創作の過程が描かれたりします。簡単に言えば創作と恋愛の苦悩を描いた映画ということになります。
また、セザンヌやモネ、ミルボーが登場したり、ゾラなどの名前がどんどん出てきて、この時代の芸術家たちの交流が垣間見えたりして興味深いものが有りました。
愛人のカミーユ・クローデルは以前彼女自身が映画化されています。観ていませんが。
本物の写真
映画では描かれていませんがカミーユはロダンと別れた後、精神に異常をきたし、精神病院に死ぬまで入院することになります。
ロダンは内縁の妻ローズとローズが73歳の時に正式に結婚するも、その16日後に死去、ロダンも9か月後に亡くなったそうです。77歳でした。
カミーユと別れた後のロダンは創作活動も盛んでしたがモデルたちとの遊びも盛んだったようです。
映画のラストで箱根の彫刻の森美術館にロダンの「バルザック」像が展示されているのが映し出されていました。何年か前にそこを訪ねているのですが全く記憶にありません。興味が無いというのはこういう事ですね、恐ろしいことです。
歴史に関する映画を観る時は、事前に多少の知識を入れておいたほうがより一層楽しくみられることは間違いありません。判っているはずなのに今日は怠けました。反省。
それでは今日はこの辺で。