Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

『キャロル』を観る

今日のキネ旬シアターは『キャロル』でした。

監督:トッド・ヘインズ

主演:ケイト・ブランシェット(キャロル)

   ルーニー・マーラ(テレーズ)

 

この映画、原作がパトリシア・ハイスミスです。ハイスミスと言えば映画『太陽がいっぱい』『見知らぬ乗客』の原作者として有名です。

 

私も彼女の小説は大好きで日本で出版されているものは大体読んでいたのですが、この原作は読んでいませんでした。私は彼女はミステリーやサスペンスの名手だと思っていたのでこの『キャロル』も当然サスペンスなのだろうと勝手に想像して(なにしろ事前情報なしですから)観たのですが、これが全然違いました。原作を読まなかった理由がわかりました(原作が映画どうりかどうかはわかりませんが)。

   

トーリーは怪しげな魅力を持つ美人人妻キャロルが4歳の娘のクリスマスプレゼントをデパートに買いに来た際に、応対したコケティッシュな美人でデパートの店員テレーゼと知り合います。テレーズはキャロルが忘れていった手袋を郵送してあげ、キャロルはそのお礼にテレーズを昼食に誘い、さらにも家に招待します。キャロルは離婚調停中で娘の親権について揉めている最中でした。テレーズにも結婚を申し込まれている恋人がいたが本人はいまいち夢中になれないでいました。

そうした中、二人は急速に惹かれあい、親しくなります。実はキャロルはレズビアンなのでした。テレーズも薄々感じていました。離婚もそのことが原因でした。しかし夫はやり直したがっていました。キャロルにその気はありません。怒った夫はレズビアンであることに対し「道徳的条項」なるものを持ち出し、キャロルの親権は一切認めず、永遠に面会も認めないとの離婚条件を出してきました。キャロルは自分を見失い、テレーズに当たり散らしました。キャロルはそれを謝り、しばらく旅行にでるので一緒に行かないかと誘います。テレーズは同意し彼女たちは旅立ちました。途中立ち寄ったホテルで見知らぬ男がそれとなく近づいて来ました。その男は夫が雇った探偵でした。二人の情事の様子を録音し夫に送りました。これで裁判は決定的に不利になります。キャロルは娘との生活をあきらめきれず、テレーズを捨て夫のもとに帰る決心をします。テレーズはキャロルを忘れられず、悲しみに暮れ電話をかけますがキャロルはテレーズを拒否します。

しかしキャロルはどうしても夫の家族との同居には耐えられず、親権を譲る条件として面会だけはさせて欲しいと言い、夫の元を離れます。そしてテレーズに会いに行きます。キャロルは新しい家を買ったので二人で暮らさないかと誘いますが、テレーズはそれは出来ないと拒みます。キャロルはあきらめ、去ります。拒んではみたものの、やはりテレーズはキャロルのことがあきらめきれません。そしてキャロルのもとへと向かいます。

この映画は数々の映画賞を受賞したそうです。ケイト・ブランシェットという女優はなんとも妖艶です。

そういえば昔、パトリシア・ハイスミスレズビアンだったということを聞いたことがありました。この『キャロル』という小説は彼女の自伝らしいです。発売当初はクレア・モーガン名義で「The Price Of Salt」というタイトルだったらしいです。1952年に出版され、1990年にようやくハイスミスの執筆だったことが明かされたようです。

パトリシア・ハイスミスの意外な面を観たような気がします。ちょっと原作を読んでみたくなりました。この機会にもう一度彼女の作品を読み直してみましょうか、ほとんど忘れていますのでね。短編の切れ味はすごかった記憶はあります。

それにしても1950年頃のアメリカの女性があれほどタバコを吸っていたのかと驚かされます。いたるところで吸っています。それがほとんど女性なのです。日本でも昔の映画の喫煙シーンの多さには今さらながらに驚きますが、それは大抵が男です。それが当時の現実でしたので納得ですが、アメリカ映画でこれほどの女性の喫煙シーンは見たことがなかったと思います。余計なことですが。