Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

「お礼」 と 『沈黙ーサイレンス』を観る

昨日は「100記事達成記念日」にたくさんの方にアクセスいただき、1日のアクセス数は過去最高となりました。特に「100記事達成」にはたくさんのスターを頂き最多スター賞を塗り替えてしまいました。それとたくさんの心温まる励ましのコメント、さらには「はてなブックマーク」もたくさん頂きました。本当に有難うございました。

はてなブックマーク」でコメントを頂いた方に対する返事の方法がわかりませんのでこの場を借りてお礼申し上げます。

そすう様、タマシイ ユレオ様、おぎパパ様、コメントありがとうございました。

今日からまた一から始めるつもりで書きますのでよろしくお願いします。

 

さて、今日のキネ旬シアターは『沈黙ーサイレンス』です。

監督:マーティン・スコセッシ

主演:アンドリュー・ガーフィールドリーアム・ニーソン窪塚洋介浅野忠信

   イッセー尾形

原作:遠藤周作

アメリカ合衆国

2016年製作、2017年公開(日本)

 

これはご存じ遠藤周作原作の映画化です。1971年に篠田正浩監督で映画化されています。私は高校生時代に原作も読んで映画も見ています。が、全く憶えていません。憶えているのは岩下志麻の顔ぐらいです。情けないです。もっとも、その頃の私は宗教、ましてやキリスト教などには全く興味がなかったから仕方がありませんが。それではなぜ観に行ったかというと、篠田正浩大島渚吉田喜重と並んで松竹ヌーベルバーグの三羽烏と呼ばれた逸材で『処刑島』や『心中天網島』などすぐれた作品を制作していました。そういう事から観に行ったのですが、残念ながら内容の記憶はほとんどありません。

今回、マーティン版を観てああ、そういえば棄教の話だったなと思い出しました。確か篠田版は原作とだいぶ違っていたような記憶がありますが、原作も忘れているのでどうしようもありません。

内容は、江戸時代初期、イエズス会の司祭で有名な神学者フェレイラが布教先の日本での弾圧に屈して棄教したという噂がポルトガルで流れました。その噂を信じられないロドリゴとガルベ2人の神父が事実を確かめるために日本に向かいます。途中マカオでキチジローという日本人に出会い、日本入国の手引きをしてもらいます。3人はトモギ村というところに上陸します。そこには弾圧に苦しみながらも信仰を守り続けている村人たちがいます。彼らは2人の神父を大歓迎しますが、まもなく奉行所の手入れが入り、2人の宣教師たちの引き渡しを命じますが村人はそれを断り、代わりに村人を代表して4人が身代わりになって出頭します。そこで踏み絵を要求されますが4人とも踏み絵を踏みます。しかし奉行所はさらにキリスト像に唾を吐けと命じます。キチジローだけは唾を吐きますが、後の3人は出来ずに、処刑されます。キチジローは以前にも家族を守るために踏み絵を踏んだことがあり、今回も自分だけ刑を逃れたずるいやつと自分を責めます。神父2人は、これ以上この村に滞在するのは村人に迷惑だと考え、ロドリゴは五島に、ガルぺは平戸にそれぞれ逃れます。

五島はキチジローの故郷で、かつてキチジローに頼まれ宣教に来たことがあったので、再びやってきたのですが、村は一変しており、人はほとんどいなくなって、家屋も荒れ果てていました。食うものもなくさ迷っているとまたキチジローに出会いました。キチジローは再びロドリゴに告解します。しかし、またしてもキチジローは裏切ります。奉行への密告でロドリゴは捕らえられます。そこには捕まった村人も何人かいました。そしてありとあらゆる拷問が始まります。ある時は平戸で捕らえられたガルぺが連れて来られ、ガルぺの目の前で信仰者が処刑されるのをガルぺは我が身をもって助けようとしますが、結局彼も死んでしまいます。ロドリゴは自分の無力を嘆き、神の沈黙に疑問を感じます。そして長崎奉行の井上は既に棄教して日本に住み家族も作っているフェレイラを呼び、ロドリゴを説得させます。頑として聞かないロドリゴの目の前で信仰者の拷問を見せつけ、フェレイラは「お前が棄教する以外彼らを救える道はない」と説得します。そしてとうとうロドリゴは踏み絵を踏みます。踏む瞬間、キリストが「踏んでいいんだ」と、ロドリゴに語りかけます。

その後は彼もまたフェレイラと同じように日本で家族を持ち、キリスト教とは無関係な、反対にキリスト教を罰する協力をするようになります。江戸で暮らすロドリゴのそばにはキチジローがいます。そしてロドリゴはキチジローにそばにいてくれてありがとうと、感謝します。そしてロドリゴは亡くなりますが、彼の本心はどうだったのかは誰もわかりませんが、自分が日本での最後の司教だという自負があったのかもしれません。最後に妻が棺桶の中でそっと十字架を手の中に握らせて映画は終わります。

私には宗教心というものが全くないので、この時代の人たち、特に貧しい農民が、どんな拷問、弾圧にも屈せず、信仰を貫く心というものがどこから来るのか到底理解できませんが、世界史を振り返っても、また現在の世界情勢を見ても、この宗教の違いからくる争いというものは永遠に続くのでしょう。

棄教したフェレイラという人物は実在した人物で、長崎奉行の井上様(幕府大目付)というのも実在の人物らしく、この映画でも出てくる「穴吊り」という拷問でフェレイラは棄教したと言われているようですが、この「穴吊り」を考案したのが井上様らしいです。この役をイッセー尾形が演じていますが、うまいです。「穴吊り」というのは目隠しして、体を縛り、逆さづりにして、顔だけ地中に埋め、耳の後ろに穴をあけ、血が少しづつ流れ出し、なかなか死なないという、凄い拷問です。

拷問場面が多く、すこし滅入りました。それとこの時代にみんな外国語を達者に話せたんだなと、変に感心しました。海での拷問シーンなど、役者も命がけです。

最後の字幕でロビー・ロバートソンの名前を見つけたのですが、調べてみるとエグゼクティヴ音楽プロデューサーだそうです。スコセッシの映画音楽の多くを手掛けているようです。

またまた長文になってしまいました。まったく反省が生かされていません。気を付けます。

 

それでは今日はこの辺で。