Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画 『恋する惑星』 を観る

今日のキネ旬シアターは『恋する惑星』でした。

監督:ウォン・カーウァイ

主演:トニー・レオン金城武フェイ・ウォン、ブリジット・リン

1995年公開(日本) 香港制作

 

先週紹介した『花様年華』と同じ監督、主演男優でした。

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

花様年華』の6年程前の作品です。映像も観ていて、『花様年華』で魅せた映像美の元はココからきているのだなと思いました。斬新なカット、アングルなど『花様年華』ほどにはまだ到達していませんが、なかなか面白いものが有りました。

ストーリーは現代風(といっても20年以上前ですが)恋愛映画とでもいいますか、ちょっと変わった男と女の物語です。舞台は返還前の香港・九龍の雑居ビル街です。そこで、たまたますれ違った男女が再び出会う、というテーマになっています。

2つの物語があって、一つ目は失恋した警官(金城武)が謎の金髪女性(麻薬の密売人、ブリジット・リン)にバーで話しかけ、そのまま酔ってホテルで1泊。しかし女は眠り込んだまま、何事もなく男は部屋を出る。その後、ポケットベル(時代を感じさせます)に「25歳の誕生日おめでとう」の伝言が届きます。

次は、これまたスチュワーデスに振られた警官(トニー・レオン)が勤務中に寄ったスタンド飲食店の店員(フェイ・ウォン)に見染められるという話。この飲食店は先ほどの話の警官もちょくちょく利用しています。その辺が面白いところです。一目ぼれした店員は警官の住所を聞きだし、勝手に部屋に入り、いろいろ模様替えなどしてしまいます。しかし警官は失恋の痛みでそんなことに気が付きません。ある日、彼女がまた部屋の掃除などをしているときに警官が帰ってきて、見つかってしまいます。しかし、話すうちに彼女の気持ちを知った警官は彼女をデートに誘います。喜んだ彼女。しかし約束の日、彼女は現れす、カリフォルニアへと旅立ってしまいました。1年後、その飲食店を譲り受けた警官が開店準備をしているところに、彼女がスチュワーデス姿で現れます。警官は1年前の彼女の置手紙(手書きの搭乗券)を見せ、「雨に濡れて行き先が見えないが何処だったんだ?」と聞きます。彼女は「書き直すから、どこへ行きたい?」と聞き返します。警官は「君の行きたいところ」と答えます。

洒落てますね。悲恋ではなく、ちょっと温まる、恋愛映画です。

ママス&パパスの『カリフォルニア・ドリーミング』が後半、何度も流れます。それとフェイ・ウォンが「クランベリーズ」の『ドリームス』をカバーしています。この人は歌手でもあったのです。それも有名なベテラン歌手です。1999年の日本レコード大賞ではアジア音楽賞を、また中国人では初めて日本武道館でコンサートを行ったそうです。全く知りませんでした。無知ですねえ。

ブリジット・リンは最後までサングラスを外しませんでした。顔が見たかった。

この作品でウォン・カーウァイ監督は一躍世界中に知られるようになったそうです。

 

それでは今日はこの辺で。