今日はアメリカでは人気が無くアジア・ヨーロッパで人気の高いファイアーハウスです。メロハーはアメリカでは受けないのは定説ですが、確信犯的にアメリカを無視して日本やヨーロッパ、アジアで活動をしている姿に複雑な思いがします。国民性の違いからその嗜好が違うのはやむを得ないことなのでしょうが、それでもメロディアスなものを好むアメリカ人も少なからずいるはずですが、そういった人たち向けの音楽をやっても商業的には成功しません。となれば自ずとそのマーケットは嗜好があった海外へと向かいます。ミュージシャンの信条としてどうするかの決断が迫られるのでしょう。あくまでアマチュアではなくプロとしての音楽ビジネスなのですから。
ファイアーハウスは1988年に結成されます。結成時のメンバーは
C.J.スネア(C.J.Snare,vo,key)
ビル・レヴァティ(Bill Leverty,g)
ペリー・リチャードソン(Perry Richardson,b)
マイケル・フォスター(Michael Foster,ds)
です。
ファイアーハウスは『ホワイト・ヒート(White Heat)』と『マックス・ウォリアー(Maxx Warrior)』との合体です。ホワイト・ヒートのマイケルとビルがマックスのC.J.とペリーを引き抜き結成されました。バンド名はまだホワイト・ヒートのままでした。ジョン・ボン・ジョビが彼らを気に入り、彼等のデモテープをエピックに持ち込み契約が成立します。そしてバンド名をファイアーハウスに変えてデビューします。
デビューアルバムは『Firehouse』です。1990年です。
このアルバムはアメリカでもダブル・プラチナと爆発的に売れました。シングルヒットも飛び出しました。ファイアーハウスはとにかく楽曲がいいんです。ハードロックからメロディアスなバラードあり、アコースティックナンバーあり、そしてロックンロールありと全く飽きさせません。演奏力も高いし、ヴォーカルも歌唱力が高く売れないはずがありません。
そして続くセカンドは1992年『Hold Your Fire』です。
このアルバムも基本は前作の延長線上にありますが、よりメロディ重視になったということで逆に不評を買い前作以上のヒットは生まれませんでした。当時のグランジブームに押されてハードロックが下火になったということも影響したのかもしれません。
続いて3年後の1995年にサードアルバム『3』をリリースします。
このアルバムは前作をより発展させメロディアスになっています。とくに「アイ・リヴ・マイ・ライフ・フォー・ユー」は名曲でいかにも日本人好みでアジアでは大ヒットしました。しかしアメリカでは全く評判にもなりませんでした。このあたりからファイアーハウスはメイン市場を国外に向けていきます。
翌年には4枚目のアルバムとして『Good Acoustics』をリリースします。1996年です。
これはこれまでの曲を全編アコースティックで演奏するというベスト盤的な色合いを持ったアルバムです。もちろん新曲も3曲あり、イーグルスやイアン・マシューズも取り上げていたスティーヴ・ヤングの「Seven Bridges Road」なども演っています。
全編アコースティックですがこれが実に気持ちいいんです。アコースティックといっても生ギター1本という訳ではなく、あくまでバンド演奏ですから、フォークロックやカントリーロックを聴いているような心地よさがあります。とにかくいい曲ばかりでよくぞこれだけの曲が書けたものだとただただ感心するばかりです。
続いて3年ぶりの1999年に5作目として『Category 5』をリリースします。
このアルバムは前作の出来の良さに気をよくしたのかアコースティカルな面も引き継ぎながらロックしています。ファイアーハウスが紡ぎ出すメロディーラインは本当に心地用させてくれます。これはもうすでにメタルでもなく、オルタナでもなく、70年代のウェストコースト・ロックです。これはあくまで私の感想ですが。2000年の時代にこの音楽はアメリカ本国では受け入れられなかったのでしょう。時代は変わろうと私はこの手の音楽は好きですが。
このあとファイアーハウスは2000年に『O2』、2003年に『Prime Time』をリリースします。
『O2』からベースのペリー・リチャードソンが脱退し、替わりにオールマン・ブラザース等にも参加したブルース・ウェイベル(Bruce Waibel)が加入します。しかしながら、かつての勢いは感じられません。
ここから長い期間休眠状態になります。2014年に再レコーディングのベストアルバム『Full Circle』を発表します。
それ以外に目立った活動の情報は入ってきていません。ファイアーハウスの完全復活を望んでやみません。
FireHouse - When I Look into Your Eyes
I Live My Life For You - FireHouse [Lyrics]
またまたまた、やっぱりメロハーはいい。
それではきょうはこの辺で。