Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

『マザーズ・アーミー(Mother's Army)』 スーパーグループの行方は

今日はマザーズ・アーミーについて書こうと思います。このバンドのファーストアルバムリリース時のメンバーは次の通りです。

 

ジェフ・ワトソン(Jeff Watson,g,key) 元ナイト・レンジャー

ボブ・ディズリー(Bob Daisley,b) 元チッキンシャック、オジー・オズボーン、ユーライ               ア・ヒープ、ゲイリー・ムーアなど

カーマイン・アピス(Carmine Appice,ds) ヴァニラ・ファッジ、カクタス、BB&A,

                                                                   KGBロッド・スチュワートなど

ジョー・リン・ターナー(Joe Lynn Turner,vo) レインボー、ディープ・パープルなど

 

このメンバーを見ただけで、スーパーグループということがわかります。しかし元々はナイト・レンジャーを辞めたジェフ・ワトソンがソロアルバム『Lone Ranger』を制作したときに参加していたボブ・ディズリーとカーマイン・アピスと共にバンドを作ろうということになって出来たバンドです。

この『Lone Ranger』はギター・インストアルバムでヴォーカルはいません。そこでヴォーカリストとしてウィリー・セルツァーなる人物を迎えました。そしてファーストアルバムのレコーディングが終わるころに突然ヴォーカリストの交代劇が起こります。

ウィリー・セルツァーの知名度に比べジョー・リンの知名度は圧倒的に高いために一気にスーパーグループの名称が付けられました。それが狙いだったのかもしれませんが。

そして1993年にファーストアルバム『Mothers Army』がリリースされます。

このアルバムの曲作りは全曲ジェフとボブとカーマインの共作で、ジョーの曲は1曲もありません。もっともジョーがバンドに参加したときにはヴォーカルパートを除きレコーディングが完成していたといいますから、当たり前かもしれません。そのせいか、音作りはハードロックでいいのですが、如何せん曲が今一つで、耳に残るような曲が無いというのが率直な印象です。

セカンドアルバムは1997年まで待つことになります。その間、ジョーもソロアルバム、カーマインも『Guitar Zeus』をリリースしています。それぞれ個人でも忙しかったのでしょう。

  

 

そしてようやく1997年に『Planet Eath』がリリースされます。

なんとも不思議なアルバムです。これはハードロックではありません。ジョーのヴォーカルもこれまでとは違って抑制的な唱法になっています、。このアルバムでも曲作りは1曲を除きジェフとボブの共作です。ジョーは1曲も作っていません。カバー曲はブルースナンバーです。アルバム全体からするとミスマッチのような気がします。

なお、このアルバムからグループ名が『Mothers Army』から『Mother's Army』に変更されました。理由はわかりません。

そして翌、1998年に『Fire On The Moon』がリリースされます。

このアルバムからドラムがカーマイン・アピスからこれまた凄腕のエインズレー・ダンバー(Aynsley Dunbar)に替わります。自身のバンド、リタリエイションやブルース・ブレイカーズ、ジャーニー、マザースなどにも在籍した名人です。

さらにこのアルバムでは全曲にジョンが曲作りで参加しています。そのせいかメロディアスな曲が増え、彼等の3枚の中では最高傑作に仕上がっています。かなりいいです。

ようやくバンドとしていいアルバムが出て、これからと期待しましたが、翌年あっさりと解散してしまいます。このバンドはそれぞれの個人活動をしながらのバンド活動ということでそもそも継続に無理があったのかもしれません。バンドとしての意思統一が出来ていなかったというスーパーグループの悪い面が出たのかもしれません。音楽ビジネスは難しいです。

 


Mothers Army Fire On The Moon

 

それでは今日はこの辺で。