Flying Skynyrdのブログ

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緊張型分裂症 『カタトニア(Catatonia)』

 今日は一時期、一世を風靡したイギリス・ウェールズのバンド『カタトニア』について書いてみます。スウェーデンのメタルバンドの『カタトニア(Katatonia)』とは違います。以前記事でほんの少しだけ触れていますので参考までにその記事を載せておきます。

lynyrdburitto.hatenablog.com

Catatoniaとは緊張型分裂症という意味だそうです。本人たちはバンド名に意味などないなどといっているようですが、メンバーのケリス・マシューズは精神病院に勤務していた経験があるようです。

当初のメンバーは

ケリス・マシューズ(Cerys Matthews,vo)

マーク・ロバーツ(Mark Roberts,vo,g)

ダフィッド・エヴァン (Dafydd Ieuan,ds)

クランシー・ペッグ(Clancy Pegg,key)

オーエン・パウエル(Owen Powell,g)

ポール・ジョーンズ (Paul Jones,b)

でした。

 

そもそものスタートはケリスとマークの出会いで、二人は付き合いだし曲作りをするようになりました。そしてメンバーを集めバンドを組み、音楽活動をするようになりました。やがてクライ・レコードに認められ契約し、何枚かのシングルとEPを録音しました。その中の「Sweet Catatonia」が評判を呼びました。その後ラフ・トレードとの契約後、ワーナー・ブラザースの子会社との契約を結び、ファーストアルバム『Way Beyond Blue』をリリースします。1996年のことです。

このアルバムは全英で32位になり、ゴールドディスクも獲得しました。ケリスのコケティッシュな声とメロディーで不思議な世界へと連れていかれるような感じです。

 

1998年にセカンドアルバム『International Velvet』を発表します。

このアルバムからはクランシー・ペッグが抜け(どうやら解雇のよう)ドラムスもダフィッド・エヴァンが「スーパー・ファリー・アニマルズ」に参加するためアレッド・リチャーズ(Alec Richards)に替わります。ケリスのヴォーカルはかわいさは変わりませんが、より攻撃的になりました。ちょっとどすを利かせたような歌い方もあります。曲の方は相変わらず不思議な世界です。このアルバムは見事に全英1位になりました。1曲目の「Mulde And Scully」は全英3位の大ヒットとなりました。

 

翌1999年、サードアルバム『Equally Crused And Blessed』をリリースします。

このアルバムも全英1位を記録します。まさにケリスの美貌も相まって、イギリスでは圧倒的な人気の絶頂にありました。しかしシングルでの売れ行きはいまひとつ伸び悩みました。ケリスのヴォーカルはかわいらしさを取り戻しながらも、激しい一面も見せるなど、曲ごとに表情が変わり、またまた不思議な世界に引き込まれます。何度も不思議な世界と言っていますが、ポップともフォークとも違う親しみやすさ、楽しさ、悲しさが溢れています。表現力不足で申し訳ないですが、つかみどころがありません。それでもこの感覚は病みつきになります。11曲目の「Dazed,Beautiful And Bruised」は力作です。

 

約1年半の活動休止の後、2001年には『Paper Scissors Stone』がリリースされます。

 このアルバムは1位を獲得することはできませんでしたが、6位に入る健闘をしました。私個人としては非常にいいアルバムだと思っています。しかし、アルバム発表後、ケリスがアルコールや鬱でも苦しんで施設に入ると発表しました。バンドの継続は困難とのからこの年解散が発表されました。

 

その後、ケリスはこれまでに5枚のソロアルバムを発表しています。

 

 これらのアルバムは未購入でしたが、記事を書きながら無性に聴きたくなり、早速購入手配しました。この人の魅力に嵌まると本当に病みつきになります。

 

というわけで不思議な魅力のある『カタトニア』でした。

 


Catatonia- Dazed, Beautiful and Bruised

 


Catatonia - Mulder & Scully (live)

それでは今日はこの辺で。