1970年頃、クラプトンがデラニ―&ボニーのツアーへ参加したり、デレク&ドミノスを結成したり、またジョー・コッカーとレオン・ラッセルの活躍などなどでアメリカ南部の音楽が俄然注目を浴び、スワンプミュージックなどと呼ばれるようになってきました。
そんな中、ジェシ・エド・デイヴィスもオクラホマ州出身のインディアンで、両親ともに音楽に熱心だという環境の中、早くから音楽活動を始めていました。16歳の時にはコンウェイ・トゥイッティのバンドのギタリストに抜擢され活動していました。その後、レオン・ラッセルやカール・レイドル、後にザ・バンドのメンバーになるレヴォン・ヘルムなどとバンドを組みますが、上手くいかず、その後はタジ・マハールに認められ、3年間演奏し腕を上げました。
そして1970年にソロデビューします。『Jesse Davis !』です。
Side A
1.Reno Street Incident
2.Tulsa County
3.Washita Love Child
4.Every Night Is Saturday Night
Side B
1.You Belladonna You
2.Rock N Roll Gypsies
3.Golden Sun Goddess
4.Crazy Love
参加ミュージシャンが凄いです。
ギター・・・・・エリック・クラプトン、ジョエル・スコット・ヒル
キーボード・・・ラリー・ネクテル、レオン・ラッセル、ベン・シドラン、ジョン・サイモン
ベース・・・・・ビリー・リッチ、スティーヴ・トンプソン
ドラムス・・・・チャック・ブラックウェル、ブルース・ローランド、アラン・ホワイト
ヴォーカルズ・・ニッキー・バークレイ、メリー・クレイトン、クラウディ・キング
そしてなんとグラム・パーソンズです。
その他にも豪華メンバーが顔を揃えています。
A-1 ジェシの作品。ブルースっぽい曲。ちょっと物悲しさを感じさせます。
A-2 パメラ・ポランドの作品。南部の雰囲気充分。
A-3 ジェシの作品。ジェシのヴォーカルは決して上手くはないが味があります。バックの女性コーラスが合っています。
A-4 ジェシの作品。7分に及ぶ軽快なナンバーです。
B-1 ブルースフィーリングたっぷりに歌い上げます。ジェシの作品。
B-2 シンガー・ソングライターのロジャー・ティリソンの作品。
B-3 女性コーラスを取り入れたゴスペル風ナンバー。ジェシの作品。
B-4 ヴァン・モリソンの作品。ヴァン・モリソンもアメリカ南部の音楽に惹かれ、アルバムを制作した時期があります。いい出来に仕上がっています。
1972年にはソロ第2弾、『Ululu』をリリースします。
このアルバムではドクター・ジョンも参加しており、ジョージ・ハリソンやザ・バンド、レオン・ラッセルの曲などもカヴァーしています。
彼は、1971年にはジョージ・ハリソンの「バングラディッシュ救済コンサート」にも参加しており、その雄姿は映画で観ることが出来ました。
その他セッションミュージシャンとして数え切れないくらい多くのレコーディングに参加しています。
主なところでも、ゼム、タジ・マハール、ジーン・クラーク、ジョージ・ハリソン、マーク・ベノ、アルバート・キング、レオン・ラッセル、ジョン・リー・フッカー、ベン・シドラン、スティーヴ・ミラー、B.B.キング、ジャクソン・ブラウン、ジョン・レノン、リンゴ・スター、ハリー・ニルソン、アロー・ガスリー、キース・ムーン、ロッド・スチュワート、エリック・クラプトン、変わったところでは井上陽水等々、書ききれません。
以前、ジーン・クラークの記事でも若干触れています。
そんな彼ですが1988年、43歳の若さで亡くなりました。
多くの功績を残しました。早すぎる死が悔やまれます。
Jesse Davis - Crazy Love.(Van Morrison)
それでは今日はこの辺で。