Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『シェルブールの雨傘』を観る

「シェルブールの雨傘」の画像検索結果

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今日のキネ旬シアターは『シェルブールの雨傘』です。

もう何度観たかわからないくらい観ている映画を、またまた観てしまいました。

なんとキネ旬シアターで上映したのです。どういう風の吹き回しか、ジャック・ドゥミ―とカトリーヌ・ドヌーヴの特集をしているのです。

よく考えてみるとドヌーヴの最新作『ルージュの手紙』の上映予定があるために、予めドヌーヴの特集を組んでおこうという魂胆のようです。この他にも2本予定しています。

 

この映画を初めて観たのは高校生の頃だったと思いますが、その時はミュージカルなど全く興味が無かったのでただ観ただけという感じでした。その後どういうわけか観る機会が多く、観るたびに惹かれるようになりました。その理由は映像の美しさとドヌーヴの可憐さ、それとミシェル・ルグランの音楽だと思います。

 

映画は『出発』『不在』『帰還』の3部構成になっています。

話は単純です。愛し合った二人は戦争によって引き裂かれ、女は他の男と結婚、男は荒れるがやがて別な女性と結婚。幸せになる、という話です。

 

『出発』 ジュヌヴィーヴは16歳でシェルブールの街で母親が営む傘店で二人で暮らしています。ジュヌヴィエーヴは自動車整備工の青年ギィと愛し合ってますが、母親には早すぎると反対されています。そしてギィは召集令状によってアルジェリア戦争に駆り出されてしまいます。第1部は愛し合っている2人の日常の様子から招集されて駅で別れるシーンまでです。

 

『不在』 ジュヌヴィエーヴが妊娠していることが分かります。ギィに手紙で妊娠のことを知らせます。男の子だったらフランソワという名前にしようと決めます。

しかし、ジュヌヴィーヴはギィが居ないことで寂しくてたまりません。そんな時ジュヌヴィエーヴに一目惚れした宝石商のカサールが妊娠を承知で結婚を申し込みます。心配な母親も結婚を勧めます。2年もの間帰ってこないと分かっていて待っているのがつらくなり、結婚を受け入れます。そして2人は結婚式を挙げシェルブールを離れ、ギィに別れも告げずパリへ行ってしまいました。

 

『帰還』 ギィが帰還しました。しかし彼女は既に結婚してシェルブールを去っていました。ギィの生活は荒れました。職場も喧嘩して辞め、酒を飲み、女を買う。

そして一緒に暮らしていたたった一人の身内の伯母さんが亡くなり、病気の伯母さんの面倒を見ていた同じアパートに住んでいる、陰ながらギィを慕う女性マドレーヌも去ろうとしていました。

ギィはマドレーヌに残ってほしいと頼みますが、マドレーヌはそんなに荒れたギィは嫌いだと言います。それからギィは立ち直り、自分でガソリンスタンドを経営しようと考え、叔母さんの遺産でガソリンスタンドを買いマドレーヌに結婚を申し込みます。

しかし不安なマドレーヌはジュヌヴィエ―ヴのことは本当に忘れたの、と問いただします。ギィはもうすっかり忘れたと言い放し、マドレーヌは結婚を受け入れます。

数年経ったクリスマスの夜。たまたまジュヌヴィーヴと子供を乗せた車がギィのガソリンスタンドに立ち寄ります。2人とも驚いた様子ですが、ギィが店の中にジュヌヴィーヴを誘います。たまたまマドレーヌと子供は買い物に出かけていました。

ギィが車の中の女のこの名前を聞きます。彼女はフランソワーズだと答え、あなたとそっくりだと言います。そして会ってみる?と聞きますが、ギィはノーと言い、「そろそろ行ったほうがいい」と帰りを促します。

店から出る時ジュヌヴィーヴは振り返り、「あなたは今幸せ?」と訊ねます。ギィは「とても幸せだ」と答えます。ジュヌヴィエーヴは「そう」と言って車に乗り込み去って行きます。

そこにマドレーヌとフランソワが帰って来て、雪の中親子3人は楽しそうにはしゃぎまわります。

 

どこにでもあるメロドラマです。しかし、第1部の別れのシーンと第3部のラストシーンでは必ず涙が溢れます。今日その訳が少し分かったような気がしました。やっぱりミシェル・ルグランの音楽が重要な役割を果たしています。パブロフの犬ではないですが、このシーンの音楽が流れると条件反射のように涙が出ます。

愛し合っているのに別れなければならない切ない気持ち。また女に裏切られた男の気持ちと自分を思ってくれる女のために前向きに生きていこうと決心する男の気持ち。この音楽の盛り上がり方がそれぞれのシーンを見事に引き立たせてくれます。どうしてこんなに切ないメロディーが書けるのでしょうか。

 

これは余談ですが、男から言わせると、まるで「金色夜叉」のような女の心変わりは理解できません。あれほど未来を誓い合ったのに、たった2年の不在が長過ぎるのでしょうか。しかも子供まで出来ているのに。ラストでは男と女の立場が逆になったようで溜飲が下がりました。すみません、これは単なる愚痴です。所詮はドラマですから。

 

それにしてもラストのドヌーヴの美しさは何と表現したらいいのでしょう。最新作が楽しみです。

 

シェルブールの雨傘』やカトリーヌ・ドヌーヴミシェル・ルグランについては何度か記事にしているので、もう書く機会もないと思っていまし、書くつもりもなかったのですが、劇場で観るのは久しぶりなので、ついつい嬉しくなって書いてしまいました。やっぱり映画は劇場で観るのがいいですね。

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

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別れのシーン


Love theme from "Les parapluies de Cherbourg" (1964)

 

ラストシーン


Ending of "The Umbrellas of Cherbourg"

 

それでは今日はこの辺で。