明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
正月三が日、酒飲んでしっかり休養しました。
今年最初の記事はジャニス・ジョプリンにしました。といっても、ジャニスについてはとっくに書いていたものと勘違いしていました。調べたら書いていませんでした。ということで、新春一発目はジャニスの『チープ・スリル』でいってみます。
『ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニ―』のレコードというよりも、ジャニス・ジョプリンのレコードといったほうがわかりやすいかもしれません。それほどまでにこのレコードはジャニス・ジョプリンで有名になってしまいました。ところが、ジャケットにはジャニス・ジョプリンの名前はありません。あくまでも『ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニ―』のレコードであり、ジャニスはこのバンドのヴォーカル担当のメンバーの一員です。
彼らのファーストアルバムは『Big Brother & The Holding Company Featuaring Janis Joplin』となっています。
このアルバムは元々1967年にメインストリーム・レコードから発売されましたが、さっぱり売れずに、倉庫入りになっていました。しかし同年の「モンタレー・ポップ・フェスティバル」での彼らの、特にジャニスの熱唱で一気に人気が上がり、そこにCBSが目を付け、契約しこの原盤を買い取り、新たに2曲追加して発売したものでした。
もちろんジャニスがいなければ、ビッグブラザーはここまで有名にはならなかったでしょうが、逆にビッグ・ブラザーに加入していなければジャニスのその後もどうなっていたかはわかりません。
1968年、そのCBSから発売されたのがこの『Cheap Thrils』です。
『ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニ―』のメンバーは
ピート・アルビン(Pete Albin,b)
デヴィッド・ゲッツ(David Getz,ds)
ジェームス・ガーリー(James Gurley,g)
サム・アンドリュー(Sam Andrew,g,vo)
です。
Side A
1.Combination Of The Two
2.I Need A Man To Love
3.Summertime
4.Piece Of My Heart
Side B
1.Turtle Blues
2.Oh, Sweet Mary
3.Ball And Chain
これはフィルモアでのライブアルバムと言われていますが、実際はウィンターランドでのライブです。
A-1 サム・アンドリューのヴォーカルで始まり、途中からジャニスが絡んで来るロックンロール。ジャニスの声を初めて聴いた時(確かテレビでのモンタレーポップだったと思います)には仰天したのを憶えています。声を振り絞って絶叫する。体ごと歌っているという表現がぴったりです。
A-2 ジャニスとサムの共作。ミディアムテンポのナンバー。ジャニスのボーカルとサムのリードギターが冴えわたります。
A-3 ご存じガーシュインの名曲。ブルース風のアレンジでジャニスの歌う曲の中でも屈指の名演。
A-4 日本語タイトル「心のカケラ」。色々な人がカバーしていますがジャニスが最高でしょう。
B-1 ジャニス作のカントリーブルース。サムのアコースティックギターとプロデューサーのジョン・サイモンのピアノとジャニスのヴォーカルの掛け合いが素晴らしい。
B-2 サムのヴォーカル。サイケデリックな曲。
B-3 定番。ビッグ・ママ・ソートンのブルースナンバー。とにかく痺れます。この曲を聴いていると、ジャニスが死に向かって絶叫しているようで、怖いくらいです。
歴史に残る名盤であることは間違いありません。
このあと、ジャニスはバンドを離れ、自身のグループ『コズミック・ブルース・バンド』を結成し、1969年にアルバム『I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama! 』をリリースします。
このバンドも「ウッドストック」に出演した後すぐに解散し、ジャニスは1970年、アルバム『Pearl』のレコーディングに取り掛かります。
しかし、レコーディングのために滞在していたロスアンゼルスのホテルで死体となって発見されました。ヘロインの過剰摂取とのことでした。わずか27歳の夭折でした。
彼女の死後発表された『Pearl』はこれまでで最高の売り上げを上げ、シングルのクリス・クリストファーソンの「ミー・アンド・ボギー・マギー」は全米1位を獲得しました。
その翌年には生前のライブ演奏を集めた『In Concert』がリリースされました。
さらに近年になって、1970年に「フェスティバル特急」と呼ばれた列車に乗って行ったカナダツアーの模様がDVDになりました。これにはザ・バンドやグレトグル・デッド、フライング・バリット・ブラザース、バディ・ガイ、マッシュ・マッカ―ンなどが参加していました。車内の楽しそうなジャニスが映っています。
ジャニスの音源は少ないですが、1968年のビッグ・ブラザーとの「ウィンターランド」での貴重なライブも発売されています。
1979年にはジャニスをモデルにした映画「ローズ」も作成されています。
ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニ―の方はジャニスが抜けてはどうにもならず、1972年に解散しています。
ジャニスが亡くなった1970年前後に、ブライアン・ジョーンズ(1969)、ジミ・ヘンドリックス(1970)、ジム・モリソン(1971)、と立て続けにミュージシャンが亡くなっています。それもいずれも27歳でした。奇妙な符合です。この後も、デュアン・オールマン、グラム・パーソンズと若いミュージシャンが次々と亡くなっていきました。1970年前後はロックの輝ける時代でしたが、同時に不幸な時代でもありました。それでも先人の功績は偉大であり、彼等の精神はいまだに脈々と受け継がれています。
Big Brother & The Holding Company - Summertime
Big Brother And The Holding Company - Piece Of My Heart
Janis Joplin Ball and Chain (with lyrics)
今年も相変わらずこんな感じで書いていこうと思います。
とりあえず目標は300記事達成と1年間継続達成です。なんとか頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
それでは今日はこの辺で。