Flying Skynyrdのブログ

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この人の、この1枚 『ダグ・サム(Doug Sahm)/ダグ・サム&バンド(Doug Sahm & Band)』

ダグ・サムと言えばテックス・メックスの第1人者で知られていますが、アメリカン・ルーツ・ミュージックにも精通しており、カントリー、ブルース、R&B、ロックンロールなど幅広い音楽を取り上げています。

バンド活動も『Sir Douglas Quintet』、『Doug Sahm & Band』、『Texas Tornados』『Sir Douglas Band』などいくつも名前を変え活動しています。

彼は1941年、テキサス州サンアントニオの出身で、5歳の時からカントリー&ウェスタンに興味を持ち、ギターを始め、6歳の時にはフィドルマンドリン、トリプル・ネックのスティールギターをはじめ、7歳の時にはクラブで働いていたといいますから驚きです。さらに、8歳で作曲を始め、9歳でトッププレイヤーのバックを務め、天才少年として広く知られていたというのです。そして今度はT・ボーン・ウォーカーやボビー・ブルー・ブランドなどのブルース、R&Bに興味を持ち、さらにロックンロールにも興味を持ち、1955年にはザ・ナイツなるロックロールバンドを結成します。

そしてマッスルショールズのミュージシャン、ジミー・ジョンソンと知り合いグループに参加したりしながら、自身のグループを持ったりと音楽活動を続けます。

1964年に『Sir Douglas Quintet』を結成し、「メンドシーノ」のヒットを飛ばします。4枚のアルバムも発表しますが、本人の思ったような成功を収めることが出来ず、バンドを解散させてしまいます。そんな彼に目をつけていたのがアトランティック・レコードのジェリー・ウェクスラーです。そしてアトランティックと契約を結び、レコーディングに入ります。かつての『Sir Douglas Quintet』のメンバーに加え、ニューヨークで知り合ったボブ・ディランと親交を深めていたため、ディランがデビッド・ブロンバーグなどを誘いレコーディングに参加することになりました。

前置きが長くなりましたが、こうして生まれたのが1973年の『Doug Sahm & Band』です。

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ディランが恥ずかしそうに陰に隠れているのが面白いです。

 

Side A

1.(Is Anybody Going To) San Antone

2.It's Gonna Be Easy

3.Your Friends

4.Poison Love

5.Wallflower

6.Dealer's Blues

 

Side B

1.Faded Love

2.Blues Stay Away from Me

3.Papa Ain't Salty

4.Me and Paul

5.Don't Turn Around

6.I Get Off

 

バンドメンバーは

ケン・コサック        フィドル

ジョージ・レインズ      ドラムス 

ジャック・ハーバー      ベース、ドラムス

オージー・メイヤー      ピアノ、ギター

ボブ・ディラン        ヴォーカル、ギター、ハープ、オルガン

ドクター・ジョン       オルガン、ピアノ

デヴィッド・ブロンバーグ   ドブロ、スライドギター

アリフ・マーディン      ピアノ

フラコ・ジメネス       アコーディオン

アトウッド・アレン      ヴォーカル、ギター

チャーリー・オーウェンス   スティールギター

アンディ・スタットマン    マンドリン

メンフィスホーンのメンバー  ホーンセクション

 

プロデュースはジェリー・ウェクスラー、アリフ・マーディン、ダグ・サム

ジェリー・ウェクスラーと言えばデラニー&ボニーの発掘、スワンプ・ミュージックの生みの親です。

 

A-1 カントリーロックです。ディランとダグのヴォーカルです。

A-2 これもカントリー・ロック。アトウッド・アレンの曲です。

A-3 ブルースナンバー。ダグ・サムのギターがしびれます。

A-4 ケイジャン風の曲。デヴィッド・ブロンバーグのドブロ。

A-5 ボブ・ディランの曲。ディランとダグのヴォーカル。ギターはディラン。デ  ヴィッド・ブロンバーグのドブロ。これもケイジャン風。

A-6 ダグの曲。ソウルミュージック。ダグのリードギター

B-1 カントリーロック仕立て。

B-2 デルモア・ブラザースのカントリー。

B-3 T・ボーン・ウォーカーのブルースナンバー。ダグのリードギター

B-4 ウィリー・ネルソンのカントリーソング。ディランのハープが入ります。

B-5 ダグの曲。ロックンロールです。

B-6 これもダグの曲。ファンキーなソウル風ナンバー。

 

このアルバムが発表された1973年頃はちょうどアメリカ南部のレイドバックした音楽が流行っていた頃で、これもその時流に乗った好アルバムとなっりました。

 

この同じ年に、Sir Douglas Bandとして『Texas Tornado』が発表されます。

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ここには名曲「Blue Horizon」と「Texas Tornado」が収録されています。

 

1976年にはSir Doug & The Texas Tornadosとして『Texas Rock For Country Rollers』なるアルバムを発表します。

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なお、Sir Douglas Quintet時代の代表作はやはり『Mendocino』でしょう。テックス・メックスの代表作です。

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ダグサムは類まれなる才能の持ち主でした。1999年59歳で亡くなりました。

 


DOUG SAHM (San Antonio, Texas, U.S.A) - Your Friends

 


Doug Sahm - Dealers Blues

大好きな曲


Doug Sahm - Blue horizon

それでは今日はこの辺で。