Flying Skynyrdのブログ

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『グレイトフル・デッド(Grateful Dead)』 ’60年代編

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グレイトフル・デッド(以下、デッド)については書こう書こうと思いながらここまで来てしまいました。本来ならとっくに書いていなければいけなかったのですが、何をどう書いていいのか決まらずに、ジェファーソン・エアプレインやキンクスザ・フーなどの大物とともにはついつい後回しにしてしまいました。

デッドを書こうと思うとそのキャリアだけでも半世紀もあるし、アルバムは数え切れないくらいだし、これは書ききれないなと思ったのですが、とりあえず時期を区切って書くことに腹を決めました。私も特別なデッドフリークでも、ましてやデッド・ヘッズでもありませんので、そんな大層な記事は書けませんが、思いつくまま書いてみたいと思います。デッド・ヘッズにはビル・クリントンを始め錚々たる著名人が名を連ねているらしいです。

 

デッドの結成は1965年ですがレコードデビューは遅く1967年です。この当時のサンフランシスコのバンドはレコーディングを嫌いました。ジェファーソンは別として、クイックシルバーやスティーヴ・ミラーなども同様です。ライブ会場に足を運んで生で演奏を聴いてもらいたいというのが彼らの主張でした。

ですから、レコードデビューする頃には、もうかなりの人気者になっているということがよくありました。デッドもファーストレコードを発表した時点では、シスコではジェファーソンと並ぶ巨頭としてカリスマ的存在になっていました。

結成メンバーは、ジェリー・ガルシア(Jerry Garcia,g,vo)、ボブ・ウェア(Bob Weir,g,vo)、ロン・ピッグペン・マッカーナン(Ron"Pigpen" Mckernan,key,vo)、フィル・レッシュ(Phil Lesh,b,vo)、ビル・クラウツマン(Bill Kreutzmann,ds)です。

なお作詞をしているのはロバート・ハンター(Robert hunter)で、プロコル・ハルムのキース・リードのように専属の作詞家です。

バンド名はチベット仏教の経典から選ばれたという説があります。意味は「感謝する死者」という意味らしいです。

当時のサンフランシスコはヒッピー文化、サイケデリック文化、LSDマリファナのメッカでライブ会場はライトショウで彩られ、サイケデリックなポスターが貼られていました。

ファーストアルバム『Grateful Dead』は1967年にワーナーブラザースから発売されます。

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裏ジャケットにあるようにサイケデリックでシスコサウンドです。それでもブルース調、フォーク調の曲などもあり、特にラストは10分を超える、当時としては珍しい長尺もので後年のジャムバンドとしてのデッドの始まりを伺わせます。

 

翌年にセカンドアルバム『Anthem Of The Sun』を発表します。

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このジャケットはおそらく再発時のものだと思います。スタジオとライブの組合せです。サイケデリックの極致です。シスコの若者が心酔するのが納得できるような、トリップ状態に陥ったような感じになるのではないでしょうか。なお、このアルバムから、ミッキー・ハート(Mikey Hart,ds)トム・コンスタンテン(Tom Constanten,key)が加わります。

 

翌年、サードアルバム『Aoxomoxoa』を発表します。

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日本語で「アオクソモクソア」。意味不明です。このアルバムは名曲「St.Stephen」や「China Cat Sunflower」などがある一方、インド音楽のようなちょっと理解に苦しむ曲もあり、アヴァンギャルドとでも表現すべきアルバムになっています。

 

同年、ライブの傑作2枚組『Live Dead』が発表されます。

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1面を丸々費やした「Dark Star」。デッドはやはりジェリー・ガルシアのギターが看板です。延々と続くソロ。インプロビゼーションの奔りでしょう。名曲の「St.Stephen」や「Turn On Your Love Light」も入っていますが、私のお気に入りはブルースの「Death Dont Have No Mercy」です。ガルシアの下手なヴォーカル(失礼)はさておき、ギターソロの盛り上がりが最高です。

 

ここまででデッドの60年代は終わります。日本での人気とは比べ物にならないほどの、人気を誇ったデッドです。この当時のライブ音源が次々と発売されています。そのCDの数たるや、途中で数えるのをあきらめるくらいの多さです。私も途中まで集めていましたがさすがにもうやめました。金が続きません。このデッドの商業的成功は書籍になっているくらいです。

タイトルはグレイトフル・デッドマーケティングを学ぶ 」です。凄いですね、と言いながら私も買わせていただきました、はい。

 

この後、デッドの1970年代に入っていくわけですが、それはまたの機会にということにしますが、サイケデリックなデッドはここまでで、70年にはカントリーロックの名作を生みだします。次をお楽しみに。

 


grateful dead - St. Stephen - Aoxomoxoa


Grateful Dead - Death Don't Have No Mercy - Live/Dead

 

それでは今日はこの辺で。