Flying Skynyrdのブログ

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この人の、この1枚 『ニッティー・グリッティー・ダート・バンド(The Nitty Gritty Dirt Band)/星条旗よ永遠なれ(Stars & Stripes Forever) 』

『ニッティー・グリッティー・ダート・バンド(NGDB)』ザ・バーズ、フライング・バリット・ブラザースなどと並んでカントリーロック界を代表するバンドです。

ですがNGDBはこれらのバンドとはかなり趣が違っています。バーズやFBBはどちらかというとフォークロックやロックンロール、C&Wにペダルスティールや電気楽器を取り入れカントリーロックを演っていますが、NGDBはマウンテンミュージックやブルーグラスが基本にあります。従ってフィドルバンジョーアコーディオンマンドリン、ウォッシュボード、ドブロなどをたくさん使用します。もちろん電気楽器も使用しますが、ブルーグラス色が強いです。

 

バンドの結成は1966年にカリフォルニアのロングビーチです。ジェフ・ハンナ(Jeff Hanna,g,mandolin,washboad,vo)ジミー・ファッデン(Jimmie Fadden,Washtub bass,g,harmonica,vo)が不動のメンバーで、あとはメンバーチェンジを繰り返しながら活動し続けます。結成時にはあのジャクソン・ブラウンもいました。ほどなく退団しましたが、後にシンガー・ソングライターの超大物になりました。

 

1967年にファーストアルバムThe Nitty Gritty Dirt Bandでデビューします。続けて同年にセカンドアルバムRicochet』をリリースします。ファーストアルバムはやや話題になりましたがセカンドはさっぱりでした。

翌年にはエレクトリック化してサードアルバム『Rare Junk、続けてライブアルバムAliveを発表しますが全く売れず、解散状態に追い込まれました。

 

しかし、1970年にメンバーを入れ替え起死回生のアルバムを発表します。『Uncle Charlie & His Dog Teddy(アンクル・チャーリーと愛犬テディ)』です。このアルバムにはジェリー・ジェフ・ウォーカーの名作「Mr. Bojangles(ミスター・ボージャングル)」、ロギンス&メッシーナの「House at Pooh Corner(プー横丁の家)」やマイク・ネスミス、ランディ・ニューマンの曲を取り上げ、特に「Mr. Bojangles」はNGDB最大のヒットとなりました。

続く1971年にはアルバム『All the Good Times』もヒットし、NGDBは人気バンドに名を連ねるようになりました。ここではハンク・ウィリアムスカーペンターズでもおなじみの「ジャンバラヤ」やジャクソン・ブラウンの「Jamaica, Say You Will」やポコの「Do You Feel It Too」もカバーしています。

そして1972年に世紀のカントリーロックの傑作『Will the Circle be Unbroken(永遠の絆)』がリリースされます。ここではカントリー界の大御所たちを迎えてのレコーディングでアナログ盤で3枚組の大作でした。アール・スクラッグス、ドク・ワトソン、ジョニー・キャッシュ、マール・トラヴィス、ノーマン・ブレイク、さらにロジャー・マッギン、エミルー・ハリスなどなど多くのミュージシャンを巻き込んでの一大絵巻です。

 

本来ならばNGDBと言えば『Uncle Charlie & His Dog Teddy(アンクル・チャーリーと愛犬テディ)』か『Will the Circle be Unbroken(永遠の絆)』が代表作となるのですが、ひねくれものの私は『永遠の絆』の次にリリスされた1974年の『Stars & Stripes Forever(星条旗よ永遠なれ)』を選びました。

 

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Side A

1.Jambalaya (On the Bayou)

2.Dirt Band Interview

3.Cosmic Cowboy (Part 1)

4.Aluminum Record Award / Jeff Hanna

5.Fish Song

6.Mr. Bojangles

 

Side B

1.Vassar Clements Interview

2.Listen to the Mocking Bird

3.The Sheik of Araby

4.Resign Yourself to Me

5.Dixie Hoedown

6.Cripple Creek

7.The Mountain Whippoorwill (or, How Hillbilly Jim Won the Great Fiddler's Prize

 

Side C

1.Honky Tonkin

2.House at Pooh Corner

3.Buy for Me the Rain

4.Oh, Boy!

5.Teardrops in my Eyes

6.Glocoat-Blues

 

Side D

1.The Stars and Stripes Forever

2.The Battle of New Orleans

3.It Came From The 50s (Blast From The Past) / Jeff Hanna

4.My True Story

5.Diggy Liggy Lo

 

この時のメンバーは

ジェフ・ハンナ(Jeff Hanna,g,mandolin,washboad,vo)

ジミー・ファッデン(Jimmie Fadden,Washtub bass,g,harmonica,vo)

ジョン・マッキューエン(John McEuen,g,banjo,washtub,bass)

ジム・イボットスン(Jimmy Ibbotson,g,key,ds,accordion,vo)

 

ゲストとして

ヴァッサー・クレメンツ(Vassar Clements,fidle)

レス・トンプソン(Les Thompson,b,g,mandolin,vo)

 

ヴァッサー・クレメンツはフィドルの名人で前作からゲストで参加しています。

レス・トンプソンはオリジナルメンバーですがこのアルバムのリリース前に退団していますがライブ時には参加しています。

 

このアルバムを選んだ理由は、単純にヒット曲が多くてベスト盤のような様相を呈していて、聴きやすいからです。それとNGDBのライブはすごく楽しいのです。

A-3の「コズミック・カウボーイ」は学生時代に何気なく見ていた深夜放送でNGDBが出演してこの歌を演奏していました。痛く気に入って早速シングル盤を買いに行きました。当時この曲はシングルのみでアルバムには収録されていませんでした。B面がA-5の「フィッシュ・ソング」でこれまたいい曲なのです。大好きな「プー横丁の家」も収録されており言うことなしのアルバムです。

 

この後、NGDBはバンド名を『ダート・バンド』に変更し現在も活動中です。このアルバムリリース時に在席のジェフ・ハンナ、ジミー・ファッデン、ジョン・マッキューエンは今でも一緒に活動しています。頑張っています。

 

やはりこの3枚は外せないでしょう。

   

 

 


Mr. Bojangles - Nitty Gritty Dirt Band - [With Lyrics]


The Nitty Gritty Dirt Band - Cosmic Cowboy Pt 1


House at Pooh Corner - The Nitty Gritty Dirt Band


" Fish Song "  The Nitty Gritty Dirt Band

 

それでは今日はこの辺で。