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映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』を観る

今日のキネ旬シアターはThe Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめでした。

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監督:ソフィア・コッポラ

主演:コリン・ファレルニコール・キッドマンキルスティン・ダンストエル・ファニング

制作:アメリカ、2018年日本公開

 

監督のソフィア・コッポラはあのフランシス・コッポラの娘です。脚本家、女優、ファッションデザイナーなど多方面で活躍。2003年には『ロスト・イン・トランスレーション』でアカデミー賞脚本賞を受賞しました。

 

ストーリーはアメリカの南北戦争の3年目の1864年、北軍の兵士マクバニーが南部のバージニア州にある女子学園のそばで負傷して倒れているところを、学園の生徒エミリー助けられます。エミリーはマクバニーを学園に連れて帰ります。

学園には校長先生のマーサ(ニコール・キッドマン)と教師のエドウィナ(キャスティン・ダンスト)、それに12歳位から17歳位までの女子生徒が5人いました。中でも年長のアリシアエル・ファニング)は大人っぽい色気を持ち合わせていました。マーサとエドウィナはともに40代でしょうか。

校長のマーサはマクバニーの傷の手当てをし、その後みんなで看病にあたりました。久しぶりに男性を見る先生や生徒たちは、初めは戸惑いながらも次第に興味を持つようになりました。やがて女性の間に猜疑心や嫉妬が芽生えるようになりました。

そんな時、大分傷も癒えたマクバニーを夕食に招待しました。マクバニーはエドウィナに言い寄ります。今夜部屋に行くと。エドウィナは歓びいっぱいになり、新品のネグリジェを着て部屋で待っていました。ところがマクバニーはマーサ校長とアリシアにも同じような誘いをかけていました。

エドウィナ―はマクバニーの足音が隣の部屋に入っていく物音を聞きました。すかさずその部屋を開けると、アリシアとマクバニーが抱き合っていました。マクバニーは慌ててエドウィナに謝りますが、エドウィナは受け入れず、階段から突き落としてしまいます。マクバニーのせっかく治りかけた足の傷口が再び開き、駆け付けたマーサ校長はこれは切断するしかないと、エドウィナの反対を押し切って切断してしまいます。

 

翌日、足が切断されていること知ったマクバニーは半狂乱になって暴力的行動をとるようになりました。それでもエドウィナはマクバニーと関係を持ちます。エドウィナを除いた女子たちは恐怖のあまり、マクバニーの殺害を計画します。

マーサ校長たちは食事会を企画しました。マクバニーの好きなキノコ料理を作ることにしたのです。キノコの見分けが出来るエミリーがキノコを採りに行き、料理しマクバニーに食べるよう勧めました。マクバニーは美味しいと言いながら食べました。そしてやがて苦しみだし、中毒死しました。エドウィナ―は驚きますが、どうしようもありませんでした。そして死体は白い布に包まれ門の外に置かれました。

 

この映画、途中からどこかで観たようなストーリーだなとずっと思ってきました。調べてみると、1971年にドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の映画『白い肌の異常な夜』が同じ原作で映画化されていました。それを観ていたのです。

 

もう40年以上前の作品で、ストーリーなどの詳しい内容は忘れてしまっていましたが、なにか異様な感覚が記憶に少し残っていたのだと思います。

『白い肌の異常な夜』がどちらかというとクリント・イーストウッド、つまりマクバニー側から描いた作品だったような気がするのですが、『ビガイルド 欲望のめざめ』の方は女性たちからの目で描いています。

 

女性だけの城に男が一人、なんとも羨ましい話ですが、女性同士の嫉妬やいじわるは恐ろしいものです。そして逆に共通の目的が見つかると、一転一致団結するという、集団心理の恐ろしさが描かれていて興味深く観れました。状況は違いますが、集団心理による殺人事件は過去に何度も起こっています。もう少し各人の心理描写も欲しかったところですが、ニコール・キッドマンに免じて良しとしましょう。

 


映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』本予告

それでは今日はこの辺で。