今時このバンドの名前を知っている人はどのくらいいるのでしょうか。
『オーディエンス(Audience)』
1969年にロンドンで結成されたプログレッシヴ・フォークバンドというカテゴリーでしたが、そう簡単にカテゴライズできるバンドでもありませんでした。
メンバーは
ハワード・ワース(Howard Werth,g,vo)
トレヴァー・ウィリアムス(Trevor Williams,b,vo)
トニー・コナー(Tony Connor,ds)
キース・ジェメル(Keith Gemmell,sax,clarinet,flute)
コナー以外の3人はロイド・アレクサンダース・ブルース・バンドというバンドに在籍していました。
1969年にデビューアルバム『Audience』をポリドールからリリースします。
1970年にはカリスマレコードに移籍して、セカンドアルバム『Friend's Friend's Friend.』をリリースします。
そして1971年に発表されたのが、今日紹介する『The House On The Hill』です。このレコードジャケットがなんともミステリアスです。
Side A
1.Jackdaw
2.You're Not Smiling
3.I Had a Dream
4.Raviole
Side B
1.Nancy
2.Eye to Eye
3.I Put a Spell on You
4.The House on the Hill
プロデュースはGus Dudgeonです。
このバンドの特徴はハワード・ワースのアコースティック・ギターとキース・ジェメルのサックスの絡みです。ヴォーカルはジェスロ・タルのイアン・アンダーソンを少し素直にしたような感じです。
音楽性はクラシックとジャズとフォークが融合した、当時でいうやはりプログレッシヴなのでしょうか、ジェスロ・タルにも通ずるところがあります。
B面の3はジェイ・ホーキンスの有名な曲でCCRもカバーしていますが、ここでも聴きどころとなっています。
ここでキース・ジェメルが脱退します。
バンドはこの後1972年に4枚目のアルバム『Lunch』を発表します。ここにはボビー・キース(sax)やジム・プライス(trumpet,tronbone)、ニック・ジャッド(piano)をゲストとして迎えました。
しかしこの後解散宣言をして解散します。
この後、ハワード・ワースはドアーズのレイ・マンザレクなどとのセッションを経てソロアルバムを発表します。
トニー・コナーはジャクソン・ハイツに、キース・ジェメルはスタックリッジに、トレヴァー・ウィリアムスはナッシュビル・ティーンズに参加しました。
このバンドもそれっきりかと思っていたら、なんと2004年にトニー・コナーを除くメンバーで再結成していました。ライブ活動と共に『Alive & Screamin' & Kickin' & Shoutin' 』というアルバムまで出していました。驚きました。
もっと驚いたのは、過去のアルバム全てがCD化されているということです。
人間、長生きしてみるものです。
Audience - I Put A Spell On You