Flying Skynyrdのブログ

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この人の、この1枚 『フランキー・ミラー(Frankie Miller)/Full House』

今日はロッド・スチュワートにも、ポール・ロジャースにも、ジョー・コッカーにも引けを取らない、ソウルフルなシンガー、フランキー・ミラー(Frankie Miller)です。

 

フランキー・ミラーは1949年にイギリスはスコットランドグラスゴーで生まれました。サッカー少年である一方で姉や母親の影響で、ロックンロールを聞き始め、やがてレイ・チャールズオーティス・レディングなどのR&Bやソウルミュージックに夢中になっていきました。

18歳の時にはThe Stoicsなるバンドで歌うようになります。そして1970年にはロンドンに移り住んで、1971年にプロコル・ハルムを脱退したロビン・トロワージェスロ・タルのドラマー、クライヴ・バンカーとJudeを結成し、注目されましたが正式デビュー前に解散となりました。

そして1972年にクリサリスとソロ契約を結び、ファーストアルバム『Once in a Blue Moon』をリリースします。

このアルバムはデイヴ・ロビンソン(Dave Robinson)のプロデュースで当時パブロックで騒がれていたブリンズレー・シュウォーツ(Brinsley Schwarz)をバックにレコーディングされ、オーティス・レディングの再来など高評価を得ましたが、ヒットには至りませんでした。

 

次にフランキー・ミラーはアメリカのニューオリンズに渡り、アラン・トゥーサン(Allen Toussaint)の プロデュースでセカンドアルバム『High Life』をリリースします。1974年でした。

本場のアメリカ南部に渡ってレコーディングしたことで、ミラーのR&B、ソウルミュージックにかける熱意が伝わってくるようでした。これは名盤です。

 

翌年、1975年にサードアルバム『The Rock』をリリースします。

スプーキー・トゥースウィングスヘンリー・マッカロー(Henry McCullogh,g)、やはりスプーキー・トゥースクリス・スチュワート(Chriss Stewart,b)ミック・ウィーヴァーMic Weaver,key)ステュ・ペリー(Stu Perry,ds)フランキー・ミラー・バンドとして配して、エリオット・メイザー(Elliot Mazer)のプロデュースの元レコーディングされました。

スペシャル・サンクスとしてメンフィス・ホーンズ(The Menphis Hones)と親友のジェイムス・デュワー(James Dewar,vo)が参加しています。ジェイムス・デュワーはストーン・ザ・クロウズやロビン・トロワー・バンドに在籍していました。

 

そして、長くなりましたが、今日紹介する4枚目のアルバム『Full House』が1977年にリリースされます。

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Side A

1.Be Good to Yourself

2.The Doodle Song

3.Jealous Guy

4.Searching

5.Love Letters

 

Side B

1.Take Good Care of Yourself

2.Down the Honky Tonk

3.This Love of Mine

4.Let the Candlelight Shine

5.(I'll Never) Live in Vain

 

バンドは『フランキー・ミラー・フルハウスという名前です。メンバーは

フランキー・ミラー(Frankie Miller,vo,g)

レイ・ミンヒネット(Ray Minhinnet,g)

クリス・スチュワート(Chriss Stewart,b)

ジム・ホール(Jim Hall,p,organ)

グラハム・ディキン(Graham Deakin,ds)

 

ゲストとして

クリス・スぺディング(Chris Spedding,g)

ラビット(John "Rabbit" Bundrick,key) フリー

ゲイリー・ブルッカー(Gary Brooker,key) プロコル・ハルム 

メンフィス・ホーンズ(Menphis horns,horn)

 

プロデュースはクリス・トーマス(Chris Thomas)です。プロコル・ハルムロキシー・ミュージックでおなじみ有名プロデューサーです。

 

前作が全曲オリジナルだったのに対し、A-1がフリーのアンディ・フレイザーの曲。A-3がジョン・レノン、A-4がスティーライ・スパン、A-5がヴィクター・ヤング、B-1がジミー・ドリスとなっています。B-3がロビン・トロワーとの共作です。完全なオリジナルは4曲でした。

A-1の「Be Good to Yourself」は初めてのヒット曲です。いかにもフリーらしい曲です。

このアルバムは前作に引けを取らない出来です。まさに円熟味を増したとR&Bがたっぷりと聴ける一方でブリティッシュ・ロックを感じさせる熱唱です。ファンキーな「ジェラス・ガイ」もいいですし、しっとりした「This Love of Mine」もいいです。

 

1978年、1979年にそれぞれ『Double Trouble』『A Perfect It』をそれぞれリリースします。

 

アルバム『Double Trouble』にはエアロスミススティーヴン・タイラーを迎えロック色を前面に出してきました。次の『A Perfect It』からはビッグ・ヒット「Darlin」が生まれ、商業的な成功を収めます。

しかし、それまでのR&Bやソウルミュージックのファンからは敬遠されました。私自身はやはり初期の4枚が好きです。

 

続く1980年の『Eazy Money』は商業的にも失敗に終わり、クリサリスとの契約も解除されました。

 

1986年までに2枚のアルバムを発表し、その後は曲作りに専念するようになりました。ボブ・シーガーイーグルスジョー・コッカー、ベラミー・ブラザース等々多くのミュージシャンに曲を提供しました。さらに映画音楽にも進出しました。

 

1994年に脳出血で倒れ、約5か月間昏睡状態が続きました。そして意識が回復し現在はリハビリを行いながら、歌やギターは無理なようで、作曲活動を続けているようです。

 

2016年には倒れる以前の未発表曲を集めたアルバムも発表されています。『Double Take』です。

多くのミュージシャンがゲスト参加しています。凄いメンバーです。

 

現在68歳。頑張ってください。

 


Frankie Miller...Be good to yourself


Frankie Miller - Jealous Guy


Frankie Miller - This Love Of Mine

 


Frankie Miller - Play Something Sweet

 

 

それでは今日はこの辺で。