Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『サバービコン 仮面を被った街』を観る

今日のキネ旬シアターはサバービコン 仮面を被った街でした。

f:id:lynyrdburitto:20180612124658p:plain

 

監督:ジョージ・クルーニー

脚本:コーエン兄弟ジョージ・クルーニーグラント・ヘスロヴ

主演:マット・デイモンジュリアン・ムーアオスカー・アイザック

制作:アメリカ合衆国 2018年公開(日本)

 

サスペンス映画ですがネタバレします。ご容赦願います。

 

時は1950年代、場所は郊外の新興住宅地であるサバービコンです。このサバービコンは当時のアメリカ人にとっては誰もが夢見るようなような、閑静でしかも利便性の高い高級住宅地でした。

 

ここに住むガードナー・ロッジは妻のローズと一人息子のニッキーとの3人暮らしですが、ガードナーが起こした交通事故のせいでローズは半身不随で車椅子生活になっていました。そのため彼女の双子の姉マーガレットが彼女や息子の面倒を見ていました。

 

ある日ガードナーの家に2人組の強盗が入ります。彼らは次々に家の者にクロロホルムを嗅がせ気絶させていきました。最後にクロロホルムを嗅がされたニッキーは、薄れゆく意識の中で母親に対するクロロホルムを嗅がせる時間が、他の人よりも長い気がしたのでした。

翌朝、ニッキーの目が覚めると病院でした。ガードナーとマーガレットは無事でしたが、母親は亡くなりました。

マーガレットが母親代わりとなり一緒に住むようになりました。マーガレットは髪の色もローズと同じように金髪に変え、まるで女房気取りのようになってきました。案の定、夜中にガードナーがマーガレットの部屋に忍び込むようになりました。ニッキーはそれを見ていました。

 

ある日、警察から電話があり、犯人らしき人物を逮捕したので、面通しをして欲しいとの依頼がありました。警察にはマーガレットとニッキーも来ていました。ガードナーは子供は無理だとニッキーの面通しは断りました。ガードナーとマーガレットは面通しをしましたが、明らかに犯人であるにもかかわらず違うと答えます。こっそり忍び込んだニッキーは犯人の顔をまじまじと見てしまいました。それなのに違うという父親と叔母に対し不信感を募らせました。

 

翌日、会社に強盗の2人が訪ねてきました。そしてガードナーをいきなり殴り、どうして子供に面通しをさせたんだと、詰め寄ります。そして子供を始末しろと脅します。

 

ガードナーはニッキーを寄宿舎付きの軍事学校に入れることにし、家から出そうと考えました。

一方、ガードナーは2人組の強盗に金をよこせと強請られています。2人はガードナーが雇った人間だったのです。しかし、ガードナーは支払いを拒みます。強盗は怒り、片割れに女と子供を殺せと命じます。2人が殺されればさすがに払うだろうと思ったのです。

 

そうこうしている頃、ガードナーの家に保険の調査員が訪ねてきました。そして留守番のマーガレットに妹の死に疑問がある、ガードナーとあなたが保険金を狙って仕組んだのではないかと問い詰めます。さらに妹の交通事故も怪しいと言い出します。そして今夜ガードナーを訪ねると言い残し帰っていきます。

ガードナーとマーガレットは初めから出来ていて、妹を殺し保険金を狙っていたのでした。その保険金を手に入れ、中米に転居する計画だったのです。

夜、調査員が訪ねてきて、ガードナーに保険金を全部自分に渡すなら見逃してやると、脅迫されます。するとマーガレットが毒入りのコーヒーを調査員に飲ませます。苦しみだした調査員はたまらず、外に逃げ出します。ガードナーはそれを追いかけ殺害してしまいます。そして遺体を運ぶため車に乗せ、出かけます。

 

それを強盗達は目撃していました。一人は女と子供を殺害するため家に入ります。もう一人はガードナーの車を尾行します。

 

家に入った強盗はマーガレットを殺害し、つづいてニッキーを探しに2階にやってきます。ニッキーは伯父に電話して助けを求め、必死に隠れます。しかし、とうとう見つけられ、殺されるかと思った時に、伯父が駆け付け助けてくれました。そして隠れていろとクローゼットの中に身を隠しました。その後、伯父も背中を刺されており絶命しました。

 

一方ガードナーは建設中の住宅地に死体を遺棄し、自転車で帰路につきます。そこに車で尾行してきたもう一人の強盗が車で寄ってきて、家は大変なことになっているぞと囁きます。そこに対向車がやってきて強盗の車に正面衝突し、強盗は即死です。

 

家に帰ると、マーガレットと伯父と強盗の死体を見つけました。ニッキーの姿が見えません。そしてクロゼットの中にいたニッキーを発見し、もう大丈夫だと連れ出します。

 

ガードナーはニッキーに対し強盗に襲われ死んだことにするか、すべて忘れて自分と新しい生活を始めるか、どちらかを選べと言います。その間、ガードナーはマーガレットがニッキーを殺害するために用意した毒入りのサンドイッチと牛乳を食べてしまいます。

 

翌朝ニッキーはガードナーの死体のそばで、テレビのニュースを見、それから表へ出て隣の子とキャッチボールを始めます。

 

実にブラックです。イヤミスですね。

 

しかし、この映画、実はもう一つの物語が同時進行します。

それはこのサバービコンに初めて黒人が引っ越してきたことから始まります。それはガードナーの隣の家です。マイヤーズという一家です。

町中が偉い騒ぎになります。すべての人がこの町に黒人が住むことに反対なのです。集会が開かれ、やがて黒人の家の周りに塀が作られ、嫌がらせの騒音を鳴らし、やがて出ていけコール、不買運動、それはそれは凄まじい黒人差別運動です。そしてとうとう暴動が起きます。車に火をつけ、家を破壊します。

 

その暴動の日に、隣ではガードナーが殺人を犯し、マーガレットと伯父が殺害されます。ガードナーの殺人は路上で起きますが、幸いにも暴動のせいで一人の目撃者もありません。

翌日、ニッキーがテレビで見ていたのは、この暴動にニュースでした。

この新興住宅地での黒人差別の騒動は実際にあった事件のようです。名前も同じマイヤーズ一家ということです。

 

映画の主題が何処にあるのかが今一つはっきりしなかったのはちょっと残念でした。。

1950~60年代の黒人差別の凄まじさを伝えたかったというのもあったのでしょう。

サスペンスとしてはもう少し緊迫感、恐怖感が欲しかったところでしょうか。

 

マット・デイモンジェイソン・ボーンとは違って気弱なサラリーマンを演じ、ジュリアン・ムーアが1950年代の美人が良く似合い、子役のノア・ジュープが上手でした。

 

 


映画『サバービコン 仮面を被った街』本予告

 

 

それでは今日はこの辺で。