ニルス・ロフグレン(Nils Lofgren)といえば、有名なところではブルース・スプリングスティーンのEストリート・バンド(E Streat Band)でしょうか。いやいや、ニール・ヤングのアルバムやクレイジー・ホースのアルバムに参加していた頃でしょうか。それともグリン(Grin)時代でしょうか。それでも忘れてならないのはソロ・デビュー作でしょう。
ニルス・ロフグレンは1951年のシカゴ生まれです。若い頃からロックに目覚め、ピアノとギターを習いました。ニルスが「グリン」を結成したのは1968年でした。ジョージ・デイリー(Jeorge Daly,b)とボブ・ベルベリック(Bob Berberich,ds)とのトリオでした。まだ17歳でした。
この頃、ニルスはニール・ヤングと出会い、ニールに誘われ西海岸に「グリン」のメンバーと共にやって来ました。ニルスのギターに惚れ込んだニールは彼の3枚目のアルバム『After The Gold Rush』でニルスを起用しました。そしてニールのバックバンドであったクレージー・ホースのレコーディングにも全面的に参加しました。
1971年にニール・ヤングの後押しもあり「グリン」はファーストアルバムをリリースすることになります。この時にはジョージ・デイリーがグループを去り、ボブ・ゴードン(Bob Gordn,b)が加わりました。ファーストアルバム『Grin』がリリースされました。
プロデュースはニール・ヤングのプロデューサーでもあるデヴィッド・ブリッグス(David Briggs)でした。ポップセンスあふれる良作でしたが売れ行きは芳しくありませんでした。スペシャル・サンクスでニール・ヤングとクレイジー・ホース。そしてなぜかロイ・ブキャナン(Roy Buchanan)に捧げるとなっています。
その後も「グリン」は3枚のアルバムを出しますが1974年に解散しました。
そしてソロになったニルス・ロフグレンが初めて発表したのが、ファーストアルバムの『Nils Lofgren』でした。
Side A
1.Be Good Tonight
2.Back It Up
3.One More Saturday Night
4.f I Say It, It's So
5.I Don't Want to Know
6.Keith Don't Go (Ode to the Glimmer Twin)
Side B
1.Can't Buy a Break
2.Duty
3.The Sun Hasn't Set on This Boy Yet
4.Rock and Roll Crook
5.Two by Two
6.Goin' Back
メンバーは
ニルス・ロフグレン(Nils Lofgren,vo,g,p,organ)
ウォーネル・ジョンズ(Wornell Jones,b)
エインズレー・ダンバー(Aynsley Dumbar,ds)
プロデュースはニルスとデヴィッド・ブリッグスです。
B-6はキャロル・キングの曲で、それ以外はオリジナルです。A-6のkeithはニルスの尊敬するキース・リチャードのことです。
エインズレー・ダンバーがこんなところにいました。
このアルバムはとにかく素晴らしい。ストレートなロックですがポップでしかもメリハリが聴いていて、思わず身体が動きだします。ギターも切れ味鋭く、ヴォーカルも決して上手くはありませんが、曲調にマッチしています。
この後も多くのソロアルバムを出しますが、私にとってはこの作品が最高だと今でも思っています。
その後もニール・ヤングのアルバムに顔を出したりしながら、ソロアルバムを数多くリリースし、1984年にはスティーヴ・ヴァン・ザントが抜けたブルース・スプリングスティーンのE ストリート・バンドのリードギタリストを務めました。1989年にはこのバンドも一旦解消しますが、その後も度々ツアーを行っています。
ニルスは相変わらず精力的に活動しているようです。ニール・ヤングのアコースティックのカバー集なども出しています。
まだ66歳、バリバリの現役です。
"I Don't Want to Know" Nils Lofgren
Nils Lofgren - Keith Don't Go (From "Cry Tough" DVD)
"One More Saturday Night" Nils Lofgren
それでは今日はこの辺で。