世の中に名盤と呼ばれるアルバムは数多くありますが、その中でもこれは間違いなく1970年代の名盤に選ばれるであろうアルバムだと思います。
『キャロル・キング(Carole King)/つづれ織り(Tapestry)』です。
私がキャロル・キングを知ったのは1970年代に入ってからでしたが、実は彼女は1950年代からデビューしていたのでした。
1942年生まれの彼女は1958年にはABCからシングルデビュー、続いてRCAからもシングルを出しますが鳴かず飛ばずでした。ここで一旦歌手を諦めます。
1960年代に入ると、夫のジェリー・ゴフィン(Gerry Goffin)と共にソングライティングで多くのヒット曲を輩出するようになります。
最初のヒット曲はシュレルズの「Will You Love Me Tomorrow」で全米1位を記録します。さらにスティーヴ・ローレンスの「Go Away Little Girl」も同じく1位を記録しました。その他1960年から1963年までの間に20曲に及ぶ全米トップ40に入る曲を作っています。
そしてキャロル自身が歌った「It Might as Well Rain Until September」は全米22位、全英3位を記録しました。
しかし、レコード会社の解散などもあり、キャロル・キングの名は1963年の後半から見られなくなりました。そしてジェリー・ゴフィンとの離婚もありました。
しかし、1968年にルー・アドラーのオード・レコードが彼女との専属契約を結び、ザ・シティというバンドを結成、アルバムを発表します。このバンドはこの1枚で終わります。
1970年になると、ジェイムス・テイラーの『Sweet Baby James』でキャロル・キングのクレジットされているのが見られ、さらに多くのアーティストのレコーディングに参加するようになりました。もちろん彼女の楽曲はそれまでもたくさん取り上げられていました。
そして1970年、改めてのソロアルバム『Writer』が、そして1971年にはセカンドアルバム『つづれ織り(Tapestry)』がリリースされるのでした。
Side A
1.I Feel The Earth Move
2.So Far Away
3.It's Too Late
4.Home Again
5.Beautiful
6.Way Over Yonder
Side B
1.You've Got A Friend
2.Where You Lead
3.Will You Love Me Tomorrow?
4.Smackwater Jack
5.Tapestry
6.(You Make Me Feel Like) A Natural Woman
ミュージシャンは
キャロル・キング(Carole King,vo,p,key)
ダニー・コーチマー(Daniel Kortchmar,g,bvo)
チャールズ・ラーキー(Charles Larkey,b)
ラス・カンケル(Russ Kunkel,ds)
ジェイムス・テイラー(James Taylor,g,bvo)
ジョエル・オブライエン(Joel O'Brien,ds)
デヴィッド・キャンベル(David Cambell,cell,viola)
テリー・キング(Terry King,sax,cello)
ラルフ・シュケット(Ralph Shuckett,p)
メリー・クレイトン(Merry Clayton,bvo)
ジョニ・ミッチェル(Joni MItchell,bvo)
このアルバムは全米で15週連続1位という驚異的な記録を打ち立てました。グラミー賞も4部門で受賞。シングル「Its Too Late」は5週連続1位となりました。決して遅すぎませんでしたね。
ベーシストのチャールズ・ラーキーは彼女の新しい夫です。
彼女のこれまでの人生を振り返って、様々な思いを歌に託したような、そんなまとまりを持ったアルバムになっています。サウンドといいメロディーといい文句なしの名盤です。
A-3は大ヒット曲。B-1はジェイムス・テイラーがカバーしてこれまた全米1位になりました。B-3は彼女のソングライターとしての最初のヒット曲。B-6はアレサ・フランクリンでヒットした曲。
この後もキャロル・キングの快進撃は続きます。日本でも五輪真弓のプロデュースに関わったことで有名になりました。五輪真弓は日本のキャロル・キングなどと呼ばれました。
彼女は都合4回結婚し、子供は5人。いずれもミュージシャンや芸術家になっています。現在76歳。あの声は健在でしょうか。
Carole King - It's Too Late (Audio)
Carole King, You've got a friend
Carole King - I Feel the Earth Move (Audio)
Carole King - So Far Away (Audio)
それでは今日はこの辺で。