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映画『チャーチル ノルマンディーの決断』を観る

今日のキネ旬シアターはチャーチル ノルマンディーの決断でした。

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監督:ジョナサン・デブリッキー

主演:ブライアン・コックスミランダ・リチャードソン

制作:2017年 イギリス 日本公開2018年

 

今年の5月に『ウィンストン・チャーチル』を観たばかりでしたが、またまたチャーチルです。イギリスで何かあったのでしょうか。

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映画『ウィンストン・チャーチル』の舞台は「ダンケルクでの撤退作戦」でしたが、今回はそれから4年後の、連合国によるノルマンディー上陸作戦です。史上最大の作戦と言われたノルマンディーへの上陸作戦に対し反対を唱えるチャーチルの苦悩を描いた映画です。

 

1944年、ナチス・ドイツの占領下にあった フランスを取り戻すためのノルマンディ上陸作戦(正式にはネプチューン作戦)は既に練られており連合国側では承認されていました。しかし、イギリス首相チャーチルは自身の過去の過ちからこの作戦に反対していました。

 

彼は第一次世界大戦の折、彼が立案・指揮したガリポリの戦いにおいての上陸作戦で何万人もの兵士を死なせてしまった苦い過去を持っています。それがトラウマになって、どうしてもこの作戦を阻止しなければと躍起になっていました。

 

連合国側の首脳会談でアメリカの連合国軍最高司令官アイゼンハワーに反対意見を述べるも簡単に却下されてしまいます。作戦決行日(D-デイ)まで96時間でした。

 

作戦決行が決まった以上、チャーチルは兵士たちを鼓舞しようと、部隊に行き演説をしようとしますが、陸軍のモントゴメリー将軍に断られてしまいます。将軍の演説にチャーチルは納得しました。

 

次にかれがとった行動は国王と共に戦艦に同乗するというものでした。アイゼンハワーに対し強硬にこの意見を押し通そうとしました。見かねたアイゼンハワーチャーチルの妻に頼んで、国王からチャーチルを説得して欲しいと頼みました。国王がチャーチルを訪ね、私達は戦場に行くことではなく、国民と共にいることだ、国王が死んだら国民の士気は下がるだろうと説得し、チャーチルも納得しました。

 

ところがチャーチルはどうしても若い兵士たちが死んでいくことに耐えられず、妻や秘書に当たり散らします。そして作戦は決行されます。チャーチルはラジオでの演説の原稿を急がされますが、その気になれません。その時秘書の女性が「自分の婚約者も戦地に行っている。悲観的な話など止めて下さい。兵士にもその家族にも希望が持てる演説をお願いします」、と言われ目が覚めました。そして作戦の成功と国民を勇気づける演説をしたのでした。

 

この映画は、チャーチルの首相としての葛藤・苦悩を描くとともに、チャーチルを支えた妻のクレメンティ―ンとの夫婦愛の物語も含まれています。何かというと妻に八つ当たりをするくせに、妻も負けてはいません。その強さにチャーチルは救われているのでしょう。最後の最後には妻には勝てません。政治で見せるチャーチルの強さは、妻の前では弱さをさらけ出しているようなものです。

 

ノルマンディー上陸作戦は結局12万人の死傷者を出しながらも成功し、フランス解放、ナチス・ドイツの降伏へとつながりました。ノルマンディ作戦についての映画は1962年の映画『史上最大の作戦』が有名です。

 

それにしても何故今年(イギリスでは去年)になってチャーチル映画を2本も立て続けに上映したのでしょう。映画のエンドタイトルで「チャーチル 最も偉大なイギリス人」と書かれます。EUからも離脱したイギリス、強いイギリスを再建してくれる英雄・指導者を待ち望んでいるのでしょうか。

 

映画『ウィンストン・チャーチル』の主役ゲイリー・オールドマンは特殊メイクでチャーチルに似せていましたが、この映画の主役、ブライアン・コックスはノーメイクらしいです。芸達者な迫力ある役者です。場面によってはこちらの方が本物に近く見えます。

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映画『チャーチル ノルマンディーの決断』予告編

 

 

 それでは今日はこの辺で。