Flying Skynyrdのブログ

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この人の、この1枚 『ミッシェル・ショックト(Michelle Shocked)/Captain Swing』

ミッシェル・ショックト(Michelle Shocked)アメリカのシンガー・ソングライターです。

1962年テキサス州ダラスの生まれで、8人兄弟の長女です。実の母親と義理の父親に育てられました。両親は熱心なモルモン教徒でテレビも見せず、レコードも聴かせませんでした。父親は軍の将校で家族は基地を転々としていました。16歳の時に家出をして実の父親の住むダラスに向かいました。父親はブルーグラスが大好きで、その影響で彼女も音楽の道に進むようになりました。

質屋で手に入れたヤマハアコースティック・ギターを抱えて世界中を旅するようになりました。

放浪の間、彼女は様々な経験をしました。人種差別問題、環境問題など政治活動も熱心に取り組みました。イタリアでは強姦されたり、アメリカに戻ってはダラスの共和党大会への抗議デモで投獄されたり、野宿していた時には精神病院に収監されたりもしました。そうした経験を彼女は歌にしていました。

1986年にテキサス州カーヴィルでのカーヴィル・フォーク・フェスティバルに出演したときに、ロンドンのレーベル、クッキング・ヴィニールのオーナー、ピート・ローレンスの目に留まり、彼が是非彼女の歌を録音させてほしいと頼まれ、持っていたウォークマンに歌を吹き込みました。

ピートはそれを持ち帰り、レコードにしたいと彼女に連絡しました。彼女は信じられませんでしたが了承しました。

それが彼女のファーストアルバムとなる『The Texas Campfire Tapes』でした。

ところがこれが大変な評判を呼び、イギリスのインディーズ・アルバム・チャートのトップとなり、インディーズアルバムとしては異例の2万枚を売り上げたのです。

 

ミッシェルはこれを機にアメリカよりイギリスの方がましだとばかりにイギリスに移住しました。その後は再びアメリカに戻っています。

 

それからメジャーレーベル、マーキュリーと契約しセカンドアルバム『Short Sharp Shocked』をリリースします。

プロデューサーにピート・アンダーソン(Pete Anderson)を迎え、アル・パーキンスバイロン・バーラインなどベテラン・ミュージシャンが参加するアルバムになりました。

これは完全なフォーク、フォークブルースのアルバムですが、大評判となりました。アルバムチャートも73位までになり、シングルヒットも3枚出ました。

 

このジャケットの写真は彼女がデモに参加中に警官隊と揉み合いになったところを撮影したものです。

 

そして1989年にサードアルバム『Captain Swing』がリリースされました。

01.God Is A Real Estate Developer

02.On The Greener Side

03.Silent Ways

04.Sleep Keeps Me Awake

05.The Cement Lament

06.(Don't You Mess Around With) My Little Sister

07.Looks Like Mona Lisa

08.Too Little Too Late

09.Streetcorner Ambassador

10.Must Be Luff

11.Untitled Track

 

プロデュースは前作に引き続きピート・アンダーソンです。

このアルバムには度肝を抜かされました。前作同様フォークアルバムかなと思っていたところ、飛び出してきたのはスウィング・ジャズです。さらには本格的ブルース、ロックンロール。これには驚きました。同じ人物のアルバムとは思えませんでした。

ところがこれがなかなかいいのです。タワー・オブ・パワーのメンバーもホーンセクションで参加して、とにかくスウィングしています。

 

この後、4枚目のアルバム『Arkansas Traveler』をリリースします。

このアルバムは豪華盤でした。まず、プロデュースがドン・ウォズ(Don Was)ヒュー・パドハム(Hugh Padgham)、そして大好きなバーニー・リードン(Bernie Leadon)です。バーニーはギター、マンドリンバンジョーでも参加しています。

ゲストミュージシャンが凄いです。書ききれないので主だったところだけ書くと、アルバート・リー、サン・ヴォルトのジェイ・ファーラータジ・マハールドク・ワトソンノーマン・ブレイクザ・バンドからガース・ハドソンレヴォン・ヘルム、ウィルコのジェフ・トゥイーディ、アンクル・テュペロのメンバーなど錚々たるメンバーが集まりました。

 

しかし、商業的には失敗でした。マーキュリーとの契約は終了します。

 

1994年には5枚目のアルバム『Kind Hearted Woman』をリリースします。

これは自主制作盤のようなものでした。

 

彼女は同性愛者に対する批判的な発言などで、コンサート会場などでの出演キャンセルなどが相次ぎました。

 

この後は自主レーベルを立ち上げコンスタントにアルバムをリリースしているようです。私はこのアルバムを最後にその後は未購入です。中古があったら買いですね。

 


Michelle Shocked - Yes God is Real - michelleshocked.com