レーナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)がまだレコードデビューする前にバンドに在籍していたリッキー・メドロック(Rickey Medlocke,ds,vo)とグレッグ・ウォーカー(Greg T. Walker,b)が設立したバンド、それがブラックフット(Blackfoot)です。
ブラックフットの元をたどれば、先の二人がチャーリー・ハーグレット(Charlie Hargrett,g)と出会い、キーボードのRon Sciabarasiを誘い結成した『Fresh Garbage』というバンドがスタートでした。その後Ron Sciabarasiがバンドを去り、新たにジャクソン・スピアーズ(Jakson Spires,ds)を加え、バンド名もブラックフットに変え活動を開始しました。ブラックフットとはアメリカン・インディアンの部族名でメンバーは全員インディアンの血を引いていました。
1971年になるとリッキーとグレッグがレーナード・スキナードの参加要請を受け、一旦活動を中断します。その間チャーリーは別のバンドを立ち上げていましたが、リッキーとグレッグがレーナード・スキナードを辞めると、再び1972年にブラックフットを再稼働させました。
そして1975年にようやくファーストアルバム『No Reservations』がアイランドレコードからリリースされました。
これはまさにサザン・ハードロックでした。レーナード・スキナードを彷彿とさせます。
続いて1976年には『Flyin' High』が1976年に発表されます。今度はエピックレコードからでした。
そして1979年にいよいよサードアルバム『Strikes』が発表されます。
Side A
1.Road Fever
2.I Got A Line On You
3.Left Turn On A Red Light
4.Pay My Dues
5.Baby Blue
Side B
1.Wishing Well
2.Run And Hide
3.Train,Train
4.Highway Song
A-2はスピリット(Spirit)のランディ・カリフォルニアの曲
A-3はレーナード・スキナードのメロディアスな曲を思わせる名曲。
A-4はブルース・イメージ(Blues Image)の曲。
B-1はフリー(Free)の名曲。ポール・ロジャースのヴォーカルとまではいきませんが、こんなところでフリーの曲を聴けるなんて思いませんでした。
B-3でハーモニカを吹いているのはなんとカブ・コーダ(Cub Koda)です。
B-4はレーナード・スキナードの「フリーバード」の二番煎じか。それでもブラックフットを代表する名曲です。やはりサザンロックはいい。
このアルバムは後にプラチナレコードとなりました。B-3,4はシングルヒットしました。
ブラックフットはその後も順調にアルバムを発表しました。1980年に『Tomcattin' 』、1981年には『Marauder』をそれぞれリリースします。
そして1983年にはユーライア・ヒープ(Uriah Heep)のケン・ヘンズレー(Ken Hensley,key)を加え、6枚目のスタジオアルバム『Siogo』をリリースします。
しかしこのアルバムの売行きは芳しくなく、チャーリー・ハーグレットはバンドを去ります。そして続く1984年にアルバム『Vertical Smiles』をリリースします。
このアルバムの後、ケン・ヘンズレーも脱退します。代わりはアックス(Axe)のボビー・バース(Bobby Barth,g)でした。
そして1986年、オリジナルメンバーはリッキーを残し全員去りました。バンドは解散します。
リッキーは新しいメンバーを集め『 Rick Medlocke & Blackfoot』として再始動します。しかしメンバーは定まらず、2枚のアルバムを残し、リッキー・メドロックはレーナード・スキナードへ再加入するためバンドを解散します。
その後2004年になると、リッキー・メドロックを除くオリジナルメンバーとボビー・バースがブラックフットを再結成します。しかし、ジャクソン・スピアーズが53歳で亡くなったり、ボビー・バースの入院などがあり、メンバーは固定せず、現在はオリジナルメンバーは一人も存在せず活動は継続しています。
ブラックフットはサザンロックとハードロックの両方を兼ね備えた貴重なバンドでした。
それでは今日はこの辺で。