1980年代の新しい世代のブルースマン、ロバート・クレイ(Robert Clay)です。
彼は1953年、ジョージア州コロンバスで生まれました。12歳からギターを始め、ジミ・ヘンドリックスやアルバート・コリンズなどの影響を受けました。
20歳の頃、マディー・ウォーターズやフレディ・キングのステージを観てバンドと結成しようと思い立ちます。
そして1974年に自身のバンドを長年の友人リチャード・カズンズ(Richard Cousins,b)と共に組みます。そしてアルバート・コリンズ(Albert Collins)のバックバンドを務めるようになります。
1980年にトマトレコードからファーストアルバム『Who's Been Talkin'』でデビューします。
1983年にセカンドアルバム『Bad Influence』、1985年にサードアルバム『False Accusations』をそれぞれリリースします。
セカンドのタイトル曲は後にクラプトンンもカバーしています。このセカンドもサードアルバムも好評で、メジャーのマーキュリーとの契約が成立しました。
1985年には尊敬するアルバート・コリンズとジョニー・コープランドとの3人によるアルバム『Showdown!』をリリースします。
これはアカデミー賞の最優秀トラディショナル・ブルース・アルバム賞を受賞しました。
そして同年、自身のアルバムとしては4枚目となる『Strong Persuader』をリリースします。
01.Smoking Gun
02.I Guess I Showed Her
03.Right Next Door (Because Of Me)
04.Nothin' But a Woman
05.Still Around
06.More Than I Can Stand
07.Foul Play
08.I Wonder
09.Fantasized
10.New Blood
バンドメンバーは
ロバート・クレイ(Robert Clay,vo,g)
ピーター・ボー(Peter Boe,key)
リチャード・カズンズ(Richard Cousins,b)
デヴィッド・オルソン(David Olson,ds)
プロデュースはブルース・ブロンバーグ(Bruce Bromberg)とデニス・ウォーカー(Dennis Walker)です。
オープニング曲の「Smoking Gun」がシングルカットされ、ビルボードの22位を記録しました。ブルースの曲としては異例のことです。アルバムの方は13位とこれまら大健闘。ダブルプラチナに認定されました。
この作品はグラミー賞の最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム賞を受賞しました。
ロバート・クレイの演奏するブルースはそれまでのブルースとは明らかに違っていました。コンテンポラリー・ブルースというか、ブルースとソウルとロックとファンクの融合です。新しいブラック・ミュージックの誕生でした。それでも08のスローブルースなどは絶品です。
この後もコンスタントにアルバムをリリースしています。これまでにライブ盤を含めると20枚以上のアルバムを発表しています。まだ65歳ですからこれからです。
1990年8月27日のアルパインバレーでの演奏はほぼ同期のスティーヴィー・レイ・ヴォーンとの最後の競演になってしまいました。その夜、スティーヴィーはヘリコプターが墜落し死亡しました。
ロバート・クレイ出現の後、白人のブルース・ロッカーが続々と現れます。ウォルター・トラウト、ケニー・ウェイン・シェパード、ジョー・ボナマッサ、コリン・ジェイムス、ジェフ・ヒーリー、コーリー・スティーヴンス等々。そういう意味では、新しいブルース界の牽引者だった言えるでしょう。
それでは今日はこの辺で。