レーナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)へのトリビュート・アルバムは何種類か出されています。
今日はその中から、1977年、レーナード・スキナードのメンバーの乗った飛行機が墜落し、ロニー・ヴァン・ザント、スティーヴ・ゲインズ、キャシー・ゲインズが死亡してからちょうど30年後に出されたトリビュート・アルバムを取り上げてみたいと思います。
『An All - Star Tribute to Lynyrd Skynyrd』
01.Free Bird - Molly Hatchet with Charlie Daniels
02.Sweet Home Alabama - The Outlaws(Feat.Hughie Thomasson)
03.Double Trouble - Artimus Pyle, Ed King & The Original Honkettes
04.Saturday Night Special - Great White
05.That Smell - Canned Heat
06.Seasons - Blackfoot(Feat.Rick Medlocke)
07.Gimme Three Steps - Walter Trout
08.What's Your Name - Jim Dandy's Black Oak Arkansas
09.Gimme Back My Bullets - Pat Travers
10.Simple Man - Dangerous Toys
11.Call Me the Breeze - Atlanta Rhythm Section
12.You Got That Right - Rick Derringer
13.Swamp Music - Sky Saxon & Joey Covington
錚々たる顔ぶれが揃いました。
01はレーナードの代名詞となる「フリーバード」です。ファーストアルバム収録です。モリ―・ハチェットとチャーリー・ダニエルズの競演です。南部のベテランたちによる「フリー・バード」。演奏は文句なし。しかし、この頃モリー・ハチェットのヴォーカルはフィル・マコーミックですが、どうしてもロニー・ヴァン・ザントと比べてしまいます。ちょっと残念でした。
02はこれまた大ヒット曲「スイートホーム・アラバマ」です。セカンドアルバム『セカンド・ヘルピング』から。これまた南部のベテラン、アウトローズです。こちらも演奏は完璧ですが、ヴォーカルがやっぱり弱い。アウトローズのヴォーカルは元々ちょっと物足りなかったのですが、ロニーと比較してはますます可哀想です。
03は4作目の『ギミ・バック・マイ・ブレッツ』から「ダブル・トラブル」です。元メンバーのエド・キングがスライド・ギター、アーティマス・パイルがドラムを叩いています。ヴォーカルはアーティマス・パイル・バンドのメンバーです。
04はサードアルバム『ナッシング・ファンシー』より大ヒット曲「サタデイナイト・スペシャル」です。演奏はなんとHM/HR界からグレイト・ホワイトです。この時は2003年の事故から復帰したばかりの時です。さすがグレイト・ホワイト、オリジナルを尊重しながらも独自の重厚なサウンドを出しています。
05は遺作となった6枚目のアルバム『ストリート・サヴィヴァーズ』から「ザット・スメル」です。これまた驚きのキャンド・ヒートです。彼らがレーナードのトリビュートに参加するとは意外でした。まだバンドが続いていたんだということだけでも当時は驚きでした。ハープを交えた名演です。
06は事故後に発売されたコンピレーション『Skynyrd's First And...Last』に収められていた曲です。創設期の頃、一時的にメンバーだったリッキー・メドロックの曲です。演奏はブラックフットです。そのリッキーをフューチャーしています。しっとりとした渋めの曲です。
07はウォルター・トラウト登場です。曲は『ストリート・サヴィヴァーズ』から「ギミー・スリー・ステップス」です。ウォルター・トラウトにこんなところで会えるなんて最高でした。文句なしです。
08も『ストリート・サヴィヴァーズ』からで「ワッツ・ユア・ネーム」です。ブラック・オーク・アーカンソーです。サザンロックの有名人、ブラック・オーク。ヴォーカルはジム・ダンディ・マングラムです。解散したと思っていたら活動していました。
09はアルバム『ギミ・バック・マイ・ブレッツ』からタイトル曲。歌うはパット・トラヴァース。ブルース・ギタリストです。しゃがれた声で頑張っています。名曲です。
10はファーストアルバムから「シンプル・マン」です。大好きな曲です。ガヴァメント・ミュールもカバーしていました。ここではこれまたHM/HR界からデンジャラス・トイズです。いなくなったと思ったら、こんなところでお目にかかれました。好きなバンドでした。
11は『セカンド・ヘルピング』から「コール・ミー・ア・ブリーズ」です。J.J.ケールの曲です。南部のライバルだった、アトランタ・リズム・セクションです。泥臭いレーナードに対しアトランタは洗練されたサザンロックでした。セッションミュージシャンの集まりでした。未だに健在です。珍しく泥臭さくやっています。
12はリック・デリンジャー登場。『ストリート・サヴィヴァーズ』から「ユー・ゴット・ザット・ライト」です。ブルースに回帰したリック・デリンジャー。得意のロックンロールでノリに乗った演奏を聴かせてくれます。
13はオリジナルアルバム未発表でベスト盤で発表された曲です。1960年代のサイケデリックバンド、シーズ(The Seeds)のヴォーカリスト、スカイ・サクソンと元ジェファーソン・エアプレインのドラマー、ジョーイ・コヴィントンが演じています。不思議な組み合わせですが、何か交流があったのでしょう。シーズは再編しているようです。
こうしてみると、やはり第1期レーナード・スキナードの遺作となった『ストリート・サヴィヴァーズ』からの選曲が多いです。それとブルースマンたちの参加も意外に多く驚いています。それからサザンロックのライバルたちも多く参加しています。
私にとって70年代のレーナード・スキナードはオールマン・ブラザースと並んで絶対に外せないバンドでした。あの時の飛行機事故は本当にショックでした。あれから40年以上経ってしまいました。時の流れは速いものです。久しぶりにこのアルバムを聴きました。多くのベテランミュージシャンが参加しており、それぞれのミュージシャンがレーナード・スキナードに敬意を表して参加したのだろうと想像できます。レーナード・スキナード、永遠なれ!
それでは今日はこの辺で。