Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

S.ウィンウッド(Steve Winwood)とE.クラプトン(Eric Clapton)

平成最後の記事は敬愛するスティーヴ・ウィンウッドエリック・クラプトンしましょう。彼らについてはこれまでにも何度か記事にしています。その彼らの接点について書いてみたいと思います。

lynyrdburitto.hatenablog.com

lynyrdburitto.hatenablog.com

lynyrdburitto.hatenablog.com

lynyrdburitto.hatenablog.com

 

片や天才の名を欲しいままにしたスペンサー・デイヴィス・グループ(The Spencer Davis Group)トラフィック(Traffic)のスティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)、片や「スローハンド」の異名をとったヤードバーズ(The Yardbirds)クリーム(Cream)エリック・クラプトン(Eric Clapton)。このブリティッシュロックを支えてきた両雄がタッグを組んだスパーグループが1969年に誕生しました。その名をブラインド・フェイス(Blind Faith)と名乗りました。盲信です。

ここにはさらに元クリームのドラマー、ジンジャー・ベイカー(Ginger Baker)とベーシストで元ファミリー(Family)のリック・グレッチ(Rick Grech)が参加しました。

これ以前にこの二人は1966年、パワーハウス(Powerhouse)というプロジェクトを組んで3曲ほど録音しています。これらはコンピレーション・アルバム『What's Shakin'』に収められています(パワーハウスについてはいずれかの機会に書きたいと思います)。

その二人が再び組むというニュースは世界中を駆け巡り、大変な話題になりました。1969年6月に行われたロンドンのハイドパークでのデビューコンサートには10万人とも15万人とも言われるファンが駆け付けました。観客はおおむね好意的に捉えましたが、クラプトンは不満でした。リハーサル不足は否めませんでした。

7月になってアメリカでのコンサートが開かれました。マジソン・スクエア・ガーデンです。そしてツアーは8月まで続きました。しかしこれだけのツアーを敢行するにはレパートリーが少なすぎました。結局クリーム時代の曲やトラフィックの曲を演奏せざるを得ませんでした。

7月にはアルバム『スーパージャイアンツ(Blind Faith)』がリリースされました。

f:id:lynyrdburitto:20181225141453j:plainf:id:lynyrdburitto:20181225141512j:plain

Side A

1.Had To Cry Today

2.Can't Find My Way Home

3.Well All Right

4.Presence Of The Lord

 

Side B

1.Sea Of Joy

2.Do What You Like

 

このアルバムは見事に全英、全米で共に1位を獲得しました。

しかし、このジャケットにいちゃもんが付きました。あまりにも猥褻だということで、アメリカ盤ではジャケットが差し替えられました。

f:id:lynyrdburitto:20181225142240j:plain

面白くも何ともないジャケットです。日本盤ではこの写真がなかに入っていました。

 

アルバムはA-4がクラプトン、B-2がジンジャー・ベイカー、その他はスティーヴ・ウィンウッドの曲です。

A-2、A-4は名曲で今でも二人は演奏しています。

このバンドはトラフィックよりもクリームが圧倒的人気を誇っていたために、どうしても新クリームあるいはクラプトンのバンドというイメージが出来上がっていますが、事実上はスティーヴが主導権を握っていたバンドだと思います。

なお、2001年に発売されたCD『Blind Faith Delux Edition』には当時のジャムセッションの模様が収録されています。

 

そして早くも10月には破局を迎えます。クラプトンはクリーム時代のようにこのバンドもスーパーグループとして扱われることに疲れ切っていました。

クラプトンはアメリカツアーで前座を務めたデラニー&ボニーの音楽に触発されて、彼らのツアーに参加し、やがてデュアン・オールマンなどとデレク&ザ・ドミノス(Derek & The Dominos)を結成します。その後はソロで活躍します。

スティーヴ・ウィンウッドジンジャー・ベイカーとリック・グレッチと共にジンジャー・ベイカー・エアフォース(Ginger Baker's Air Force)を結成。しかし、間もなくリック・グレッチと共に脱退し、トラフィックを再結成します。その後トラフィックを解散し、クラプトン同様ソロになります。

 

クラプトンはその後、薬物依存症になりますがピート・タウンゼントなど友人たちの後押しで復活します。その時のコンサートの模様はアルバム『Rainbow Concert』として発売されました。このコンサートにスティーヴ・ウィンウッドも参加しています。以前の記事をご参照ください。

lynyrdburitto.hatenablog.com

ソロになってからの二人の来日公演にもそれぞれ足を運びました。今でもよく憶えています。

 

1983年、フェイセズのロニー・レーンが多発性硬化症を患ったため、その救済のためのコンサートが企画されました。このコンサートで二人の競演が実現しました。『A・R・M・Sベネフィット・コンサート(The Arms Benefit Concert From London)』です。4曲を演奏しました。これはDVDになっています。

 

 

そして2007年、再びこの二人が同じステージに立ちました。アメリカのイリノイ州ブリッジビューで行われた「クロスロード・ギター・フェスティヴァル」で二人は競演しました。「Can't Find My Way Home」「Presence Of The Lord」「Had To Cry Today」「Crossroad」を演奏しました。この時の模様もDVDで発売されました。

これは必見です。他にも物凄いメンバーが出演しています。

 

この競演が評判を呼び、翌年二人は思い出のマジソン・スクエア・ガーデンでライヴを行います。そしてCDとDVDが発売されました。『Live from Madison Square Garden』です。

ブラインド・フェイス時代の曲も4曲演奏しています。その他、トラフィック時代、デレク・アンド・ドミノス時代の曲も演奏しています。それだけでも嬉しくなってきます。

 

2010年には再び「クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2010」で共演しています。ここでは3曲の競演が見られます。

 

この二人はその後もアメリカツアーやヨーロッパツアーも行い、2011年には日本公演も行っています。

 

約50年にわたってロック界を牽引してきた二人のジョイントは映像を観ているだけで嬉しくなってきます。まだまだ元気いっぱいです。頑張ってください。特にスティーヴ・ウィンウッドの大ファンなのでいつまでもソウルフルなヴォーカルを聴かせてもらいたいものです。

 


Blind Faith Presence of the Lord


Can't Find My Way Home


Eric Clapton and Steve Winwood Live From Madison Square Garden - Had to Cry Today


Eric Clapton and Steve Winwood Live From Madison Square Garden - Pearly Queen

 

それでは今日はこの辺で。