Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

まだやっていたのか!『ゾンビーズ(The Zombies)』

「懐メタ」をちょっとお休みして。

街中を歩いていると、どこからか聞き覚えのある曲が流れてきました。そうですゾンビーズ(The Zombies)の「ふたりのシーズン」です。これは懐かしい。高校生の頃、ラジオから毎日のように流れてきた曲です。

ふと、そういえばLPは買えなかったけど、シングル盤は買ったはずだと思い出しました。しかし、シングル盤など押し入れの奥深く眠ったままで取り出すのはほぼ不可能です。家に帰ってゆっくり聴きたいなと思い、近くのディスクユニオンに立ち寄りました。たぶん置いてないだろうな、と思い探していると、なんと100円放出コーナーにあったのです。国内盤帯無しです。十分です。「ふたりのシーズン」も収録されています。神の御導きだと思いました。大袈裟ですね。

タイトルは『Odessey & Oracleで、彼らのセカンドアルバムにしてラストアルバムです。

 

01.Care Of Cell 44

02.A Rose For Emily

03.Maybe After He's Gone

04.Beechwood Park

05.Brief Candles

06.Hung Up On A Dream

07.Changes

08.I Want Her She Wants Me

09.This Will Be Our Year

10.Butcher's Tale (Western Front 1914)

11.Friends Of Mine

12.Time Of The Season(ふたりのシーズン)

13.She Loves The Way They Love Her

14.Smokey Day

15.If It Don't Work Out

16.I Know She Will

17.Dont Cry For Me

18.Waking In The Sun

 

1~12がアルバム『Odessey & Oracle』の原曲で、13~18は未発表曲。

 

ゾンビーズの結成は古く、1961年まで遡ります。ロッド・アージェント(Rod Argent,key,vo)ポール・アトキンソン(Paul Atkinson,g)ヒュー・グランディ(HughGrundy,ds)によってロンドン郊外のセント・アルバーンズで結成され、そこにコリン・ブランストーン(Collin Blunstone,vo)ポール・アーノルド(Paul Arnold,b)が加わってスタートしましたが、ポール・アーノルドは医師になるために脱退、代わりにクリス・ホワイト(Chris White,b,vo)が加わりました。

当初はムスタングス(The Mustangs)というバンド名でしたが同名バンドが既にあった為、ポール・アーノルドの思い付きでゾンビーズに変更しました。

 

彼らはデッカレコードと契約し、1964年にシングル「シーズ・ノット・ゼア(She's Not There)」でデビュー。いきなり全米で2位を記録する大ヒットとなりました。その後も「テル・ハー・ノー(Tell Her No)」などのヒットを飛ばします。しかしこの後はなかなかヒット曲が生まれませんでした。

日本ではグループサウンズのカーナビツで大ヒットした「好きさ、好きさ、好きさ(I Love You)」も本国やアメリカではさっぱりでした。

アルバムの方は1965年に『Begin  Here』をリリースしました。

 

1967年にデッカとの契約満了に伴いCBSと契約し移籍しました。そしてシングルを何枚かリリースしますが、いずれもヒットには至りませんでした。このような状況になって、バンド内にも亀裂が生まれ始めました。コリン・ブランストーンとポール・アトキンソンはこれ以上バンドを続けることを拒否しました。そして二人は脱退します。

しかし、CBSとの契約は残っています。ロッド・アージェントとクリス・ホワイトはそれまでに録音した音源の中から12曲を選曲して出来上がったのがこのアルバム『Odessey & Oracle』でした。

 

アルバムはアビー・ロードスタジオで録音されたもので、ビートルズビーチボーイズを思わせる、極上のポップアルバムに仕上がっています。今聴いても全然古臭くない、当時としてはすごく斬新な音楽だったと思います。しかし、これもイギリスでの評判はさっぱりでした。アメリカのCBSも発売を見送ることにしました。

 

ところが当時BS&Tを辞めて、CBSのプロデューサーも務めていたアル・クーパーがたまたまイギリスに来ていた時にこれを聴いて、アメリカでの発売を進言しました。

そして1968年6月に第1弾シングルとして「This Will Be Our Year」を、さらに9月に「ふたりのシーズン」を発売すると、これがまたたく間にチャートの3位まで上昇する大ヒットとなりました。そして10月にアルバムが発売されました。

 

しかし、この時にはすでにゾンビーズは存在しませんでした。CBSはゾンビーズ人気のただならぬことにロッド・アージェントに再結成を促しますが、ロッド・アージェントは既に新しいプロジェクトに携わり、これを拒否しました。ゾンビーズの偽物まで現れてくる騒ぎになりましたが、アージェントの意思は固かったのです。

 

ロッド・アージェントジム・ロッドフォード(Jim Rodford,b)ラス・バラード(Russ Ballard,vo,g)ボブ・ヘンリット(Bob Henrit,ds)を加え、アージェント(Argent)を結成します。このバンドは次第にプログレッシヴなバンドに移行しアルバムも7枚ほどリリースし人気を博しました。

その後はザ・フーロジャー・ダルトリーのアルバムに参加したり、コリン・ブランストーンのソロアルバム、そして自身のソロアルバムのリリースと、活躍しました。

 

そして2000年頃にゾンビーズは再結成されていました。そして今でもライブ活動をしているようです。恐れ入りました。全く迂闊でした。

 

このアルバムはローリングストーン誌の「オールタイム・ベストアルバム500」で100位にランクされているということです。一聴の値アリです。

当時の風景が一遍に甦りました。

 

 


Zombies - Time Of The Season HD


The Zombies ~ She's Not There (1964)


Care Of Cell 44 - The Zombies

 

 

それでは今日はこの辺で。