Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

E.クラプトンとJ.J.ケイル

エリック・クラプトン(Eric Clapton)J.J.ケイル(J.J.Cale)の繋がりは、遡ること約50年前の1970年です。クラプトンはクリーム、ブラインド・フェイスを辞めて、ブラインド・フェイスのツアーで前座を務めたデラニー&ボニーのツアーに参加した後、ソロアルバムのレコーディングに、おそらくレオン・ラッセルか後にデレク&ドミノスのメンバーになるカール・レイドルの勧めで、当時は全く無名でしたが、デラニー&ボニーやカール・レイドルと同郷のJ.J.ケイルというミュージシャンの「アフター・ミッドナイト」という曲をレコーディングしたのが始まりでした。この曲は全米で18位のヒットになりました。

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そして2人が初めて顔を合わせたのが1976年のJ.J.ケイルの4作目『トルバドール』発表後にイギリスを訪れた際の彼のステージにクラプトンが参加した時です。以後、クラプトンは彼の楽曲を何曲も取り上げています。その後も交流を深め、2004年には、クラプトン主催の「クロスロード・ギター・フェスティバル」にもJ.J.ケイルは参加しています。J.J.ケイルはクラプトンよりも7つ年上です。しかしお互いに尊敬しあっています。

 

そして2006年に2人の競演盤が実現したのです。タイトルは『The Road to Escondido』です。

 

01.Danger

02.Heads in Georgia

03.Missing Person

04.When This War Is Over

05.Sporting Life Blues

06.Dead End Road

07.It's Easy

08.Hard to Thrill

09.Anyway the Wind Blows

10.Three Little Girls

11.Don't Cry Sister

12.Last Will and Testament

13.Who Am I Telling You?

14.Ride the River

 

ミュージシャンは

J.J.ケイル(J.J.Cale,vo,g,p)

エリック・クラプトン(Eric Clapton,g,vo)

デレク・トラックス(Derek Trucks,g)

ジョン・メイヤー(John Mayer,g)

アルバート・リー(Albert Lee,g)

ドイル・ブラムホール(Doyle Bramhall II,g)

クリスティーヌ・レイクランド(Christine Lakeland,g,vo)

ネーサン・イースト(Nathan East,b)

ゲイリー・ギルモア(Gary Gilmore,b)

ウィリー・ウィークス(Willie Weeks,b)

ピノ・パラディノ(Pino Palladino,b)

ジム・カーステイン(Jim Karstein,ds)

ジェイムス・クルース(James Cruce,ds)

ティーヴ・ジョーダン(Steve Jordan,ds)

アブラハム・ラボリーJr.(Abraham Laboriel Jr.)

ビリー・プレストン(Billy Preston,organ)

ウォルト・リッチモンド(Walt Richmond,p)

タジ・マハール(Taji Mahal,harmonica)

デニス・カプリンガー(Dennis Caplinger,fiddle)

ブルース・ファウラー(Bruce Fowler,horns)

マーティ・グレブ(Marty Grebb,horns)

ティーヴ・マデイオ(Steve Madaio,horns)

ジェリー・プレストン(Jerry Peterson,horns)

 

いずれも名うてのミュージシャンが揃いました。中でもデレク・トラックスジョン・メイヤーアルバート・リー、タジ・マハールなどは特筆ものです。それとビリー・プレストンの参加も欠かせません。彼はこのアルバムが最後のレコーディングになりました。この年に亡くなったのです。アルバムジャケットにも「In Memory of Billy Preston」と刻まれています。「バングラディッシュのコンサート」での雄姿が忘れられません。

 

プロデュースはJ.J.ケイルエリック・クラプトンです。

 

楽曲は05がブラウニー・マギーのブルースナンバー。08がクラプトンとジョン・メイヤーの共作。10がクラプトン。その他はJ.J.ケイルのオリジナルです。

 

 この二人の競演となれば音は想像出来ます。ゆるゆるのブルースです。J.J.ケールは少しも変わらずいぶし銀のヴォーカルとギター。クラプトンはレイドバック以降のスタイル。なんとも言えぬゆったりとした時間が流れます。

 

このアルバムは2008年のグラミー賞ベスト・ブルースアルバムに選ばれました。ビルボードでは23位になりました。

 

2013年、残念ながらJ.J.ケイルは亡くなっています。74歳でした。渋すぎるぐらい渋いギターとヴォーカルを聴かせてくれました。

 


J.J. Cale & Eric Clapton - Danger


J.J. Cale & Eric Clapton - Heads in Georgia


J.J. Cale & Eric Clapton - Hard To Thrill


J.J. Cale & Eric Clapton - Last Will And Testament

 

それでは今日はこの辺で。