Flying Skynyrdのブログ

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この人の、この1枚 『マジェラン(Magellan)/Impending Ascension』

今日の「懐かしのヘヴィメタ・シリーズ(懐メタ)」はアメリカン・プログレ・メタルバンドのマジェラン(Magellan)です。

イングヴェイ・マルムスティーンなどを世に送り出したマイク・ヴァ―ニーが1989年に設立したプログレッシブ・ロック系のレーベル、「Magna Carta Records」からの最初のバンドがマジェランでした。マイクは自身がギタリストでもあり、ギタリストを発掘しては自身が設立したHR/HM系のレーベルからデビューさせていましたが、今度はキーボードを中心のプログレッシヴ系のレーベルを立ち上げたのでした。プログレッシヴ・ロックはこの頃は既にすっかり下火になっていました。

そこでマイクはプログレヘヴィメタルを組み合わせたバンドを送り出そうと考えたのでした。それ以前にドリーム・シアターが成功したという事実が影響しているのは言うまでもありません。

 

マジェランはトレント・ガードナー(Trent Gardner,vo,key,trombone)ウェイン・ガードナー(Wayne Gardner,g,b,vo)の兄弟によって1985年にサンフランシスコで結成されました。

 

1991年、「Magna Carta Records」からファーストアルバム『Hour Of Restoration』がリリースされます。

オープニングから14分に及ぶ大作「Magna Carta」です。まさにプログレッシヴ・ロックの復活です。長尺ですが転調を繰り返し飽きさせません。単なるプログレ回帰ではなく、ハードロックを取り入れたプログレ・ハードに仕上がっています。

メンバーは兄弟の他は参加ミュージシャンという形をとっています。ベースはハル・ストリングフェロー・インブリー(Hal Stringfellow Imbrie,b)で、ドラムはコンピュータによる打ち込みです。

 

1993年にセカンドアルバム『Impending Ascension』がリリースされます。

 

01.Estadium Nacional

02.Waterfront Weirdos

03.Songsmith

04.Virtual Reality

05.No Time for Words

06.Storms and Mutiny

07.Under the Wire

 

プロデュースはデヴィッド・ヒューストン(David Houston)です。

前作と同じく、ベースにはハル・ストリングフェロー・インブリーが参加しています。ドラムは1曲だけジェスロ・タルに在籍していたドン・ペリー(Doane Perry,ds)が産しています。後は打ち込みです。音質は圧倒的に改善されました。楽曲も10分超えが3曲もあり、大作ぶりは前作を上回りました。

この時代にプログレッシヴ・ロックという70年代回帰とも思われる音楽に取り組んだ兄弟でしたが、それ以降のプログレッシヴ・メタルの隆盛を見ると、この兄弟とマイク・ヴァ―ニーの先見性は見事でした。

 

この後も順調にアルバムをリリースしますが、プログレメタル界の中ではドリーム・シアター、クイーンライク、フェイツ・ウォーニングなどに大きく水をあけられました。

 

そして、2014年にウェインが、2016年にはトレントが亡くなり、バンドは事実上消滅しました。

 


Magellan - Estadium Nacional


Magellan - Songsmith


Magellan - Virtual Reality

 

それでは今日はこの辺で。