今日の「聴き比べ」は『ラブ・ジェネレーション』です。
この曲は早川義夫率いるジャックスのデビューアルバム『ジャックスの世界』に収められた曲で早川先生の作詞・作曲です。
ジャックスは1966年の結成ですからだいぶ古いです。その後メンバーチェンジをしながら1968年にレコードデビューしました。日本のロックバンドの先駆けです。「はっぴいえんど」よりも先に日本語ロックを確立したバンドとして語り継がれました。関西フォークの台頭と共に一部で絶大なる人気を誇りました。フォークの連中との交流も盛んでした。活動中よりは解散した後に伝説的バンドとして人気が高まりました。1969年には解散してしまいました。後に「六文銭」や「ナターシャセブン」にも加わった木田高介も在籍していました。途中でつのだひろも加わりました。正規なアルバムとしては2枚だけでした。そのうち1枚は解散後に出された『ジャックスの奇蹟』です。
ファーストアルバムの『からっぽの世界』は「マリアンヌ」や「時計をとめて」「からっぽの世界」などジャックスの傑作が揃っています。「ラブ・ジェネレーション」はそんなファーストアルバムの中でも当時特に気に入った曲でした。コード進行といい、歌詞の内容といい申し分ありませんでした。特に歌詞の「信じたいために、あらゆる大きなものを疑うのだ」というフレーズは当時の高校生には十分刺激的でした。
作詞・作曲 早川義夫
僕らは何かをしはじめようと
生きてるふりをしたくないために
時には死んだふりをしてみせる
時には死んだふりをしてみせるのだ
しようと思えば空だって飛べる
そう思える時嬉しさのあまり
泣きながら飲めない酒をかわす
泣きながら飲めない酒をかわすのだ
信じたいために親も恋人をも
すべてあらゆる大きなものを疑うのだ
大人っていうのはもっとステキなんだ
子供の中に大人は生きてんだ
実はひとりになりたいゆえに
バカみたいにたくさんの人と話すのだ
僕らの言葉の奥には愛が
僕らの言葉の奥には愛がいっぱいある
ラララ・・・
この曲を我らが岡林信康先生がアルバム『見るまえに跳べ』でカバーしました。
このアルバムは早川先生がプロデュースしました。バックには「はっぴいえんど」が参加し、岡林先生がボブ・ディランと同じようにフォークからロックへと舵を切ったアルバムでした。このアルバムのB面は「今日をこえて」を除き、他の5曲をジャックス若しくは早川先生のソロアルバムからの作品で埋められました。この曲もその中の1曲でした。
このアルバムでは『ラブ・ゼネレーション』という表記になっています。岡林先生の歌唱も素晴らしいです。
次回は『見るまえに跳べ』からアルバムのタイトルの元となった「堕天使ロック」を聴き比べてみようと思います。
それでは今日はこの辺で。