Flying Skynyrdのブログ

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聴き比べ ハコとミレイ『ざんげ・・・』と『白い花』

今日の「聴き比べ」は山崎ハコちゃんと北原ミレイさんの競演です。

ハコちゃんはライブではよく『ざんげの値打ちもない』を歌います。この曲は阿久悠作詞で、1970年の北原ミレイさんのデビュー曲です。

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北原ミレイさんが当時歌った歌詞は次のようなものでした。

 

ざんげの値打ちもない

作詞:阿久 悠

作曲:村井邦彦

 

あれは二月の寒い夜  

やっと十四になった頃

窓にちらちら雪が降り 

部屋はひえびえ暗かった

愛というのじゃないけれど 

私は抱かれてみたかった

 

あれは五月の雨の夜 

今日で十五と云う時に

安い指輪を贈られて 

花を一輪かざられて

愛と云うのじゃないけれど 

私は捧げてみたかった

 

あれは八月暑い夜 

すねて十九を越えた頃

細いナイフを光らせて 

にくい男を待っていた

愛と云うのじゃないけれど 

私は捨てられつらかった

 

そしてこうして暗い夜 

年も忘れた今日のこと

街にゆらゆら灯りつき 

みんな祈りをするときに

ざんげの値打ちもないけれど 

私は話してみたかった

 


ざんげの値打ちもない  北原ミレイ

 

ところがこの曲には当時は歌詞が過激だということで4番の歌詞がカットされて発売されました。その後も放送上よろしくないというので、この4番の歌詞は長年歌われてきませんでした。

 

しかし、阿久悠の死後だったか、何年だったか記憶が曖昧ですが、ある時のハコちゃんのライブで、初めてこの曲をカバーしました。その時の彼女の話では、この曲に幻の歌詞があるということを知り、そしてそのこの4番を歌いために歌いますという、ことでした。

その後、ハコちゃんは阿久悠という作詞家に惚れ、彼の未発表の作詞に曲を付けたアルバム『横浜から 阿久悠未発表作品集』を発表し、その中でもこの曲をカバーしました。

 

その4番の歌詞というのがこれです。

 

あれは何月、風の夜

とうに二十も過ぎた頃

鉄の格子の空を見て

月の姿が寂しくて

愛と云うのじゃないけれど 

私誰かが欲しかった

 

どうやら「鉄の格子」という言葉が引っ掛かったようです。今なら何でもないことですが、当時はまだまだ倫理上煩かったのでしょう。

 

この後、北原ミレイさんも4番の歌詞を入れて再録音しています。

 


山崎ハコ ざんげの値打ちもない フルカバー

 

山崎ハコちゃんと北原ミレイさんは旧知の仲で、北原ミレイさんはハコちゃんの名曲「白い花」をカバーしています。私もハコちゃんの中では大好きな曲です。

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白い花

作詞・作曲:山崎ハコ

 

私の目の前の白い花

人目にもつかず咲いているけれど

幸せそうに ほほえんで

香りを漂わせる

できることなら この指で

お前を摘んでしまいたい

あの人の心に 誇らしく

咲いてるお前を

 

白い花びら はにかんで

とてもきれいに見えるわ

お前のように 咲きたかった

あの人の心の中に

ひそかに きれいに 咲くがいい

美しい白い花よ

あの人と いっしょに 生きて行け

あの人をなぐさめながら

 

お前をみつめて 生きて行く

私の気持ち知らないで

私にやさしいほほえみを

かえす 白い花

ひそかに きれいに 咲くがいい

ほほえむ 白い花よ

あの人と いつまでも 生きて行け

あの人をなぐさめながら

 


白い花/山崎ハコ

 

ミレイさんはライブ音源で。若い! 残念ながら1番と3番です。


白い花 北原ミレイ(1977 O.A.)

 

何故かこの2曲はある共通点があるような気がしてなりません。

 

それでは今日はこの辺で。