Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

聴き比べ『ダスティン・ホフマンにはなれなかったよ』

今日の「聴き比べ」は大塚博堂ダスティン・ホフマンにはなれなかったよ』です。

 

弱冠37歳でこの世を去った大塚博堂氏のデビュー曲でした。発売は1976年でした。

はじめ、タイトルを聞いた時にどういうことだろう?と不思議に思ったのですが、詞を読んでなるほどと思いました。

ダスティン・ホフマン主演の2本の映画『ジョンとメリー』『卒業』が登場します。2本ともアメリカン・ニューシネマの作品で、ダスティン・ホフマンは人気絶頂でした。

『卒業』のラストのようにはいかなかった、せつない後悔を歌った曲です。

この歌詞は本人が作詞したものかと思っていたら、作詞家の藤公之介の詞だったのです。曲は本人です。

私自身も似たような心境になった曲でした。

 

ダスティン・ホフマンになれなかったよ

作詞:藤公之介

作曲:大塚博堂

 

テレビの名画劇場で

「ジョンとメリー」を見たよ

ダスティン・ホフマンが主演の

行きずりの恋のお話さ

まるであの日の二人みたいで

胸が熱くなって仕方がなかった

君にもう二人も子供がいるなんて

僕のまわりだけ時の流れが遅すぎる

 

君と一緒に見に行った

「卒業」を覚えているかい

花嫁を奪って逃げる

ラスト・シーンが心にしみたね

なのにあの日僕は教会で

君を遠くからながめてるだけだった

君にもう二人も子供がいるなんて

僕のまわりだけ時の流れが遅すぎる

 

ダスティン・ホフマンになれなかったよ

ダスティン・ホフマンになれなかったよ

 

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赤い鳥、ハイ・ファイ・セット山本潤子さんです。うまい!

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野口五郎さん

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それでは今日はこの辺で。

 

 

ホリー・コール(Holly Cole)の『シャレード(Holly Cole)』入手

ホリー・コール(Holly Cole)のCDを初めて買いました。日本盤タイトルがシャレード、原題は『Holly Cole』です。ジャケットも違いますが中身は同じようです。

 

ホリー・コールは昔から知ってはいたのですが、何故か買うまでには至りませんでした。彼女はカナダの音楽一家に生まれました。デビュー直前に交通事故に遭い、顎を怪我し、医師からは歌手は無理だと宣告されましたが、どうしても歌手の道を諦められず、リハビリに専念し、1990年、ホリー・コール・トリオ名義のアルバム『Girl Talkデビューを果たしました。翌年には『Blame It On My Youth』の中の「Calling You」が大ヒットし人気歌手の仲間入りを果たしました。

 

本アルバムは2006年リリースのスタンダード・ナンバーを多く収めたアルバムになっています。シャレード』『シェルブールの雨傘など私のフェヴァリット・ナンバーが歌われていることが今回の購入の決め手となりました。

 

 

Holly Cole

 

01.The House Is Haunted By The Echo Of Your Last Goodbye

02.Charade

03.I Will Wait For You

04.Waters Of March

05.Alley Cat Song

06.Larger Than Life

07.Be Careful, It's My Heart

08.It's Alright With Me

09.You're My Thrill

10.Life Is Just A Bowl Of Cherries

11.Reaching For The Moon

 

 

パーソナルは

Vocal – Holly Cole

Alto Saxophone – Marty Ehrlich

Baritone Saxophone – Robert Debellis

Bass  Clarinet – Robert Debellis

Bass Saxophone – Scott Robinson

Double Bass – Greg Cohen

Drums – Steven Wolf

French Horn – Vincent Chancey

Guitar – Matt Munisteri

Piano – Aaron Davis, Gil Goldstein

Tenor Saxophone – Lenny Pickett

Trombone – John Allred

 

プロデュースはGreg Cohenです。

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それでは今日はこの辺で。

 

映画『独裁者』を観る ーキネマ旬報シアター

先日のキネ旬シアターは『独裁者』でした。

またまた「フォーエバー・チャップリンチャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。

 

監督・脚本・製作:チャールズ・チャップリン

出演:チャールズ・チャップリンポーレット・ゴダード、ジャック・オーキー

製作:1940年  アメリカ合衆国 1960年 日本初公開

 

チャップリンの代表作です。初めての完全トーキーです。先日の『モダンタイムズ』に続きユナイテッド・アーティスツ社での6作目です。

 

この映画ではチャップリンユダヤ人の床屋とトメニア国の独裁者の一人二役を演じます。トメニア国とは当然ドイツのことで、独裁者とはヒトラーのことですが、あくまでもフィクションという設定です。

映画の公開は1940年ですが、製作は38年頃からだと思います。まさにナチス・ドイツヒトラーが縦横無尽に世界を席巻していた時代です。アメリカもまだ第2次世界大戦には参加していません。ヨーロッパの各国や南米の親独各国もヒトラーを刺激しないようにこの映画の上映を禁止した国も多かったようです。しかし、チャップリンは敢然と上映を強行したようです。失敗すればチャップリンも破産の恐れもあったようですが、結果は大成功でアカデミー賞にもノミネートされました。

日本での公開は戦後15年も経った1960年でした。なんでこんなに時間がかかったのでしょうか。この年のキネマ旬報ベストテンの1位になりました。

 

映画は基本ドタバタ喜劇ですが、時折挿入されるユダヤ人迫害の場面や新聞ニュースが現実に引き戻します。そして、ラストの独裁者に間違われて演説することになってしまった床屋の男の6分間にわたる演説が何といってもこの映画の見ものです。人の良い、引っ込み思案の男が大聴衆を前にして自由と平等の価値について熱弁をふるいます。聴衆は歓喜の嵐です。

チャップリンはこの映画の製作時点ではホロコーストの存在は知らなかったようですが、ナチス・ドイツの危うさは十分感じていたのでしょう。この演説文はナチスの軍人への警告だったのでしょう。いっときも早く目を覚ませと。

今なら是非ともロシアのプーチン大統領へ聞かせたい名演説でした。

 

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それでは今日はこの辺で。

 

 

聴き比べ 島崎藤村の『初恋』

今日の聴き比べは『初恋』です。

 

この曲は島崎藤村の詩に若松甲という人が曲をつけたものです。このタイトルは同名異曲が多く、中でも村下孝蔵の『初恋』が有名ですが、この曲とは全く違います。

藤村の処女詩集『若菜集』に収められた詩です。恋愛にも苦悩した藤村の美しい詩です。

 

私がこの曲を知ったのは舟木一夫さんが1971年に歌ったものでした。これがオリジナルかと思っていましたが、どっこい1963年に小林旭さんが歌っていました。えっ、と思いましたが、考えてみればアキラは『惜別の唄』や『サーカスの唄』なども歌っているので、さもありなんと納得です。

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島崎藤村のこの詩は有名なので、私でも知っていました。その詩に曲が付いてるなんて、と思って驚いたのを憶えています。舟木一夫さんはそれまでに『絶唱』や『夕笛』など、戦前の時代を描いた映画の主題歌を歌っていたのでその系統なのでしょう。

そういえば映画『絶唱』は舟木一夫さんの映画の前にアキラ主役で映画化されていました。これまた面白いです。

 

 

 

初恋

作詞:島崎藤村

作曲:若松 甲

 

まだあげ初めし前髪の

林檎のもとに見えしとき

前にさしたる花櫛の

花ある君と思ひけり

 

やさしく白き手をのべて

林檎をわれにあたへしは

薄紅の秋の実に

人こひ初めしはじめなり

 

わがこゝろなきためいきの

その髪の毛にかゝるとき

たのしき恋の盃を

君が情に酌みしかな

 

林檎畑の樹の下に

おのづからなる細道は

誰が踏みそめしかたみぞと

問ひたまふこそこひしけれ

 

アキラです。画像は関係ありません。小百合様が写っています。「伊豆の踊子」でしょう。

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舟木一夫さん。

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それでは今日はこの辺で。

 

この人の、この1枚『Barry Goldberg And Friends』

ブック・オフで入手したレコードの続きです。

今日はバリー・ゴールドバーグ(Barry Goldberg)名義の『Barry Goldberg And Friends』です。

輸入盤です。もっとも日本ではたぶん発売されていません。値段はなんと300円。これは嬉しいです。

バリー・ゴールドバーグはアメリカのブルース・ロック界では有名人です。黒人ブルースマンとのセッションやティーヴ・ミラー(Steve Miller)とのゴールドバーグ=ミラー・ブルースバンド(The Goldberg-Miller Blues Band)マイク・ブルームフィールド(Michael Bloomfield)達とのエレクトリック・フラッグ(Electric Flag)、さらにはマイクたちとのKGBの結成などで活躍したキーボード奏者です。

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このアルバムのFriendsはそのマイク・ブルームフィールドとキャンド・ヒート(Canned Heat)などに在籍したギタリスト、ハーヴィー・マンデル(Harvey Mandel)、そしてフライング・ブリット・ブラザーズ(The Flying Burrito Brothers)やその他バリー・ゴールドバーグやハーヴィー・マンデルのソロアルバムなど多くのレコーディングなどに参加していたドラマー、エディ・ホー(Eddie Hoh)です。

 

このレコードはどうやら1969年のリリースらしいです。1972年という記録もありますが、よくわかりません。バリー・ゴールドバーグのソロアルバムは何枚か認知していましたが、このアルバムは初見でした。

中身は予想通り、ゴリゴリのブルース・ロックでした。これが300円です。大満足でした。これだからレコード漁りは止められない。

 

   

 

Barry Goldberg & Friends

 

Side A

1.Sweet Home Chicago

2.I Got To Love My Woman

 

Side B

1.Long Hard Journey

2.Woke Up This Morning

3.Mess"A Da" Blues

 

クレジットは

Drums – Eddie Hoh

Guitar – Harvey Mandel

Guitar, Vocals – Mike Bloomfield

Organ – Barry Goldberg

Producer – Morey Alexander

 

この他にもゲストとしてデュアン・オールマン(Duan Allman)チャーリー・マッスルホワイト(Charlie Musselwhite)の名前がある資料もありますが、真偽のほどはわかりません。

 

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それでは今日はこの辺で。

 

映画『モダンタイムズ』を観る ーキネマ旬報シアター

先日のキネ旬シアターは『モダンタイムズ』でした。

またまた「フォーエバー・チャップリンチャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。

 

 

監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン

出演:チャールズ・チャップリンポーレット・ゴダード、チェスター・コンクリン

製作:1936年  アメリカ合衆国

 

ご存じ、チャップリンの傑作。『街の灯』に続くユナイテッド・アーティスツ社での5作目です。基本サイレントですが、一部セリフが入るパート・トーキーです。チャップリンの歌声による肉声が初めて聴かれた映画でもあります。

資本主義経済や機械文明を痛烈に批判した映画で、チャップリンはこの映画のおかげで共産主義者ではないか、と疑われたようです。当時、ナチス国家だったドイツでは上映禁止になりました。工場で働くシーンはあまりにも有名です。このシーンは大量生産・大量消費による人間喪失をコメディー・タッチで見事に表現しています。腹を抱えて笑えるのですが、その奥に機械と化してゆく人間の哀れさが見てとれるのです。

 

また、ラストシーンは機械化された現代文明とは真逆の、何もないだだっ広い草原のどこまでも続く一本道をチャップリンが少女と共に笑顔で胸を張って歩いていくのです。

世界恐慌の悲惨さから、チャップリンは既に資本主義が抱える矛盾を映像によって表現していたのです。なんという先見性でしょうか。

 

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それでは今日はこの辺で。

 

聴き比べ 浅川マキの『ちっちゃな時から』

今日の「聴き比べ」は浅川マキさんの『ちっちゃな時から』です。

 

この曲はマキさんの1970年発売の3枚目のシングルになります。アルバムではデビュー盤の『浅川マキの世界』に収録されました。いかにもマキさんらしいノリのいいブルース・タッチの曲です。

 

浅川マキさんについてはこれまでに何度も登場してもらっています。

lynyrdburitto.hatenablog.com

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ちっちゃな時から

作詞:浅川マキ

作曲:むつひろし

 

ちっちゃな時から 浮気なお前で

いつもはらはらする おいらはピエロさ

さよなら お嫁に行っちゃうんだろ

いまさら気にするのか俺を

 

ちっちゃな時から 俺の近くには

いつもお前がいて ヘマもやれなんだ

さよなら 明日からは 一人だし

大丈夫 気楽にやって行くさ

 

ちっちゃな時から 可愛いお前だ

何かあったら来な こんな俺だけど

さよなら 夕焼けがきれいだよ

泣くなんて お前らしくもないぜ

 

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研ナオコさんが歌っています。この曲がよく似合っています。

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川村ゆうこさんです。

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それでは今日はこの辺で。