Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

ニール・ヤング(Neil Young)、特に70年代は・・・

今回はニール・ヤングを取り上げたいと思います。以前、バッファロー・スプリングフィールドとC.S.N & Yは取り上げましたので、今日はソロ時代、それも約50年にもなりますので(現在71歳)、私の一番好きな70年前後に絞ってみたいと思います。

ニールのソロデビューはバッファロー解散後の1968年です。アルバムは『Neil Young』です。

プロデュースはこれから長い付き合いになるジャック・ニッチェとデヴィッド・ブリッグスです。バッグには後のポコのメンバーになるジョージ・グランサムやジム・メッシーナが参加しています。このアルバムにはニールのその後の方向性がすべて詰め込まれているように思えます。フォークあり、かと思うとロックあり、カントリー調もありと地味な印象は受けますが好アルバムです。ジャック・ニッチェのストリンス曲もあります。

ソロ第2作は『Everybody Knows This Is Nowhere』です。

ここでいよいよクレイジー・ホース(Crazy Horse)との共演です。クレイジー・ホースはダニー・ウィッテン(Danny Whitten,g,vo)、ラルフ・モリーナ(Ralph Molina,ds)、ビリー・タルボット(Billy Talbot,b)の3人組で、独自でもアルバムを出しています。しかし、メンバーのダニー・ウィッテンは1972年に亡くなります。29歳でした。死因はドラッグの大量投与とか。したがってダニーが参加しているアルバムはファースト『Crazy Horse』のみです。

しかしながら、これは間違いなく名盤です。名曲「I Don't Want To Talk About It(もう何も話したくない)』は後にロッド・スチュアートやリタ・クーリッジにも歌われているようにまさに名曲で、ダニーの悲しげなヴォーカルが素晴らしいです。

話が逸れましたが、この2枚目は長尺の「Down By The River」や「Cowgirl In The Sand」を含み、特に前者は映画「いちご白書」でも使われヒットしました。完全なロックアルバムとして仕上がりました。

そしてサードアルバムが『After The Gold Rush』です。1970年です。この頃はCSN&Yとの活動とダブります。『Deja Vu』の発表もこの年でした。

私はこのアルバムが彼の中では1,2位を争う程気に入っています。今まで何度聴いたかわかりません。レコード盤がすり減っていることでしょう。このアルバムにはクレイジー・ホースのメンバー以外にスティーヴン・スティルスやニルス・ロフグリンも参加しています。サウンドはアコースティックがメインですが、中に「Southern Man(サザン・マン)」のような強烈なロックがあり、飽きません。捨て曲は1曲もありません。「サザン・マン」はCSN&Yのライブ『4way Street』で13分にも及ぶ熱演も聴けます。数年後、この曲に対してレーナード・スキナードがアルバム『Second Helping』のなかで「Sweet Home Alabama」という曲にして返歌として歌っています。

次に発表されたのが、おそらく彼のアルバムでは一番売れたのではないかと思われる『Harvest』です。

 これはバックをストレイゲイターズに変え、さらにCSN、リンダ・ロンシュタッド、ジェイムス・テイラーなどが参加し、「Heart Of Gold(ハート・オブ・ゴールド)」が全米1位に輝きました。さらに長尺の「Alabama(アラバマ)」「The Words(歌う詞)」がすばらしい。全体的にはカントリー色が強いです。

次は『Journey Through The Past(過去への旅路)』です。1972年作

これはニールの監督した映画のサウンド・トラックで2枚組でした。「サザン・マン」他貴重なライブが収録されています。映画の方はおそらく公開されていないのではないでしょうか。

次はライブアルバム『Time Fades Away(時は消え去りて)』です。1973年発表。

ライブですが全曲が新曲という変わった趣向でした。それでも中身は素晴らしいです。いい曲揃いです。

次が『On The Beach(渚にて)』です。1974年発表。

このアルバムはあまり評判にはなりませんでしたが実は好アルバムです。実はこの前年にダニー・ウィッテンが亡くなっており、ニールは絶望のどん底でした。そんな中で作られたアルバムで、地味ではありますが、いい曲がたくさん収められています。「See The Sky About To Rain」「WalkOn」「Revolution Blues」「Vampire Blues」など。

そして、次に『Tonight’s the Night(今宵その夜)』です。

これが私にとってのベスト1,2です。派手な曲はありません。亡き友、ダニー・ウィッテンとブルース・ペリーに捧げたといってもいいでしょう。クレイジー・ホースとの「Come On Baby Let's Go Downtown」もいいし、続く「Mellow My Mind」など捨て曲1曲もなしです。これもレコードが擦り切れています。

次が「Cortez The Killer」が入った『Zuma』です。発売前からラジオFENで何度もこの曲を流していたので、すっかり気に入ってしまった記憶があります。

次は『Long May You Run / Stills Young Band(太陽への旅路)』です。純粋にソロアルバムではありませんが一応。1976年発表。

そしていよいよ初来日です。日本武道館。興奮で足の震えが止まりませんでした。

まだその時は聴いたことがなかった「Like A Hurricane」を大きな扇風機の前で髪をなびかせながらギターをかき鳴らしていた姿が今でも忘れられません。

そして翌年、その「ライク・ア・ハリケーン」が入った『American Stars 'N Bars』が発表されます。

「ハリケーン」ばかり聴いていたような気がします。会社の出勤前に大音量でかけて、気合を入れていったような思い出があります。

1978年にはアコースティックな『Comes A Time』を発表します。

ニコレッタ・ラーソンがバックで加わっています。ほのぼのとしていいです。

次にクレイジー・ホースとのライブ『Rust Never Sleeps』を発表します。

オープニングの「My, My, Hey, Hey 」は1989年の2度目の来日の時のオープニングナンバーだったような記憶があります。クレイジー・ホースのギタリストはフランク・サンペドロになっています。

そして傑作ライブ『Rust Live』です。前作のツアーの模様のライブ(サントラ)です。

もう何も言う事はありません。ただただ聴いてください。選曲もいいし、演奏もいいし。レコードは2枚組です。ただ、残念なのはこの頃は既に「サザン・マン」はやらないのです。聴きたかったけどな。歌詞が問題なのでしょう。

最後は駆け足になってしまいましたが、こうしてニール・ヤングの70年代は終わります。そして80年代へ。これから様々な音楽へとチャレンジしていくことになります。パンク、ニューウェイヴ、グランジオルタナ、アンプラグド、ブルース。彼には音楽の境界はありません。

いずれまた80年代以降をやってみたいと思います。