ウォークアバウツ(The Walkabouts)
80年以降のカントリーロック、3回目です。
日本では全くと言っていいほど人気のない、というか知られていないウォークアバウツというバンドです。どういうきっかけでこのバンドを知ったのかもう記憶にありませんが、もう十数年になるはずです。いわゆるカントリーロック(オルタナ・カントリー)とはちょっと違いますが、哀愁を帯びた曲作りが自分に合っているようです。
ウォークアバウツは1984年にクリス・エックマン(Chris Eckman,g,vo)とカーラ・トーガーソン(Calra Torgerson,vo,g)が中心になって結成されました。男女混成のヴォーカルです。カーラの声が哀愁を帯びています。
ファーストアルバムは『See Beautifu Rattlesnake Gardens』(1988年)です。
続いて『Rag & Bone』『Cataract』『Scavenger』と続けて出します。
『Scavenger』ではランディー・ニューマンの曲も取り上げています。
彼等は主にヨーロッパで活動し,ある程度の成果を挙げました。
1993年、新しいレーベルから『Satisfied MInd』をリリースします。
ここでは、ジーン・クラーク、ジョン・ケイル、ジョニー・リバース、チャーリー・リッチ、ニック・ケイヴ、パティ・スミスなど様々なアーティストをカバーしています。それにしてもカーラのヴォーカルは魅力的で引き込まれます。
続けて『New West Motel』と『Setting The Woods On Fire』と出します。
ここでは再びオリジナルがほとんどを占めるようになります。1曲だけタウンズ・ヴァン・ザントの曲が『New West Motel』に含まれています。
ちょっと間が空いて、1996年には新たに契約を交わしたヴァージンレコードから『Devil's Road』が発売されます。
これは楽曲の半分を交響楽団とのコラボで占めています。暗いです。いいんです。
この年にこれまでの未発表曲集が発表されます。『Death Valley Days』です。
これが凄いです。ニール・ヤングの「オン・ザ・ビーチ」となんと「ライク・ア・ハリケーン」、ボブ・ディランの「マギーズ・ファーム」、それにニック・ドレイク、ビッグ・スターのアレックス・チルトンの曲まで入っています。「マギーズ・ファーム」はよくよく聴かないとわかりませんが。
その後は、『Nighttown』『Trail Of Stars』『Train Leaves At Eight』『End Up A Stranger』と順調にアルバムを出し続けます。それぞれ、1997、2000、2001、2002年です。
2002年に再び未発表曲集『Drunken Soundtrucks』を発表します。
ここにもニール・ヤングの「アルバカーキ」やニール・ダイアモンド、セルジュ・ゲンジュブール、アントニオ・カルロス・ジョビンなど幅広い楽曲を取り上げています。
その後は2005年に『Acetylene』、2011年には『Travels In The Dustland』と間隔は開きますが出し続けていましたが2015年に解散を宣言したようです。
これでウォークアバウツの幕は一応閉じられた形になりましたが、この長い間、良質なアルバムを出し続けてきたということは凄いことです。「これは、いただけないな」というアルバムは1枚もありませんでした。本当に珍しいことです。あくまでも私の主観ですので。
参考までにこれまでのカントリーロックに関する記事を紹介します。
リンクの貼り方を憶えましたのでガンガン使ってます。
それでは今日はこの辺で。