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グリーングラス、最後まで頑張った!

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またまた競馬のお話です。

 

1976年のT.T(トウショウボーイテンポイント)対決に沸く京都競馬場菊花賞で、大番狂わせを演じ、T.T.Gと呼ばせるまでになったグリーングラス。しかしそれまでの道のりは長かったのです。

デビューは遅く、明け4歳(今の3歳)になってからで、1月の新馬戦でした。2番人気に押されましたが、1番人気は何とあのトウショウボーイでした。結果はトウショウボーイに1.6秒もの差をつけられての2着でした。その後も新馬戦は勝てず、3戦目の未出走戦で初勝利。この時点で皐月賞の出走はかないません。続く最下級条件戦でも4着に敗れ、ダービーへの出走はトライアルのNHK杯で5着以内に入るしかありません。しかしそのNHK杯も結局12着の大惨敗。グリーングラスの春は終わりました。

ダービー後の6月の条件戦でようやく2勝目をあげ、秋を目指しますが3勝目をあげたのが菊花賞前の鹿島灘特別です。獲得賞金的にはギリギリで出走回避馬が出ない限り出走できません。運よく出走回避馬が出て滑り込みで出走が可能になりました。

それでも人気の方は、トウショウボーイが1番人気、ダービー馬のクライムカイザーが2番人気、テンポイントが3番人気。グリーングラスは12番人気でした。

レースはバンブーホマレの逃げで始まります。トウショウボーイテンポイントはお互いにマークし合うように先頭集団を形成します。グリーングラスは内をついて前へと進みます。直線に向いてトウショウボーイが先頭に立ちます。すかさずテンポイントが並びかけ交わします。テンポイント先頭で直線半ば。テンポイントファンの実況アナの杉本清が「テンポイントだ、テンポイントだ、もうムチなどいらん、それいけテンポイント」と絶叫しながらも「あっ、内からグリーングラス」というなんとも複雑な心境が表れた実況を今でも思い出します。

結果はグリーングラスの優勝。テンポイントが2着。トウショウボーイ3着。クライムカイザーは6着に敗れました。この結果T.T.Gの3強時代がやってきました。

この年の有馬記念にはグリーングラスは出走せず、T.Tの一騎打ちとなり、トウショウボーイが制しました。

グリーングラスは明けて5歳になりAJCC杯を勝ち、目黒記念カシュウチカラの2着となり春の天皇賞に進みます。これには宿敵テンポイントが出走してきました。グリーングラスは2番人気に押されましたが、結果は1番人気のテンポイントの4着と菊花賞の雪辱を果たされました。

次走は宝塚記念を選び出走。このレースにはテンポイントトウショウボーイが顔を揃え2度目のT.T.G対決となりました。結果はトウショウボーイ1着、2着にテンポイントグリーングラスは3着でした。まさに3強の争いでした。

この後、7月の日本経済賞を勝って夏場休養。ぶっつけで秋の天皇賞を目指します。このレースにはトウショウボーイが出走してきました。トウショウボーイが1番人気、グリーングラスが2番人気でした。しかし勝ったのは5番人気のホクトボーイ、2着に春の天皇賞テンポイントの2着に来たクラウンピラードトウショウボーイは7着に敗れ、グリーングラスンは5着に敗退しました。トウショウボーイは距離の壁に泣きましたが、グリーングラス脚部不安によるローテーションのまずさが表れました。

続いて暮れの有馬記念に出走。3度目のT.T.G決戦となりました。グリーングラスは2頭に食い下がりますが3着に終わります。

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明けて6歳になり、1月のAJCC杯を2着、中山のオープン戦を3着して春の天皇賞へと向かいます。グリーングラスは1番人気に押されます。2番人気は前年の菊花賞プレストウコウです。レースはプレストウコウ郷原洋行がレース中珍しい鞍ずれをおこし競争中止グリーングラスがトウフクセダン、カシュウチカラを押さえ優勝。二つ目の八大レース制覇を果たしました。その後、宝塚記念に1番人気で出走しましたがエリモジョージの逃げに屈して2着。暮れの有馬記念に直行しますが、カネミノブの3着に終わり6歳が終了します。

明けて7歳、1月のAJCC杯に出走してサクラショウリの2着。その後脚部不安で、休養の後ぶっつけで宝塚記念に出走。7番人気と人気を落としますが、向正面で先頭に立つという積極的なレース運びで直線半ばまで頑張りますが、サクラショウリバンブトンコートに交わされ3着でした。しかしこの時鞍上の岡部幸雄は暮れの有馬記念は走ると確信したそうです。

次走を東京のオープン戦で2着し、有馬記念へと向かいます。1番人気はサクラショウリグリーングラスは引退レースということもあってか2番人気に押されました。鞍上は岡部幸雄ハツシバオーに騎乗するため大崎昭一に乗り替わりました。レースは3コーナー過ぎで早くも先頭に立ったグリーングラスがそのまま猛追するメジロファントムを押さえ切り優勝しました。

 

グリーングラスはこの後引退します。有馬記念での有終の美を飾りました。トウショウボーイテンポイントと並ぶように年度代表馬も獲得しました。

インターメゾ産駒の典型的な長距離血統で、3歳、4歳の前半までは長距離レースは組まれていない当時の日本のレース体系からして、当然遅咲きになる宿命でした。

それでも7歳での有馬記念制覇は立派としか言いようがありません。最強世代の1角を形成したグリーングラス、思い出に残る名馬でした。

種牡馬成績はGⅠ馬を1頭出したぐらいで目立った産駒はいませんでした。

競争成績は26戦8勝、2着7回、3着4回 菊花賞天皇賞(春)有馬記念

 


1976 菊花賞 グリーングラス


第24回 有馬記念 【グリーングラス】3角先頭

 

 それでは今日はこの辺で。