今日はしっとり系のイギリスのバンド『エンブレイス』について書いてみたいと思います。しっとり系と癒し系は何が違うんだ、ということになりますが、それは置いといて。
バンドの結成は1990年で、バンドのメンバーは
ダニー・マクナマラ(Danny MacNamara,vo,g)
リチャード・マクナマラ(Richard MacNamara,g,vo)
マイク・ヒートン(Mike Heaton,ds)
でスタートします。ダニーとリチャードは兄弟です。
1994年にスティーブ・ファース(Steve Firth,b)が加入します。
1997年にHut Recirdsからの3枚のEPがヒットし、1998年のアルバムデビューにこぎつけます。デビューアルバムは『The Good Will Out』です。
このアルバムではまだハードな曲やヘヴィーな曲もありますが、多くはスロー、ミディアムテンポのしっとりとした曲です。アルバムは全英1位を記録します。ダニーは「オアシス」や「ヴァーヴ」をコケにするような発言をして、ビッグマウスぶりを発揮します。が、現実もその通りになりつつありました。
このアルバム発表の後、ミッキー・デイル(Mickey Dale,key)が正式メンバーになります。ファーストではクレジット参加しています。
続く2000年にはセカンドアルバム『Drawn From Memory』をリリースします。
前作のハードでヘヴィな曲は姿を消し、しっとりした曲が大半を占めるようになりました。コーラスが入った曲「Save Me」などは黒人のファンキーな雰囲気を出しています。4曲目の「DrawnしかしFrom Memory」などは静けさに満ちて、心穏やかにさせる名曲ではないでしょうか。大胆なストリングスの導入もみられます。しかし、このアルバムは全英8位と売り上げは伸び悩みました。
翌年、サードアルバム『If You've Never Been』をリリースします。
前作のしっとり具合に磨きがかかります。とはいっても、リチャードのパワフルな曲もちゃんと残してあります。それにしてもこの兄弟に対照的なことには驚きます。でもそれがこのバンドの良さなのでしょう。このアルバムがしっとりさでは一番かもしれません。しかし、このアルバムも全英9位と売り上げ的には伸び悩みました。こうしたこともあって、レコード会社との契約も打ち切られました。会社側との音楽的意見の食い違いがあったようです。厳しい世界です。
そして3年間の沈黙の後、2004年に4枚目のアルバム『Out of Nothing』をリリースします。
いきなりメロディアスで明るい「Ashes」という曲で始まるアルバムにちょっと意外性を感じました。3年間の間に何か心境の変化でもあったのかと思いたくなります。2曲目の「Cravity」は「コールド・プレイ」のクリス・マーティンが提供してくれた曲で、間違いなく名曲です。その後は、いつものようにしっとり系が続き、美しいメロディーのアコースティカルな曲が目白押しです。このアルバムで見事全英1位に返り咲きます。
2006年に、わずか1週間で仕上げたという5枚目のアルバム『This New Day』をリリースします。
残念ながらこのアルバムは未入手です。
この後バンドは2011年まで活動休止状態に入ります。そして2014年に6枚目のアルバム『Embrace』を発表します。
このアルバムではビートルズのカバーなどもあるそうですが、残念ながら未入手です。
Embrace - Gravity (Official Video)
しっとりした気分になったところで
今日はこの辺で。