Flying Skynyrdのブログ

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この人の、この1枚 『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル((Creedence Clearwater Revival)/バイヨー・カントリー(Bayou Country)』

C.C.Rと言ってわかる人は、今時どれぐらいいるでしょうか。それだけ過去のグループになってしまった感がありますが、1970年頃の彼らの勢いは凄かったのです。「プラウド・メアリー」や「雨を見たかい」など、ヒット曲が多数なので、中には知らずに聴いているということもあるかもしれません。日本にロック・ミュージックを浸透させた功績は「シカゴ」や「グランド・ファンク」などと並んで絶大でした。

そんな彼らのセカンドアルバムが『Bayou Country』です。

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裏ジャケットにありますように、これが日本でのデビューアルバムになっていました。ジャケットもオリジナルとは全然違います。

これが、オリジナルのジャケットです。当時はこういうことはよくありました。アーティストの評判などを確認してから、発売に踏み切るというやり方です。

実際に彼らのファーストアルバム『Creedence Clearwater Revival』からは「Suzie Q」と「I Put A Spell On You 」という2曲のヒットが生まれました。いずれもカバー曲ではありましたが。

そして2作目からも「Proud Mary」が全米2位を記録するなどしました。 これを見て日本も慌てて発売に踏み切ったのではないかと想像します。

 

C.C.Rのメンバーは、

ジョン・フォガティ(John Fogerty,vo,g)

トム・フォガティ(Tom Fogerty,rhythm g)

スチュワート・クック(Stu Cook,b)

ダグ・クリフォード(Doug Cliford,ds)

です。

ほぼジョン・フォガティのワンマンバンドです。トムはジョンのお兄さんです。

 

Sude A

1. Born On The Bayou

3. Graveyard Train
 
Side B
1. Good Golly Miss Molly
2. Penthouse Pauper
3. Proud Mary
4. Keep On Chooglin'
 
なお、オリジナル盤は日本盤とA面とB面が逆になっています。
 
A-1 自分のちっぽけな汚い町が好きだから、どこへも行かないといった内容。ロックンロール調のご機嫌なナンバー。
A-2 単調なリズムとメロディ。ちょっとサイケっぽい。
A-3 これも単調なコード進行の繰り返し。
B-1 この曲のみカバー曲。リトル・リチャードがヒットさせた名作。
B-2 ブルース色たっぷりの曲。ジョン・フォガティのしわがれた声が合っています。
B-3 大ヒット曲。不滅の名曲。
B-4 A-3と並んで7分を超す大作。当時はまだ長尺ナンバーは少なかったのです。
 
このアルバムは全米で7位まで売り上げを伸ばしました。
しかし、彼等は当時のロックグループがアルバムに力を入れていたのに対し、シングルに重きを置いていたフシがあります。
 
その後も次々とヒット曲を飛ばしますが、なかなか全米1位は獲得できませんでした。2位が5曲もあるという珍しいバンドでした。
 
1969年には『Bayou ountry』からサードアルバムの『Green River』、そして4枚目の『Willy and the Poor Boys』まで3枚ものアルバムをリリースしています。

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このサードアルバムからは「Bad Moon Rising」「Lodi」「Green River」「Commotion」と4曲ものヒットがうまれました。アルバムは全米1位を獲得しました。 

 この4枚目のアルバムからは「Down On The Corner」「Fortunate Son」がヒットしました。アルバムは全米3位。

 

翌、1970年には『Cosmo's Factory』と『Pendulum』の2枚のアルバムをリリースします。

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このアルバムからは「Travelin' Band 」「 Who'll Stop The Rain」「Up Around The Bend」「Run Through The Jungle」「Lookin' Out My Back Door」「Long As I Can See The Light」と、なんと6曲ものシングルヒットが生まれます。さらに驚くことにこの中の4曲が全米2位になります。アルバムも当然1位です。

 

このアルバムからは「Have You Ever Seen The Rain(雨を見たかい)」が8位に入りました。アルバムは全米5位になりました。

 

しかし、このあたりから陰りが見え始めます。ハイペースでアルバムを発表し続けてきた彼等でしたが、ジョンのワンマンぶりに嫌気が差したか、トムが脱退します。

そして少し間隔をおいて1972年、7枚目のアルバム『Mardi Gras』をリリースします。

このアルバムからは「Sweet Hitch-Hiker」と「Someday Never Comes」がかろうじてヒットしますが、かつての勢いはありません。
楽曲も他のメンバーの曲を取り上げるなどして、ワンマンぶりを解消しようとしましたが、もはやどうにもなりませんでした。バンドはあっさりと4年間の栄光に幕を下ろしました。
 
その後、ジョン・フォガティはソロ活動を続け。アルバムも相当数出しました。1997年にはグラミー賞も獲得しています。
クックとクリフォードはその後、ドン・ハリソン・バンドに加入し、その後はセッションマンとして活躍。
トム・フォガティはソロアルバムを数枚出しましたが、1990年に48歳で他界しました。
 
C.C.Rというと、どうしても南部の土臭い香りがするのですが、彼等はウェストコーストの出身なのです。それなのに、当時はスワンプミュージックの代表選手のような言われ方をしていました。う~ん、やっぱりウェストコーストの匂いはしませんね。泥臭さが魅力です。
 


雨を見たかい/Have You Ever Seen the Rain/CCR

 

 それでは今日はこの辺で。