フォガットはイギリスのブルースバンド、サヴォイ・ブラウン(Savoy Brown)から分裂した連中が、1971年に結成したバンドです。
サヴォイ・ブラウンについては以前の記事で少し触れていますので参考までに。
1971年、サヴォイ・ブラウンのメンバー、ロンサム・デイヴ・ペヴァレット(Lonesome Dave Peverett,vo,g)とトニー・スティーヴンス(Tony Stevens,b)、ロジャー・アール(Roger Earl,ds)が元ブラック・キャット・ボーン(Black Cat Bones)のロッド・プライス(Rod Price,g)を誘って結成します。
フォガットは何故かアメリカのレーベル、ベアーズヴィルと契約します。その理由、彼等はサヴォイ・ブラウン時代にもアメリカ公演を数多くこなしていた関係から、レーベル関係者と親交が深まっていたようです。ジェシ・ウィンチェスターやトッド・ラングレンなども所属していました。
デビューアルバム『Foghat』は1972年です。サヴォイ・ブラウンの延長線上のブルースロックです。メンバーが3人もいるので当然といえば当然ですが。
そして、翌年発表されたのが、やはり同じタイトル『Foghat』です。日本では『フォガットⅡ』となって、アメリカでは区別するために(Rock And Roll)が付けられました。
Side A
1.Ride, Ride, Ride
2.Feel So Bad
3.Long Way To Go
4.It's Too Late
Side B
1. What A Shame
2.Helping Hand
3.Road Fever
4.She's Gone
5.Couldn't Make Her Stay
A-1 ロンサムとロッドの共作。いかしたロックロールナンバー。フォガットの新しい一面が見え始めました。
A-2 チャック・ウィリスのブルースナンバー。得意のパターンです。
A-3 ブルースを離れロックしています。ツインリードでの垢抜けた演奏になっています。メンバー全員の作品。
A-4 ロンサムとロッドの共作。珍しくスローで美しいナンバー。
B-1 ストーンズ風ナンバー。ロッドの曲。
B-2 ロッドとロンサムの共作。ロックンロールナンバー。
B-3 これも二人の共作。ロッドのスライドギターが聴けます。ロックンロール。
B-4 メンバー全員の作品。どこまでもロックンロール。
B-5 短い曲ですが、スローバラードナンバー。フォガットがこういう曲をやると意外性があって逆に新鮮です。
ファーストに比べ、洗練されアメリカナイズされました。一般評価は低いのですが、私は凄く気に入っています。ここまで徹底してロックンロール、ブギにこだわるバンドはなかなかありません。貴重です。
フォガットはアメリカのレーベルからのデビューということもあって、さらに音楽性がアメリカ的ということも手伝って、ファーストアルバム、サードアルバムの『Enerrgized』、5作目の『Fool For The City』がいずれもゴールドディスクを獲得します。
その後もフォガットは『Night Shift』『Live』『Stone Blue』『Boogie Motel』
と70年代をロックンロール・ブギで駆け抜けます。
80年代にはロジャー・アールとロンサム・デイヴの間にごたごたなどがあったりして解散状態になります。
しかし、1994年に和解して、オリジナルメンバー全員が集まって『The Return of the Boogie Men』を発表します。
ブルース、ロックンロール、ブギ全開で安心させてくれました。
ところが2000年にロンサム・デイヴがガンで亡くなります。もはやこれまでと思われましたが、2003年に初めてロンサム抜きのアルバムをリリースして健在ぶりを見せました。
そして今でもメンバーチェンジはありますが頑張っています。凄いですね。
それでは今日はこの辺で。