元ライオン(Lion)のカル・スワン(Kal Swan,vo)とダグ・アルドリッチ(Doug Aldrich,g)が1990年に結成したバンドがバッド・ムーン・ライジング(BMR)です。
ただ結成までには苦難の道のりがありました。マネージャー、レコード会社との対立、さらには盟友マーク・エドワーズのモータサイクルの事故で首の骨を折る重傷とライオンを取り巻く環境は悪化の一途をたどりました。そして結局はレコード会社とのすったもんだの末、ライオンは2枚のフルアルバムを出して解散となりました。
そして結成されたのがBMRです。その間、ダグ・アルドリッチはハリケーンやハウス・オブ・ローズのレコーディングに参加したりしていました。
そうして1990年にBMRは結成され、1991年にファーストアルバム『Bad Moon Rising』がリリースされます。
リズムセクションはハウス・オブ・ローズのメンバー、ケン・メリー(ds)とチャック・ライト(b)が参加しました。マイケル・シェンカーが1曲参加しています。
アルバムはライオンの音楽を引き継いでいます。ライオン時代の曲が4曲も含まれています。イギリスらしいハードロック、メロハーです。このアルバムは日本向けということになりました。日本のみの発売です。
続いて間隔が空いて1994年にセカンドアルバム『Blood』がリリースされます。
このアルバムからは正式メンバーとしてイアン・メイヨー(Ian Mayo,b)とジャッキー・レイモス(Jackie Ramos,ds)がクレジットされます。前作では2人の写真しかなく、どうしても二人のプロジェクトという感が拭えませんでしたが、今作は4人のメンバーが写真で写り、バンドという感じが出ています。
前作に比べヘヴィになりました。これがBMRの目指していたものなのかもしれません。ライオンからの脱皮なのでしょう。それでもメロディアスな曲は健在で、アコースティック曲など哀愁漂い素晴らしいです。活動の場はアメリカなのですがブリティッシュハードそのものです。
1995年にはサードアルバム『Opium for the Masses』がリリースされます。
一層ヘヴィになりました。というか、当時の時代の流れかグランジの影響をもろに受けたアルバムになっています。カルのヴォーカルがグランジ風になっています。賛否の別れるところでしょう。
結局バンドは1998年には活動停止、解散状態になります。ダグ・アルドリッチはその後、ディオやホワイトスネイクに参加したりして、現在も活躍中です。世良公則とも交友があります。
一方のカル・スワンはBMR解散後は音楽界から引退したようです。
Bad Moon Rising : Full Moon Fever
Bad Moon Rising - Blood On The Streets
それでは今日はこの辺で。