グレイト・ホワイト(Great White)はL.Aメタル盛んなりし1980年代前半に結成されたグループですが、流行りのL.Aメタルとは明らかに一線を画していました。というのは彼らの根底にはブルースがありました。ブルースに根差した骨太のハードロックです。
バンドの結成を遡れば、その経歴は古く1970年代の後半に、ジャック・ラッセル(Jack Russell,vo)とマーク・ケンドール(Mark Kendall,g)が中心になって結成されたグループが母体となっており、1982年にバンド名を正式に「グレイト・ホワイト」にして、ドン・ドッケンのプロデュースでEP『 On Your Kneeds』を制作、1984年にはファーストアルバム『Great White』をリリース。しかし、売れ行きはさっぱりで、レコード会社に契約を切られるという厳しい現実がありました。
それでも1986年のセカンドアルバム『Shot In The Dark』がまずまずの売行きを達成し、メジャーのCapitolとの契約を成立させます。
そして1987年のサードアルバム『Once Bitten...』でブレイクします。アルバムは全米23位まで上がり、シングル「Rock Me」がヒットします。
1989年の4枚目のアルバムが『Twice Shy』です。ちなみにバンド名の「グレイト・ホワイト」はグレイト・ホワイト・シャーク(ホオジロザメ)からきています。このジャケットにも描かれています。
01.Move It
02.Heart The Hunter
03.Hiway Nights
04.The Angel Song
05.Bitches And Other Women *
06.Mista Bone
07.Baby's On Fire
08.House Of Broken Love
09.She Only
10.Once Bitten Twice Shy
11.Wasted Rock Ranger *
*は日本盤ボーナストラック
この時のメンバーは
ジャック・ラッセル(Jack Russell,vo)
マーク・ケンドール(Mark Kendall,g)
マイケル・ローディ(Michael Lardie,key)
オーディ・デスブロウ(Audie Desbrow,ds)
トニー・モンタナ(Tony Montana,b)
です。
このアルバムは全米で9位、シングル「Once Bitten, Twice Shy」は全米で5位を記録します。
02、03などはブルージーでついつい引き込まれます。
04はバラードで、ジャック・ラッセルのヴォーカルはややハイトーンですが、ここでは囁くように歌います。これがまたいいですね。
05のボーナストラックはストーンズの「It's Only Rock 'n' Roll」「Bitch」、それにフォーリナーの「Women」のメドレーです。
06はマーク・ケンドールのブルースギターがたっぷり聴けるブルージーな曲。
08はスローブルースロックナンバー。抑え目なヴォーカルがいい。
09はバラード。最後まで静かな曲。
10はヒット曲。これはモット・ザ・フープルのイアン・ハンターのファーストソロに収められていた曲です。でもこれをアルバムのタイトルにするとは、よほど気に入ったのでしょうか。もちろんロックンロール。
このアルバム後、スタジオアルバムを5枚ほど出しますが、あまり芳しい成績を残すことが出来ませんでした。
2000年にはジャック・ラッセルを除きメンバーが脱退、事実上の解散状態に追い込まれました。それでもジャックは「ジャック・ラッセルズ・グレイト・ホワイト」というソロプロジェクトで活動していましたが、その活動中に出演していたナイトクラブで火事があり100人を超える死者を出し、プロジェクトのギタリストも死亡するという事故がありました。
事故の解決をみ、2006年に「グレイト・ホワイト」は再結成し、2007年に8年ぶりのアルバムをリリースします。
その後は再びジャック・ラッセルがバンドを離れ、残ったメンバーで活動しています。
彼らのこの他の代表的なアルバムです。
アメリカンハードロックの貴重なバンドです。
Once Bitten Twice Shy (Remastered)
Great White - Rock Me (Lyrics In Description)
Great White - 'House Of Broken Love' [Lyrics]
それでは今日はこの辺で。