これを聴くとゆったりとした気分になれるというミュージシャンがいます。この『クラウデッド・ハウス(Crowded House)』もそんなバンドの一つです。気に入っています。
クラウデッド・ハウスはニュージーランド人のニール・フィンがスプリット・エンズ(Split Enz)を解散した後、オーストラリアに渡って結成したバンドです。
スピリット・エンズは1970年代の中ごろから活動していたバンドでニール・フィンの兄ティム・フィンが在籍していた関係から、ニールも3枚目のアルバムから参加しました。10年程続いた活動期間の中で音楽の内容もプログレからポップロック、ニューウェイブ・パンクとジャンル分け出来ない、ちょっと変わったバンドでしたが、南半球が生んだスーパー・グループといわれ大人気でした。
スプリット・エンズが解散すると、ニール・フィン(Neil Finn,g,vo,key)はオーストラリアへ渡り、ニック・セイモア(Nick Seymour,b,vo)とスプリット・エンズにいたポール・へスター(Paul Hester,ds,vo,key)と共に『クラウデッド・ハウス』を結成します。
1986年にリリースしたシングル「Don't Dream It's Over」が全米2位の大ヒットとなり脚光を浴びました。そしてファーストアルバム『Crowded House』がリリースされます。
ニール・フィンもさすがにキャリアが長いせいか、デビューアルバムとは思えない安定感があります。難を言えばこの時のCDはまだAADで音質が悪く、籠った音でその後のCDを聴いてしまうと聴きづらいのです。この中からは先のシングルヒットと全米7位の「Something So Storong」を含んでいます。アルバム自体もゴールドディスクを獲得します。地元のニュージーランドやオーストラリアではそれ以上の驚くほどの売り上げ枚数を上げました。おかげでスプリット・エンズのベスト盤なども飛ぶように売れました。
1988年にセカンドアルバム『Temple of Low Men』をリリースします。
オープニングの「I Feel Possessed」の哀愁を帯びたメロディーと甘いニールのヴォーカルにまったりとします。
プロデュースは前作同様ミッチェル・フルームですが彼自身もキーボードでプレイヤーとして参加しています。それとフェアポート・コンベンションからソロになったリチャード・トンプソンが1曲だけギターソロで参加しています。もう一つ大きな出来事が実兄のティム・フィンがバッキング・ヴォーカルとして参加していることです。次のアルバムからは正式なメンバーとしてクレジットされることになりますが、ここではゲスト参加です。
このアルバムのリリース後にアメリカツアーを実施しますがその時にバーズのロジャー・マッギンが参加します。そしてバーズ時代の「ミスター・タンブリンマン」を含む4曲を歌います。これはミニLPで発売されますが手に入りません。のちにコンピレーションの中に収録されますが、そのコンピレーションも入手不可能です。残念でなりません。
3年のブランクがあって1991年にサードアルバム『Woodface』がリリースされます。
ここで正式にティム・フィン(Tim Finn,g,vo,key)がメンバーになります。
ティムの加入によってクラウデッド・ハウスはフィン兄弟のデュオ・グループのようになりました。ぜん4曲中9曲が2人の共作です。さらにハーモーニーが絶妙です。オープニングの「Chocolate Cake』は異国情緒たっぷりで聴かせます。2人のそれぞれのソロと2人のハーモーニー、それにアコースティカルなサウンド、本当にまったりします。
また2年近いブランクがあって4枚目のアルバム『Together Alone 』をリリースします。
驚くことにティム・フィンがあっさりと脱退しました。代わりにマーク・ハート(Mark Hart,key)が加入します。マークは前作でもアディショナル・ミュージシャンとしてクレジットされていましたので当然と言えば当然ですが、ティムの脱退はあまりにも早かったので驚きました。ただその後の二人を見ていると喧嘩別れでないことは確かです。また、プロデューサーも変わりました。キリング・ジョークなどを手掛けたマーティン"ユース"グローバーが担当しました。
ロック色がやや強くなったこのアルバムもこれまでの作品に劣ること無い出来です。ハードにはなっていますがメロディアスな曲作りは健在です。
このアルバムをもって『クラウデッド・ハウス』は一旦解散します。
1995年にフィン兄弟は『フィン・ブラザーズ(Finn Brthers)』という名義でアルバムを発表します。
これはクラウデッド・ハウスの3枚目のアルバムでティムが参加したときに計画されたものが現実になったものでした。
その後二人はそれぞれにソロアルバムを発表します。
そして2004年に再び『フィン・ブラザーズ』としてアルバム『Everyone Is Here』を発表します。
やっぱりこの二人はいいです。極上のハーモニーを聴かせてくれます。メロディーも切なく哀愁があります。
そして2007年に『クラウデッド・ハウス』が再結成します。その前に『Farewell to the World』というライブアルバムが2枚組で発売されました。
そして2007年に『Time on Earth』が発表されます。
オリジナルメンバーのポール・ヘスターが2005年に46歳で亡くなり、代わりにマット・シェロッド(Mat Sherrod,ds,vo)が加わっています。ザ・スミスのジョニー・マーが参加しています。プロデューサーも新しくイーサン・ジョーンズを迎え心機一転の意気込みが伺えます。内容も文句なしの出来です。メロディアスな曲はまだまだ健在です。ディスコ調の曲などあったりしてバラエティに富んでいます。
なお、3枚目の『Woodface』からギタリストとして息子のリアムがセッション参加しています。正式なメンバーとしてはクレジットされていませんが、このアルバムにも参加しており、ニールのソロにもいつも参加しています。彼はソロアルバムも何枚か出しており、機会があったら買ってみようかと思っています。
また同じくシャローム・フィンなる女性がこれまた『Woodface』からバッキングヴォーカルとして参加しています。娘なのか奥さんなのか分かりません。
さらに2010年に7枚目のアルバムとして『Intriguer』がリリースされます。
残念ながら未購入です。探します。
このアルバム以降は今のところ出ておりません。
本来ならば兄弟のそれぞれのソロアルバムについても書きたかったのですが、いっぱいになりました。またその内機会があったら書きたいと思います。
Crowded House - Into Temptation
CROWDED HOUSE - NAILS IN MY FEET
"chocalate cake" crowded house
それでは今日はこの辺で。