Flying Skynyrdのブログ

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ポール・サイモン・ソング・ブック『Simon Before Garfunkel 』

1955年、ポール・サイモンは14歳で幼馴染のアート・ガーファンクルと『トム&ジェリー』というデュオを組み、1958年にはヒット曲まで出しました。

1964年にはサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)』という名でファーストアルバム『水曜の朝、午前3時(Wednesday Morning, 3 A.M)』をリリースしました。

しかし、これがさっぱり注目されず、ポール・サイモンは失意のあまり渡英します。

ロンドン滞在中に、ポールの曲がラジオから流れるようになり好評を博しました。そこでポールは12曲のレコーディングをします。そしてこれをイギリスでPaul Simon Song Book』として発売しますが、ポールはこれが意にそぐわなかったのかすぐにこれを自主回収してしまいます。こうしてこのアルバムは世の中から消えました。

 

それから間もなく、サイモン&ガーファンクルアメリカでファーストアルバムの中から「サウンド・オブ・サイレンス(The Sound Of Silence)」が売れ出し、ポール・サイモンアメリカに戻り、再びサイモン&ガーファンクルとして活動を再開し、その後続々とヒット曲を飛ばし、あっという間に人気アーティストになっていました。

 

そして1969年、幻となっていた『Paul Simon Song Book』を日本のCBSソニーがジャケットデザインとタイトルを変えて発売したのです。したがってしばらくは日本のみの発売でした。後に『Paul Simon Song Book』が解禁になったのです。このジャケットデザインは日本盤だけです。

タイトルは『Simon Before Garfunkel 』と名付けられました。

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ちなみに元のジャケットはこちらです。

 

Side A

1.アイ・アム・ア・ロック(I Am A Rock)

2.木の葉は緑(Leaves That Are Green)

3.教会は燃えている(A Church Is Burning)

4.4月になれば彼女は(April Come She Will)

5.サウンド・オブ・サイレンス(The Sound Of Silence)

6.とても変わった人(A Most Peculiar Man)

 

Side B

1.私の兄弟(He Was My Brother)

2.ケイシーの歌(Kathy's Song)

3.ザ・サイド・オブ・ア・ヒル(The Side Of A Hill)

4.簡単で散漫な演説(A Simple Desultory Philippic)

5.雨に負けぬ花(Flowers Never Bend With The Rainfall)

6.パターン(Patterns)

 

A-5とB-1はサイモン&ガーファンクル『水曜の朝、午前3時(Wednesday Morning, 3 A.M)』に収録。

A-5とA-1、A-2、A-4、A-6、B-2は同じくサイモン&ガーファンクルのセカンドアルバム『Sounds Of Silence』に収録。

B-4、B-5、B-6はサイモン&ガーファンクルのサードアルバム『Parsley, Sage, Rosemary And Thyme』に収録。

 

このアルバムは全曲ポール・サイモンの自作で、ギターだけの弾き語りです。

後々有名になる、「アイ・アム・ア・ロック」、「4月になれば彼女は」「サウンド・オブ・サイレンス」などはサイモン&ガーファンクルの曲と違って、生々しく聞こえます。

「ケイシーの歌」は私の大好きなエヴァ・キャシディがカバーしています。

歌詞の内容もユダヤ人であるポールの苦悩が垣間見えます。「サウンド・オブ・サイレンス」もあの奇麗なそれではなく、ぼそぼそと歌う歌い方に彼の怒りのようなものを感じます。

何といっても1曲目の「アイ・アム・ア・ロック」です。「私は岩、私は島」です。「I have no need of friendship」「I touch no one and no one touches me」です。哲人のようです。いや哲人なのでしょう。

 

そして聴きやすいメロディーと来れば売れないはずがありません。1960年代後半はビートルズに替わる存在となっていました。

映画『卒業』の存在も大きかったでしょう。

1970年の『明日に架ける橋(Bridge Over Troubled Water』で一区切りとなりました。

 

その後はデュオを解消しソロで活動することになります。

ソロ転向後の活躍はご存じの通り、出すアルバムごとに大ヒットとなります。

     

 

1981年にはセントラルパークでサイモン&ガーファンクル の復活コンサートを開くなどその人気は絶大でした。

 

ポール・サイモンアカデミー賞を13回も受賞して、何度も日本公演もしており、おまけに日本の紅白歌合戦にまで出演しています。恐れ入ります。

 

いやはや、レコード棚からこんなLPを見つけ出して、何十年かぶりで聴いてみました。高校時代が懐かしいことこの上なしでした。「ミセス・ロビンソン」「ボクサー」「スカボローフェア」「サウンド・オブ・サイレンス」「アメリカ」「コンドルは飛んで行く」「明日に架ける橋」「アメリカ」「セシリア」・・・、いくらでも出て来ますね。

 

二人とも現在76歳。元気なようです。

 


I Am A Rock, Paul Simon Songbook 1965


The Sound Of Silence, Paul Simon Songbook 1965


April Come She Will, Paul Simon Songbook 1965


Kathy's Song, Paul Simon Songbook 1965

 

それでは今日はこの辺で。