有名なロックフェスティバルとしては、1967年の『モンタレー・ポップ・フェスティバル』、1969年のハイドパークの『ストーンズ・イン・ザ・パーク』、『ウッドストック』、そして同じ1969年の「オルタモントの悲劇」と言われた『オルタモント・フリー・コンサート』などがあります。これらはいずれも映像化されたりレコードになっています。
そして1970年に開かれた大きなイベントとして、第2回アトランタ・ポップ・フェスティバル(Atlanta International Pop Festival)と第3回ワイト島フェスティバル(The Isle of Wight Festival 1970)の模様をカップリングして3枚組のレコードが1971年に発売されました。
何故この2つのコンサートを1組のレコードにしたのかは分かりません。でもちょっと面白いので取り上げてみました。
タイトルは『First Great Rock Festivals Of The Seventies - Isle Of Wight / Atlanta Pop Festival』です。
Record 1 アトランタ・ポップ・フェスティバル
Side A
1.Mean Mistreater - Johnny Winter And
2.Kind Woman - Poco
3.Grand Junction - Poco
4.The Love, Peace And Happiness - The Chambers Brothers
5.Statesborough Blues - The Allman Brothers Band
Side B
1.Whippen Post - The Allman Brothers Band
2.Stormy Monday - Mountain
Record 2 ワイト島フェスティバル
Side C
1.Stand! - Sly & The Family Stone
You Can Make It If You Try - Sly & The Family Stone
2.No Need To Worry - Cactus
Parchman Farm - Cactus
3.Mr. Bojangles - David Bromberg
Side D
1.I Can't Keep From Cryin Sometimes - Ten Years After
2.Salty Dog - Procol Harum
Record 3 ワイト島フェスティバル
Side E
1.Tonight Will Be Fine - Leonard Cohen
2.Power To Love - Jimi Hendrix
Midnight Lightning - Jimi Hendrix
Foxy Lady - Jimi Hendrix
Side F
1.Blame It On The Stones - Kris Kristofferson
The Pilgrim - Chapter 33 - Kris Kristofferson
2.Call It Anythin' - Miles Davis
レコード1の『アトランタ・ポップ』のA-1はジョニー・ウィンター。ジョニー・ウィンターのライブアルアムでも取り上げていたブルースナンバー。カッコいい。
A-2、3はポコ。バッファロー・スプリングフィールド時代のリッチー・ヒューレイの名曲が聴けます。
A-4はゴスペル、ソウルのチェンバー兄弟のヒット曲。
A-5、B-1はオールマン・ブラザースのおなじみの曲。デュアン・オールマンはこの翌年亡くなります。
B-2はマウンテン。長尺で新味の「ストーミー・マンデー」。レスリー・ウェスト(g)とフェリックス・パパラルディ(b)の掛け合いがいい。そこにコーキー・レイン(ds)が絡みます。
レコード2,3の『ワイト島』のC-1はファンクの王者スライ・アンド・ファミリー・ストーンです。
C-2はカクタス。ヘヴィなブルースに始まって、お得意の「パーチマン・ファーム」です。このあとティム・ボガードとカーマイン・アピスはジェフ・ベックと合流。
C-3はデヴィッド・ブロンバーグ。酔っぱらったような歌い方でジェリー・ジェフ・ウォーカーの名曲「ミスター・ボー・ジャングル」を歌います。
D-1はテン・イヤーズ・アフター。得意のジャズ・ブルース・ロック。途中でクリームの「サンシャイン・ラヴ」などを入れて遊んでいます。
D-2はプロコル・ハルムの名曲。アルバム『ソルティ・ドッグ』のタイトル曲。ですがこれはやっぱりスタジオ録音がいいです。
E-1はシンガーソングライターのさきがけ、レナード・コーエンです。張り切っています。
E-2は言わずと知れたジミヘン。この3曲は凄いです。ブルース感覚が凄い。死の直前です。
F-1はクリス・クリストファーソン。テンションが高いです。SSW陣は先ほどのレナード・コーエンもそうですがロック陣に負けじとテンション高めです。
F-2はジャズ界からマイルス・デイヴィス。といってもこの頃のマイルスはジャズロック、フュージョンに傾倒し始めた頃です。アルバム『ビッチェス・ブリュー』が出た後です。
この3枚組レコードですが、どうしてこのような選曲になったのかは不明です。もっとたくさんのミュージシャンが出演していたのに、何か中途半端です。しかしレコード時代ですからやむを得ないかもしれません。それでもこれはこれで貴重です。
この二つのロックフェスティバルは共に20~60万人(推定)といわれ、ウッドストック以上の観客動員を記録しました。残ったのはゴミの山でした。とにかくロック・フェスティバルの全盛期でした。
この年の『アトランタ・ポップ・フェスティバル』の模様は後にジミ・ヘンドリックスの4枚組ボックスセット『Stages』の4枚目で聴けます。また、オールマン・ブラザーズについては『Live at the Atlanta International Pop Festival』が発売されています。
Live at the Atlanta International Pop Festival
- アーティスト: Allman Brothers Band
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2003/10/21
- メディア: CD
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また、この年の『ワイト島フェスティバル』の模様は後に『Message To Love』というタイトルでCD及びDVDが発売されています。
Message To Love: The Isle Of Wight Festival 1970
- アーティスト: Various Artists
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 1996/10/29
- メディア: CD
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Message to Love: Isle of Wight Festival [DVD] [Import]
- 出版社/メーカー: Sony Wonder (Video)
- 発売日: 1997/12/10
- メディア: DVD
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それとこの年の『ワイト島』でのライブはそれぞれのミュージシャンが独自でレコードやCDを出しています。
ザ・フー、EL&P、ザ・ドアーズ、テイスト、フリー、ムーディー・ブルース、レナード・コーエン、マイルス・デイヴィスなど。
The Jimi Hendrix Experience - Purple Haze (Live at the Atlanta Pop Festival)
Allman Brothers Band Statesboro Blues
The Doors - Light My Fire (Live At The Isle Of Wight Festival 1970)
Taste - What’s Going On - Live At The Isle Of Wight Festival / 1970
Isle of Wight Festival (1970) - Ten Years After - I Can't Keep From Crying (Live)
それでは今日はこの辺で 。