イギリス・ロンドンでのもっとも有名なコンサート会場、レインボー・シアター(The Rainbow Theatre)です。
当初はその名の通り映画館でしたが、1960年代の後半からは音楽会場としてロンドンでも指折りの場所となりました。
ジミ・ヘンドリックスが初めてギターを燃やしたのもこの会場でした。ビーチボーイズの『Live In London』もこの会場でした。
1973年にはエリック・クラプトンの復活コンサートも行われました。アルバム『Rainbow Concert』です。ここにはスティーヴ・ウインウッド、ピート・タウンゼント、ロン・ウッドなど豪華メンバーが揃いました。
また1974年のヴァン・モリソンのライブアルバム『It's Too Late to Stop Now...』の一部もここでの録音が含まれています。
クイーンも何度かライヴを行い、その様子は2014年の『Live at the Rainbow '74』に収められています。
その他にもピンク・フロイドをはじめ数え切れないくらいのアーティストがここで演奏しました。
そのレインボー・シアターが1975年に閉鎖されることになりました。3月16日のライブの模様がレコード化されました。
『The Last Concert,Live Over The Rainbow』です。
Side A
1.Wheelin' 'N' Dealin' - Sassafras
2.Grand Hotel - Procol Harum
3.Brickyard Blues - Procol Harum with Frankie Mileer
4.I Am The Walrus - Sassafras
Side B
1.Hokey Pokey - Richard & Linda Thompspn
2.Halfway Between Heaven And Earth - Hatfield And The North
3.Discover The Lover - John Martyn
4.Savior - KevinCoyne
A-1はササフラス。イギリスのブギ・ロックバンド。この曲は彼らの2枚目の同名アルバムからです。
A-2はプロコル・ハルム登場。名曲「グランドホテル」です。マシュー・フィッシャーもロビン・トロワーも抜けています。ゲイリー・ブルッカーが頑張っています。途中で「Over The Rainbow(虹の彼方に)」を組み込むあたりは心憎いです。
A-3はプロコル・ハルムをバックにフランキー・ミラーです。曲はお得意の「ブリックヤード・ブルース」。これがいい。
B-1はリチャード&リンダ・トンプソン夫妻。リチャードはご存じフェアポート・コンベンションの初期メンバー。その後ソロに転向、リンダ・ピータースとデュオを組んだりします。そして結婚。この曲は夫妻名義の同名アルバムより。
B-2はハットフィールド&ザ・ノースです。イギリスのプログレッシヴバンドです。活動期間はわずか2~3年だったと思います。このライブの後に解散しています。但し1990年に再結成しています。
B-3はジョン・マーティンです。イギリスのシンガー・ソングライターです。1960年代から2000年代まで活躍しました。既に他界しました。
B-4はケヴィン・コインです。元サイレン(Siren)のメンバー。以後ソロ活動で数多くのアルバムを残します。既に他界しました。風変わりな曲で締めくくります。
こうしてレインボー・シアターは幕を閉じたのでしたが、翌年には再開します。しかし1982年に完全に閉鎖されました。
アメリカのフィルモアと同じように、この会場もその使命を終えたということなのでしょうか。
画像は探しましたが無いようです。CD化もされていないようです。
Procol Harum Live at the Rainbow with Frankie Miller
それでは今日はこの辺で。