ブラック・クロウズ(Black Crowes)は1989年ジョージア州アトランタで結成されました。それ以前にクリス・ロビンソン(Chris Robinson,vo,harp,perc)とリッチ・ロビンソン(Rich Robinson,g)はミスター・クロウズ・ガーデンというバンドを作っていました。そこにジェフ・シーズ(Jeff Cease,g)、ジョニー・コルト(Johnny Colt,b)、スティーヴ・ゴーマン(Steve Gorman,ds)が加わってバンド名も変更してブラック・クロウズが生まれました。
そして1990年にファーストアルバム『Shake Your Money Maker』をリリースします。
プロデュースはジョージ・ドラコリアス(George Drakoulias)です。
しかしこれがいきなりの大ヒット、全米チャート4位で400万枚を売り上げるという驚異的な成功でした。オーティス・レディングのカバーシングル「Hard to Handle」も大ヒットしました。オーソドックスなアメリカン、サザンロックでしたが意外な人気を呼びました。
続いてが1992年のセカンドアルバム『The Southern Harmony and Musical Companion』です。
01.Sting Me
02.Remedy
03.Thorn In My Pride
04.Bad Luck Blue Eyes Goodbye
05.Sometimes Salvation
06.Hotel Illness
07.Black Moon Creeping
08.No Speak No Slave
09.My Morning Song
11.Shake Em Down(Live)
ジェフ・シーズが退団。代わりにマーク・フォード(Mark Ford,g)が加入し、前作ではオールマン・ブラザースのチャック・リーヴェルがキーボードでゲスト参加していましたが、今作からエド・ハウリッシュ(Eddie Harsch,key)が正式にメンバーとして参加しました。
プロデュースは前作同様ジョージ・ドラコリアスです。
このアルバムも売れに売れ全米No.1を獲得しました。
ソウルフルなロックンロールで始まります。南部のバンド特有のジャム感たっぷりの02をはじめR&Bがたっぷりです。04の西海岸にも通じるゆったりとした南部特有のバラードなどは絶品です。クリス・ロビンソンのヴォーカルは素晴らしいの一言。
でもなんでこれが全米No.1になるのだろう、という疑問が残ります。1990年代初頭というとヘヴィメタは衰退し、オルタナ・グランジ全盛時代です。そのような時にこのような、どちらかというと地味なルーツ・ロックが売れるとはなんとも理屈では解明できない不思議さです。
続いてブラック・クロウズは1994年にサードアルバム『Amorica』をリリースします。
プロデュースがジェリー・フィッシュを手掛けたジャック・ジョセフ・プイグ(Jack Joseph Puig)とブラック・クロウズの共同プロデュースに代わります。
このアルバムもかなり良くできていますが、前作に比べ若干おとなしくなったような感じです。
1996年には4枚目のアルバム『Three Snakes & One Charm』をリリースします。
ここでのプロデュースはジャック・ジョセフ・プイグ単独になります。
このアルバムは前作以上に地味になってしまいました。
前作もこの作品も商業的にはセカンドアルバム程の成功は収められませんでした。
そして案の定、マーク・フォードとジョニー・コルトが退し、代わりにスヴェン・パイピーン(Sven Pipien,b)が加入します。ギターはリッチ一人になりました。
1999年に5枚目のアルバム『By Your Side』をリリースします。
プロデュースはケヴィン・シャーリー(Kevin Shirley)に代わります。
元気な「黒いカラス」が戻ってきました。というか今までで1番の激しいロックンロールではないでしょうか。
続いて2001年に『Lions』をリリースします。
スヴェン・パイピーンが脱退、オードリー・フリード(Audley Freed,g)が正式加入します。プロデュースはドン・ウォズ(Don Was)を迎えます。レーヴェルも変わります。
「黒いカラス」の迷走が始まりました。
2002年に活動停止。クリス・ロビンソンはソロアルバムの発表。
2005年に活動開始。その後もすったもんだがあり2015年にとうとう正式解散となりました。
一時期のサザンロックを盛り上げた立役者でした。
The Black Crowes - Hard To Handle
The Black Crowes - Sometimes Salvation
それでは今日はこの辺で。