1970年、私が高校生の頃、エルヴィス・プレスリーの復活映画『エルヴィス・オン・ステージ』を観ました。
その映画の中でプレスリーが歌っていた「ポーク・サラダ・アニー」という曲が歌も振りもカッコよくて、魅入られてしまいました。
そしてこの曲はいったい誰の曲だろうと、色々調べた結果(当時はそれほど情報がありませんでした)、トニー・ジョー・ホワイト(Tony Joe White)という人の曲だということが分かりました。
これは一度本家の曲を聴いてみたいとなり、早速レコード屋に行きましたが、田舎町のレコード屋にそんなものは置いてありません。注文してもよかったのですが、そんな金もなく、ましてや日本盤が出ているのかもわかりませんでした。ラジオでもかかりません。ましてやYou Tubeなどありません。やむなく諦めました。
そして大学に入学して東京に上京してからは中古レコード漁りの毎日で、ようやくトニー・ジョー・ホワイトのレコードを見つけました。しかも「ポーク・サラダ・アニー」が入っています。ラッキーでした。それがこのレコードです。中古で多少汚れていますが音は大丈夫です。タイトルは『BLACK AND WHITE』です。1969年リリースのファーストアルバムです。
Side A
1.Willie and Laura Mae Jones
2.Soul Francisco
3.Aspen Colorado
4.Whompt Out On You
5.Don't Steal My Love
6.Polk Salad Annie
Side B
1.Who's Making Love
2.Scratch My Back
3.Little Green Apples
4.Wichita Lineman
5.Look of Love
メンバーは
トニー・ジョー・ホワイト(Tony Joe White,vo,g,harmonica)
ノバート・プットナム(Nobert Putnam,b)
デヴィッド・ブリッグス(David Briggs,p,organ)
ジェリー・カーリガン(Jerry Carrgan,ds)
チップ・ヤング(Chip Young,g)
プロデュースはビリー・スワン(Billy Swan)です。
早速、念願の「ポーク・サラダ・アニー」を聴きました。正直言って拍子抜けしました。プレスリーのイメージが強すぎて、淡々と歌うトニー・ジョーは期待外れでした。
しかし何度か聴いているうちにじわじわとその良さが分かってきました。あ~、なるほどこれがスワンプ・ミュージックだなと思わされました。それまでスワンプと言えば、デラニー&ボニーやレオン・ラッセルあたりしか聴いていませんでしたから、さらに渋さを増したトニー・ジョーのスワンプは新鮮でした。低音で渋めのヴォーカルは嵌ると病みつきになります。
このアルバムはA面がオリジナルでB面がカバー曲になっています。
A-1はダスティ・スプリングフィールドがアルバム『Dusty In Memphis』で取り上げています。その他にも多くのミュージシャンにカバーされています。
A-3はブルック・ベントンがカバーしています。ブルック・ベントンはやはりトニー・ジョーの曲で「雨のジョージア」をヒットさせました。
B-1はジョニー・テイラーのヒット曲。
B-3はロジャー・ミラーのヒット曲。
B-4はグレン・キャンベルのヒット曲。
B-5はバート・バカラックの曲でダスティ・スプリングフィールドは映画『007カジノ・ロワイヤル』の中で歌った曲です。
トニー・ジョー・ホワイトはこの後もコンスタントにアルバムをリリースしてきました。私も何枚か買いましたが、何故かこのアルバムが一番気に入っています。
このアルバムとの出会いを導いてくれたエルヴィス・プレスリーに感謝です。
あと1枚挙げるとすると1971年の『Tony Joe White』でしょうか。
なお、トニー・ジョー・ホワイトは最新アルバムをリリースした直後、2018年10月24日、心臓発作で亡くなっています。
心よりご冥福をお祈りします。合掌。
Tony Joe White Polk Salad Annie Original B&W
Tony Joe White - Willie and Laura Mae Jones
Tony Joe White - Soul Francisco
プレスリー版を。今見るとちょっとおかしいかな。
Elvis Presley - Polk Salad Annie Live (High Quality)
それでは今日はこの辺で。