ロビン・トロワー、マシュー・フィッシャーと書いてきて、肝心なリーダーであるゲイリー・ブルッカー(Gary Brooker)のことを書いていませんでした。
プロコル・ハルムの前身であるパラマウンツ(tThe Paramounts)時代からバンドをリードしてきたゲイリー・ブルッカーは1966年にパラマウンツを解散し、詩人のキース・リードやマシュー・フィッシャー、デヴィッド・ナイツらと共にプロコル・ハルムを結成します。そしていきなりシングルの「青い影」が大ヒット、ロビン・トロワー、B.J.ウィルソンを迎えプロコル・ハルムの初期メンバーが確立しました。
しかし、最高傑作と言われるサードアルバム『A Salty Dog』をリリースすると、盟友のマシュー・フィッシャーが退団、5作目のアルバム『Broken Barricades』ではロビン・トロワーが存在感を示すも、彼もこの時点で退団してしまいます。
その後メンバーチェンジを繰り返しながら、ライブを含めた10作目の『Something Magic』をリリースして、1977年、ゲイリー・ブルッカーは「すべてをやりつくした」といってバンドを解散しました。
その後ゲイリー・ブルッカーは1979年にソロアルバム『No More Fear of Flying』を発表します。
参加メンバーは
ゲイリー・ブルッカー(Gary Brooker,vo,key)
ティム・レンウィック(Tim Renwick,g)
ブルース・リンチ(Bruce Lynch,b)
デイヴ・マタックス(Dave Mattacks,ds)
プロデュースはビートルズでおなじみのあのジョージ・マーティン(George Martin)でした。
ドラムのデイヴ・マタックスはフェアポート・コンヴェンションのメンバーです。
ゲイリー・ブルッカーのソウルフルなヴォーカルを聴くと、マシュー・フィッシャーとは別な意味でプロコル・ハルムを強く意識してしまいます。やはりプロコルにはこの声だな、と。
その後はポール・マッカートニーやジョージ・ハリソンのアルバムに参加したり、エリック・クラプトンのバンドマスターを務めたりと、第一線で活躍しました。
1982年にはセカンドソロアルバム『Lead Me to the Water』、1985年には『Echoes in the Night』を発表します。
前者にはアルバート・リー、エリック・クラプトン、ジョージ・ハリソン、クリス・ステイントンなどが参加しています。プロデュースはゲイリー自身です。
後者はエリック・クラプトンとロリー・ギャラガーが1曲づつリードギターで参加しています。さらにプロコル時代のB.J.ウィルソンがドラムで、キース・リードが作詞で参加しています。プロデュースには盟友のマシュー・フィッシャーが迎えられました。
1990年、パラマウンツ時代からの友人B.J.ウィルソンが亡くなり、その哀悼の意を込めてプロコル・ハルムを再結成します。オリジナルメンバーのマシュー・フィッシャーとロビン・トロワー、キース・リードも加わりました。そしてアルバム『The Prodigal Stranger』をリリースします。
さらに2003年には『Wells On Fire』を発表します。この時にはロビン・トロワーはいません。ジェフ・ホワイトホーンが加入しています。
そして2017年には14年ぶりに通算12作目のスタジオアルバム『Novum』をリリースしました。マシュー・フィッシャーはいません。作詞のキース・リードもいません。代わりの作詞は詩人ピート・ブラウンです。
残念ながら今のところ未入手です。早く買わねば。
こうして、途中中断がありましたが、約50年に亘ってプロコル・ハルムを引っ張てきたゲイリー・ブルッカーは英国王室から大英帝国勲章を授けられました。その価値は十分あると思います。現在73才、まだまだいけるでしょう。勇気づけられます。
Procol Harum - A Whiter Shade Of Pale - Gary Brooker
Procol Harum - Nothing But The Truth // Denmark - 2006
Procol Harum & Gary Brooker - Beyond The Pale
Procol Harum - As Strong As Samson
それでは今日はこの辺で。