Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

「天声人語」に載った『高田 渡』

なんと昨日、朝日新聞の「天声人語」に高田渡先生「ごあいさつ」の歌が紹介されました。アメリカのトランプ大統領北朝鮮金正恩委員長と板門店で電撃会談を行ったことについてのお話でした。

この「ごあいさつ」という、極めて短い歌の作詞は谷川俊太郎さんです。

その内容は

 

作詞:谷川俊太郎

作曲:高田 渡

 

どうもどうも いやどうも

いつぞやいろいろ このたびはまた

まあまあひとつ まあひとつ

そんなわけでなにぶんよろしく

なにのほうはいずれなにして

そのせつゆっくりいやどうも

 


ごあいさつ/高田渡

 

という短い歌です。全く中身を伴わない、ただのそらぞらしい挨拶の連続。「歴史的だ」「アメリカ大統領として初めて!」などと大騒ぎしていますが、今回の会談もまさにそれだったのではないかと。

確かに非核化についても具体的な話などはありません。まったくのパフォーマンスとしか受け取れません。トランプ大統領は来年の大統領選を睨んで、韓国の文大統領は名誉挽回に必死、金委員長はなんとか非核化をせずに経済制裁を解こうという腹が見え見えです。

 

高田渡先生には面白い歌がいっぱいあります。なかでも初期の代表曲である『値上げ』が面白いです。

 

作詞:有馬 敲

作曲:高田 渡

 

値上げは ぜんぜん 考えぬ 

年内 値上げは 考えぬ

当分 値上げは ありえない

 

極力 値上げは おさえたい

今のところ 値上げは 見送りたい

すぐに 値上げは 認めない

 

値上げがあるとしても 今ではない

なるべく値上げは さけたい

値上げせざるを得ないという声もあるが 

値上げするかどうかは 検討中である

値上げも さけられないかもしれないが まだまだ時期が 早すぎる

  

値上げの時期は 考えたい

値上げを 認めたわけではない

すぐに値上げはしたくない

値上げには  消極的であるが 年内値上げも やむを得ぬ

近く 値上げもやむを得ぬ

値上げにふみきろう!

 


高田渡 - 値上げ

 

昔も今も政治家さんの答弁は変わりません。 色々な問題が起こっても、なにか訳の分からない答弁を繰り返しながら、いつの間にかうやむやになって終わります。そして国民が忘れてしまうのをじっと待つのです。そしてその内、国民は忘れます。政治家さんはシメシメ、とまたデカい顔をします。まるで何事もなかったように。

 

それにしても、トランプ大統領はしたたかです。日本の首相はいくらゴマをすっても結局は言いたいことを言われて、何も言い返せない。北朝鮮もしたたかです。間に挟まれた韓国と日本。この二人も仲違い。これからどうなるのでしょう。高田渡先生が生きていたらどんな歌を作ったでしょう。いや、興味ないかな。そんなこと考えたら酒がまずくなるよ、って。

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

 

 

 

 それでは今日はこの辺で。