Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』を観る

昨日のキネ旬シアターは『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』でした。

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監督:ブレット・ヘイリー

主演:ニック・オファーマン、カーシー・クレモンズ

制作:2018年 アメリカ 2019年 日本公開

 

妻を亡くした父親と男手一つで育てた娘のお話です。

 

フランクは17年前に妻を亡くし、男手ひとつで娘・サムを育ててきました。フランクは元ミュージシャンでしたが売れずに辞めて、今はニューヨークのブルックリンでレコード店を経営しています。フランクは偏屈な店主で客もあまり寄り付きません。そのため経営も芳しくなく、閉店することを決めています。

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フランクはサムの音楽的才能を見込んでおり、音楽の道へ進むことを薦めますが、サムは医者になりたくてロサンゼルスの大学へ進学することを決めています。そのための勉強に熱心です。

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フランクの楽しみはサムとのセッション、夢はサムとバンドを組むことです。サムはしつこい父親のために曲を作ります。そしてその曲を二人で演奏しレコーディングしました。タイトルは『ハーツ・ビート・ラウド』です。フランクは内緒でこの曲を音楽配信サイト・スポティファイ(Spotify)にアップロードしてしまいました。バンド名はサムのことを思い『We Are Not A Band』としました。

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ある時、フランクはベーカリーで『ハーツ・ビート・ラウド』を耳にします。店員に尋ねるとスポティファイからだといいます。フランクは大喜びです。フランクはサムにデュオを組んで音楽活動をしようと持ちかけます。しかしサムは乗り気ではありません。

 

サムはフランクには内緒で『Blink (One Million Miles)』という曲を書いていました。それはサムの同性の恋人・ローズのことを歌った曲でした。サムはフランクに自分が同性愛者であることを告白します。

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その頃、レコード店の土地の所有者レスリーが訪ねてきて、店を改装すれば閉店しなくてもすむのでは、と言います。しかし、フランクの気持ちは固まっていました。

 

暫くしてレコード会社の男がフランクを訪れ、メジャー・デビューの話を持ちかけてきました。フランクは大喜びでサムに話しますが、サムはその気ではありませんでした。そしてフランクの言葉に怒って出て行ってしまいました。

 

フランクは閉店の準備を始めます。そこにサムがやってきて、店の最後の日にライブをやろうと提案します。そして最終日。二人はライブを始めますが、客は無関心。ですが『ハーツ・ビート・ラウド』をサムが歌いだすと、客も注目し始め、大喝采となりました。ライブが終わった後、二人は酒を飲みます。サムは「もし私がロスにいかなかったら?」と聞きます。サムは父親と恋人との別れに悩んでいたのです。

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数か月後、フランクは友人の店でバーテンの仕事をしています。サムはUCLAへ行ってしまったと話します。サムはロスでも音楽活動を続けていました。

 

大人になり切れない親父としっかり者の娘。そんな父親を鬱陶しいと思いつつも信頼している娘。何でも話します。自分が同性愛をしていることも。父親は難なくそれを受け入れます。そんな娘も自分の元を離れようとしています。それは成長の証ですから致し方ありません。それでも寂しさと夢を実現したい気持ちから、なかなか自分を納得させられません。男手一つで育てたのですから猶更でしょう。娘を持つ父親の気持ちがよく描かれています。それでも子供は旅立ちます。またそうでないと困ります。理屈はそうなのですが割り切れないのも現実です。その辺の心情がよく描かれていて思わず涙が出そうになります。

 

このような親子関係もいいものですね。なぜかさわやかな気持ちになりました。サム役の女優がかわいらしく、歌も上手く魅せられました。

 

若い頃、中古レコード屋の店主にあこがれました。高田馬場の中古屋の親父はげんきかな?

 


『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』予告編1

 

それでは今日はこの辺で。