今日の「聴き比べ」は『サルビアの花』です。
この曲はジャックスを解散した早川義夫先生の作品です。早川義夫先生については以前の記事でご覧ください。
この曲は1969年の彼のソロデビューアルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』に収録されました。
サルビアの花
作曲:早川義夫
作詞:相沢靖子
いつもいつも思ってた
サルビアの花を
あなたの部屋の中に投げ入れたくて
そして君のベッドに
サルビアの紅い花 敷きつめて
ボクはキミを
死ぬまで抱きしめていようと
なのになのにどうして
他の人のところへ
ボクの愛の方がステキなのに
泣きながらキミのあとを追いかけて
花ふぶき舞う道を
協会の鐘の音(ね)は何て
嘘っぱちなのさ
扉をあけて出て来たキミは
偽りの花嫁
頬をこわばらせボクをチラッと見た
泣きながらキミのあとを追いかけて
花ふぶき舞う道をころげながら
ころげながら走りつづけたのさ
初めてこの曲を聴いた時には、何故か映画『卒業』のラストシーンを思い出してしまいました。でも、よく読むと何か妙な詩です。
それはともかく、この曲は本人の歌唱よりも多くのカバーで知られるようになりました。当時の深夜放送でよく流れていたのが青山学院大学の女学生3人のグループ、もとまろでした。それと岩淵リリです。残念ながら岩淵リリの映像はありませんでした。
珍しいところではアイドル天地真理です。1974年のレコーディングです。
この曲は男性の歌なのに何故女性のカバーが多いのでしょう。しかも皆綺麗に歌っています。そんな綺麗な内容の詩ではないというのに。不思議でした。
1978年に甲斐よしひろが、アルバム『翼あるもの』でこの曲をカバーしました。ようやく男性歌手がカバーしました。
1983年にはあみんもカバーしました。これも綺麗です。
そして2001年には井上陽水がカバー集『UNITED COVER』でカバーしました。
こうして聴いてくると、やはり早川義夫先生の解釈が一番、的を射ているような気がしてなりません。
それでは今日はこの辺で。